令和4年障害者雇用状況の集計結果からみた今後の障害者雇用とは

令和4年障害者雇用状況の集計結果からみた今後の障害者雇用とは

2023年01月3日 | 障害関連の情報

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厚生労働省が、民間企業で働く障害者が6月1日時点で61万3,958.0人となり、過去最多を更新したことを発表しました。前年比2.7%(1万6,172.0人)増加し、実雇用率 2.25%、対前年比 0.05ポイント上昇しています。また、法定雇用率達成企業の割合は48.3%となっており、前年比 1.3ポイント上昇しています。

令和4年度の障害者雇用率についての状況について見ていきます。

令和4年の障害者雇用状況について

厚生労働省が、民間企業で働く障害者の6月1日時点の雇用状況について発表しました。

令和4年 障害者雇用状況の集計結果(厚生労働省)

雇用障害者数、実雇用率ともに過去最高を更新しており、雇用障害者数は61万3,958.0人、対前年2.7%で、1万6,172.0人増加しています。19年連続で雇用者数は過去最高となっています。また、実雇用率は 2.25%となり、対前年比0.05ポイント上昇しています。

出典:厚生労働省

障害別にみると、身体障害者は357,767.5人(対前年比0.4%減)、知的障害者は 146,426.0人(対前年比4.1%増)、精神障害者は109,764.5人(対前年比11.9%増)と、知的障害者、精神障害者が前年より増加しています。特に、精神障害の雇用数の伸びに関しては、例年と同じように伸びています。精神障害者の大幅な増加は、2018年4月に雇用義務化の対象に加えられたことや、障害者雇用が進み、他の障害種別の採用が厳しくなっていること、精神障害として就職を希望する人が増えてきていることなどが理由と考えられます。

今回は、身体障害者の割合が減少となりました。身体障害者の雇用は、障害者雇用の中でも早くから始まったことに加え、医療や労働環境の発展により、労働災害などによる身体障害になる割合が減少していることが影響していると考えられます。

また、障害者雇用の傾向として、障害者雇用のマーケットの中で、働ける身体障害者は既に働いており、知的障害も一定数はいるものの売り手市場で特別支援学校卒業時に就職が決まっている場合も多く、障害者雇用として採用をかけたときに精神手帳をもつ方の応募は増加しており、この傾向は今後も続くことが予想されます。

障害者雇用が義務付けられる対象は、従業員43.5人(短時間労働者は0.5人で計算)以上の企業となっており、法定雇用率達成企業の割合は48.3%(前年47.0%)でした。法定率を未達成の企業は5万5,684社で、このうち障害者を一人も雇用していない企業は3万2,342社でした。

企業規模別の状況

雇用されている障害者の数は、43.5~100人未満規模企業 で6万6,001.0人(前年は6万4,255.0人)。100~300人未満で117,790.0人(同114,905. 0人)、300~500人未満で52,239.5人(同51,657.5人)、500~1,000人未満で69, 375.5人(同67,920.5人)、1,000人以上で308,552.0人(同299,048.0人)と、全ての企業規模で前年より増加しています。

民間企業全体の実雇用率は2.25%(同2.20%)となっていますが、企業別の実雇用率は、43.5~100人未満で1.84%(前年は1.81%)、100~300人未満で2. 08%(同2.02%)、300~500人未満で2.11%(同2.08%)、500~1,000人未満で2. 26%(同2.20%)、1,000人以上で2.48%(同2.42%)となっています。これを見ると大企業では、法定雇用率を達成していることがわかりますが、企業規模が小さくなるほど障害者雇用の状況が厳しいことがわかります。

法定雇用率を達成している企業の割合については、43.5~100人未満が45.8%(前年は45.2%)、100~300人未満が51.7%(同50.6%)、300~500人未満が43.9%(同41.7%)、500~1,000人未満が47.2%(同42.9%)、1,000人以上が62.1%(同55.9%)とな り、全ての規模の区分で前年より増加しています。昨年度はコロナや令和3年3月に雇用率が引き上げられたことが影響していたのか、すべての規模で減少が見られましたが、今年度はそれは見られていません。

【企業規模別実雇用率】

【企業規模別達成企業割合】

出典:厚生労働省

産業別の状況

産業別の実雇用率では、「金融業、保険業」「生活関連サービス業、娯楽業」以外の業種では前年よりも増加しました。「医療、福祉」(2.89%)、「鉱業、採石業、砂利採取業」 (2.47%)、「生活関連サービス業、娯楽業」(2.38%)、「農、林、漁業」(2.36%)、 「電気・ガス・熱供給・水道業」(2.36%)、「運輸業、郵便業」(2.32%)が法定雇用率を上回っていました。

出典:厚生労働省

特例子会社の状況

令和4年6月1日現在で特例子会社の認定を受けている企業は579社(前年より17社増)で、雇用されている障害者の数は、43,857.0人でした。特例子会社とは、親会社の実雇用率に算入できる、障害者の雇用に特別の配慮をした子会社のことです。

特例子会社で雇用されている内訳をみると、身体障害者は11,841.0人、知的障害者は22,9 41.0人、精神障害者は9,080.5人でした。特例子会社は知的障害者を雇用する割合が高く、今年度もその傾向が見られています。

障害者雇用率達成指導の状況

障害者雇用の実雇用率の低い企業は、毎年6月1日の障害者雇用状況報告にもとづいて、雇入れ計画命令が出され、2年間で障害者雇用を達成できるように指導されます。この計画書は、2年で障害者雇用を達成するための計画書であり、ちょうど事業計画書を作成するように、障害者雇用を達成するための時期や方法を記載していきます。

そして、この雇入れ計画書にもとづき、ハローワークから指導が入ります。計画の1年目の終わり頃には雇入れ計画が計画通りに進捗しているか確認され、できていないと雇入入れ計画の適正実施勧告がなされます。また、雇用状況の改善が特に遅れている企業に対しては、計画期間終了後に9か月間、社名公表を前提として特別指導が実施されます。そして、改善が見られない場合には、企業名の公表となります。最近では、不足数の特に多いところでは厚生労働省からの直接指導されていることも明らかにされています。

出典:厚生労働省

令和3年度の実績としては、次のようになっています。

「障害者雇入れ計画作成命令」の発出 ・・・ 394社

障害者雇入れ計画の「適正実施勧告」 ・・・ 72社

「特別指導」の実施 ・・・ 36社

障害者雇入れ計画を実施中の企業 ・・・ 464社(令和3年度)

動画での解説はこちらから

まとめ

厚生労働省が、令和4年の障害者雇用状況について発表しました。民間企業で働く障害者は、6月1日時点で61万 3,958.0 人となり、19年連続で過去最多を更新しました。前年比2.7 %(1万6,172.0 人)増となっており、対象企業の従業員に占める割合である雇用率も2.25%と過去最高を更新しています。

一方で、民間企業全体の実雇用率を達成しているのは、1,000人以上の大規模企業でした。大きな企業ほど障害者雇用率が達成されていることがわかります。中小企業の障害者雇用は大企業に比べるとあまり進んでいない状況が、昨年に続き見られています。企業の実情に合わせた障害者雇用や業務の創出が求められています。

国は大企業以外の企業が障害者雇用に取り組むように、制度や助成金、ノウハウの提供、サポート体制の充実を図っていますが、該当する企業にとってはあまりメリットを感じられていないようであまり進展は見られていません。障害者を雇用することを目的にするのではなく、どのように業務と障害特性をマッチさせるかや、仕事の組み立て方などを考えていく必要があります。

また、今年度は身体障害者の人数の減少が見られました。身体障害者の雇用は、障害者雇用の中でも早くから始まったことに加え、医療や労働環境の発展により、労働災害などによる身体障害になる割合が減少していることが影響していると考えられます。今後は、ますます精神障害の雇用する割合が増えてくることが予想され、精神障害者が活躍できる仕事を作っていくことが求められています。

参考

企業が障害者雇用を行う理由~担当者がおそれる企業名公表とは~

障害者雇用の企業名公表はどのようにリスクになるのか

【初めての人でもわかる】障害者雇用促進法の概要をわかりやすく解説

障害者雇用の除外率制度とは~除外率設定の業種での障害者雇用~

特例子会社とはどんな会社?概要をわかりやすく解説

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