令和2年障害者雇用状況の集計結果からみた今後の障害者雇用とは

令和2年障害者雇用状況の集計結果からみた今後の障害者雇用とは

2021年01月20日 | 障害関連の情報

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厚生労働省が、民間企業で働く障害者が6月1日時点で57 万 8,292.0人となり、過去最多を更新したことを発表しました。前年比3.2%(1万 7,683.5人)増加し、実雇用率 2.15%、対前年比 0.04 ポイント上昇しています。また、法定雇用率達成企業の割合は 48.6%となっており、前年比 0.6 ポイント上昇しています。

令和2年度の障害者雇用率についての状況について見ていきます。

令和2年の障害者雇用状況について

厚生労働省が、民間企業で働く障害者の6月1日時点の雇用状況について発表しました。

令和2年 障害者雇用状況の集計結果(厚生労働省)

雇用障害者数、実雇用率ともに過去最高を更新しており、雇用障害者数は57 万 8,292.0人、対前年3.2%で、1万 7,683.5人増加しています。17年連続で雇用者数は過去最高となっています。また、実雇用率は2.15%となり、対前年比0.04ポイント上昇しています。

出典:厚生労働省

障害別にみると、身体障害者は356,069.0人(対前年比0.5%増)、知的障害者は 134,207.0人(対前年比4.5%増)、精神障害者は88,016.0人(対前年比12.7%増)と、いずれも前年より増加しています。精神障害の雇用数の伸びに関しては、例年と同じように伸びています。精神障害者の大幅な増加は、2018年4月に雇用義務化の対象に加えられたことや、障害者雇用が進み、他の障害種別の採用が厳しくなっていること、精神障害として就職を希望する人が増えてきていることなどが理由と考えられます。

また、障害者雇用の傾向として、障害者雇用のマーケットの中で、働ける身体障害者は既に働いており、知的障害も一定数はいるものの売り手市場で特別支援学校卒業時に就職が決まっている場合も多く、障害者雇用として採用をかけたときに精神手帳をもつ方の応募は増加しており、この傾向は今後も続くことが予想されます。

障害者雇用が義務付けられる対象は、従業員45.5人(短時間労働者は0.5人で計算)以上の企業となっており、法定雇用率達成企業の割合は 48.6%(対前年比48.0%)でした。法定率を未達成の企業は全体の51.4%に当たる5万2,742社で、このうち障害者を一人も雇用していない企業は3万542社でした。

企業規模別の状況

企業規模別にみると、雇用されている障害者の数は、45.5~100人未満規模企業 で58,350.0人(前年は56,679.5人)、100~300人未満で113,199.0人(同111,128. 0人)、300~500人未満で50,824.5人(同49,399.5人)、500~1,000人未満で66, 588.0人(同65,439.5人)、1,000人以上で289,330.5人(同277,962.0人)と、全ての企業規模で前年より増加しました。

民間企業全体の実雇用率は2.15%(同2.11%)となっていますが、企業別の実雇用率は、45.5~100人未満で1.74%(前年は1.71%)、100~300人未満で 1.99%(同1.97%)、300~500人未満で2.02%(同1.98%)、500~1,000人未満で2.15% (同2.11%)、1,000人以上で2.36%(同2.31%)となっています。 これを見ると大企業では、法定雇用率を達成していることがわかりますが、企業規模が小さくなるほど障害者雇用の状況が厳しいことがわかります。

法定雇用率を達成している企業の割合については、45.5~100人未満が45.9%(前年は45.5%)、 100~300人未満が52.4%(同52.1%)、300~500人未満が44.1%(同43.9%)、 500~1,000人未満が46.7%(同43.9%)、1,000人以上が60.0%(同54.6%)となっています。すべての企業規模において前年よりは増加しているものの、こちらからも中小企業の障害者雇用の状況が厳しいことがわかります。

また、障害者雇用率は上がっているものの、民間企業に義務づけられた障害者の雇用率2.2%を達成できていない企業は全体の半数に上り、障害者を1人も雇っていない企業も30,542社と、その割合は3割ほどとなっています。取り組んでいるところと取り組んでいないところの差がひろがり、ますます二極化している状況が見られます。

【企業規模別実雇用率】

【企業規模別達成企業割合】

出典:厚生労働省

産業別の状況

産業別の実雇用率では、「医療,福祉」(2.78%)、「農,林,漁業」(2.33%)「生活関連サービス業,娯楽業」(2.33%)、「電気・ガス・熱供給・水道業」(2.3 1%)、「運輸業,郵便業」(2.23%)が法定雇用率を上回っていました。最も低い業種は、教育、学習支援業の1.71%でした。

出典:厚生労働省

医療、福祉分野での障害者雇用が進んでいるようです。医療機関や病院では、看護師の付随する業務などを中心として業務の切り出しが上手にされている事例をよく聞きます。大きな病院は系列がたくさんあるので、1つの病院や施設が良い取り組みができると、それが横展開していくことができているようです。

一方、企業の話を聞いていると、企業単体で取り組むところが多く(特例子会社の場合は別ですが)、関係企業との連携はあまり進んでいないように感じます。ある程度の規模があると、業務の切り出しなどは行いやすくなることもあり、企業グループの中でも協力しながら障害者雇用を進めていくことは、今後検討していくべきことだと感じます。

特例子会社の状況

令和2年6月1日現在で特例子会社の認定を受けている企業は542社(前年より25社増)で、雇用されている障害者の数は、38,918.5人でした。特例子会社とは、親会社の実雇用率に算入できる、障害者の雇用に特別の配慮をした子会社のことです。

特例子会社で雇用されている内訳をみると、身体障害者は11,573.0人、知的障害者は20,5 52.5人、精神障害者は6,793.0人でした。特例子会社は知的障害者を雇用する割合が高く、今年度もその傾向が見られています。また、知的、精神は前年よりも雇用人数は増加していますが、身体は前年11,939.5人だったものが11,573.0人と減少しています。

障害者雇用率達成指導の状況

実雇用率の低い事業主は、障害者雇用の実雇用率の低い企業は、毎年6月1日の障害者雇用状況報告にもとづいて、雇入れ計画命令が出され、2年間で障害者雇用を達成できるように指導されます。この計画書は、2年で障害者雇用を達成するための計画書であり、ちょうど事業計画書を作成するように、障害者雇用を達成するための時期や方法を記載していきます。

そして、この雇入れ計画書にもとづき、ハローワークから指導が入ります。計画の1年目の終わり頃には雇入れ計画が計画通りに進捗しているか確認され、できていないと雇入入れ計画の適正実施勧告がなされます。また、雇用状況の改善が特に遅れている企業に対しては、計画期間終了後に9か月間、社名公表を前提として特別指導が実施されます。そして、改善が見られない場合には、企業名の公表となります。最近では、不足数の特に多いところでは厚生労働省からの直接指導されていることも明らかにされています。

出典:厚生労働省

令和元年度の実績としては、次のようになっています。

「障害者雇入れ計画作成命令」の発出 ・・・ 0社

障害者雇入れ計画の「適正実施勧告」 ・・・ 0社

「特別指導」の実施 ・・・ 0社

障害者雇入れ計画を実施中の企業 ・・・ 296社(令和元年度)

令和元年度に「障害者雇入れ計画作成命令」「適正実施勧告」「特別指導」が0社となっているのは、平成30年の障害者不適切計上により官公庁の障害者採用が行われたことにより、影響が生じる可能性があった民間企業への対策として、特例的に「行政措置」の猶予となっているためです。

まとめ

厚生労働省が、令和2年の障害者雇用状況について発表しました。民間企業で働く障害者は、昨年6月1日時点で57 万 8,292.0人となり、17年連続で過去最多を更新しました。前年比3.2%(1万 7,683.5人)増となっており、対象企業の従業員に占める割合である雇用率も2.15%と過去最高を更新しています。

一方で、民間企業全体の実雇用率を達成しているのは、500~1,000人未満及び1,000人以上規模企業であり、大規模な企業ほど障害者雇用率が達成されていることがわかります。中小企業の障害者雇用は大企業に比べると進んでおらず、また、2021年3月に雇用率が0.1%上がることに伴い、これから雇用率対象となる企業も増えていきます。中小企業の障害者雇用についての支援が厚生労働省から出されていますので、それらを活用することができるかもしれません。

また、今回の発表にはあまり反映されていないと見られますが、2020年春からのコロナの影響で雇用状況が悪化しており、解雇などのニュースを目にしますし、新規採用を止めている企業も少なくありません。これらの影響がどのようになるのかが、今後注目されるところです。

緊急事態宣言時は、職場での仕事が難しく休業や研修といった措置を取らざるを得ない企業も多くある一方で、一部の企業では、リモートワークを実施して、精神障害や発達障害の方の新たな活躍の場を作る事例も出ています。働き方の変化や、DXやAIが進化することによる業務の変化などが考えられますので、新たな業務開発や新規事業についても本格的に検討していくことが求められる必要があるかもしれません。

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参考

中央省庁の障害者雇用水増し問題から見る障害者雇用の考え方

中央省庁の障害者雇用率水増し問題~国の機関の8割超えの27機関に~

企業が障害者雇用を行う理由~担当者がおそれる社名公表とは~

障害者雇用義務が果たせないとき、罰則はあるのか

【障害者雇用】職場で雇用への理解がないときにすべきこと

これからの障害者雇用はどうなるのか~コロナ禍の影響と今後に向けて企業が行なうべき事~

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