発達障害者のいる職場のヒント~仕事を円滑に進めるためのポイントとは?~

職場では、プライベート以上に対人スキルが求められます。コミュニケーションに苦手さがある発達障害の人は、このコミュニケーションで苦労することが多くあります。お互いの理解がされていないと、誤解を生じることが多く、ここでは、発達障害の人がうまく仕事をこなすために使える職場のノウハウや仕事を円滑に進めるためのコツを紹介していきます。

会社の理解を求める

発達障害の人は、職場で得意な役割を与えられればよいのですが、営業や接客といった苦手さが目立つ職種ではうまくこなせなかったり、職場に迷惑をかけてしまう可能性が出てきます。

職場のメンタルヘルス問題の理解のある会社であれば、事前に上司などと十分に話し合って、自分の得意不得意に合わせて仕事を割り振ってもらえることがあるかもしれません。しかし、残念ながら、会社に発達障害であることを知らせるのは、現在のところメリットとデメリットが相反していることがあります。

人と違う言動が、発達障害によるものであることを理解してもらえる一方定型発達の人との違いを弱点と捉えられないといった難しい部分もあるからです。

コミュニケーションの工夫

対人スキルが未熟で、器用に他の人とコミュニケーションが取れないのも、発達障害の特性の1つです。ところが、チームなど複数の人間と進めていく仕事では、密接なコミュニケーションが必要とされます。

また、一方では頼まれると断り切れない人の良さという別の特性から、自分の能力を超えた仕事を引き受けてしまうという失敗も考えられます。そこで役に立つのが、相手に納得してもらう断り方と依頼の仕方を覚える方法です。ポイントとなるのは理由の説明とすり合わせです。

発達障害の人は、ついつい目的だけをダイレクトに伝えてしまう傾向があります。しかし、手順を踏んで、なぜ、どのような理由で、ではどうするかといった流れで、自分と相手、両方のニーズをすり合わせ、協調できる点を探りながら話をすれば、無意味なコミュニケーションギャップを減らすことができます。

依頼の仕方と断り方を覚えることでコミュニケーションが劇的に変化

会社員の加藤さんは、特別な理由も説明せずに当日になって「PM5時までに報告書をください」というような一方的な依頼をして、同僚を戸惑わせていました。一方で、加藤さん自身が処理しなければならない仕事は山のようにありながらも、何か頼まれると仕事を断ることができず、さらにどんどんと抱え込んでしまっていました。

実はどちらも、その時の希望や状態をそのまま口にしているだけという発達障害に特徴的なコミュニケーションの問題が原因でした。会話例などを示してもらうなどして、簡単な話し方の基本を身につけることによって、無用なトラブルを減らすことができます。

発達障害のコミュニケーションの傾向は、会話では本音をそのまま口にしてしまい、相手を戸惑わせたり不快にさせたりしがちです。

そのため対策方法として、依頼の仕方と断り方を覚えることができるでしょう。依頼の場合には、「私では分からないので、代わりにやってくれますか?」と、どうしてお願いをしたいのか理由をきちんと述べ、丁寧に依頼します。

断る場合には、「今やっている仕事が忙しいので、できません」など、理由をきちんと述べるとともに、丁寧に断ることができるでしょう。

 

 

理解のある職場にするために、必要なサポートについて話し合うことができる。
説明するときに、誤解を与えないようにわかりやすく、簡潔に行う。

スケジュール管理の工夫

発達障害には、物事を計画に実行することが苦手だったり、時間間隔がルーズだったりする特性があります。しかし、これらは少しの工夫で改善することができます。

例えば、優先順位つきの予定一覧表を作るという方法があります。仕事内容を月、週、日ごとに書き出し、重要性に応じて順番をつけます。ポイントとなるのは、書いたこと、印をつけたことが一目でわかるようにすることです。

また、やることをメモして目の前に張り出し、終了したものから剥がしていくというのも良い方法です。このような方法は、視覚的構造化と呼ばれ、発達障害の弱点を補うだけでなく、計画性も身につくので、仕事や生活の中で役立ちます。

一方、約束や毎日決まった時間にやることがある場合には、携帯電話のアラームやスケジュール機能を使い、音で確認できるようにすると良いでしょう。これは自然な時間感覚を身につけることにもつながります。

 

 

・よく身につく場所にメモやカレンダーを貼っておけば、確認を忘れることがない
・予定の内容だけでなく、優先順位も入れ、全ての情報を見ればわかるようにしておく
・カレンダーを使うなら、大きめのものに全ての予定を書き込む

 

気になることやこだわりへの工夫

興味のあることや得意な分野に没頭してしまう過集中は、発達障害の優れた一面の集中力の強さが極端に発揮されてしまい、裏目に出るケースです。また、その傾向がワーカホリックやアルコール、ギャンブルなどの依存症につながるリスクもあります。

過集中の対応策の1つは、気分を切り替える方法を見つけ、自分のテンションをコントロールできるようにすることです。集中の対極にあるリラックスした気分へつながるパターンを見つけます。

まず、自分が落ち着いている、リラックスしていると感じる時間やシチュエーションを見つけます。音楽やアロマ、お菓子など、そのきっかけとなるものを準備し、必要に応じて落ち着いた、リラックスしている状態に入れるよう訓練をします。タイマーなどを利用して、時間を区切って集中とリラックスの時間をわけてみるようにしてもよいでしょう。

こだわりやスケジュール管理への対応策のヒント

興味あることに熱中しすぎる

対象者:ワーカホリックや過集中する人
目的:リラックスできる状況をつくる
対応方法:
・決まった時間に好きな音楽が鳴るようにしておく
・休憩時間にはリラックスできる甘いお菓子などを食べて気分転換する

日付や時間の感覚があいまい

対象者:忘れっぽい、遅刻が多い、期限が守れない
目的:道具を使って、本人がスケジュール管理を行う
対応方法:
・カレンダーやメモに、やるべきことがすぐわかるように書き出す
・タイマーやアラームを活用し、時間の感覚を補う
※ いくつもの道具を使いすぎると、混乱してしまうので注意も必要

まとめ

発達障害の人はコミュニケーションに苦手さがあり、職場で理解されにくいことがあります。一方、職場では、プライベート以上に対人スキルが求められます。お互いの理解がされていないと、誤解を生じることが多く、ここでは、発達障害の人がうまく仕事をこなすために使える職場のノウハウや仕事を円滑に進めるためのコツを紹介してきました。

依頼の仕方と断り方を覚えることでコミュニケーションが劇的に変化するための方法や、こだわりやスケジュール管理への対応策のヒントは、身近にあるものを少し工夫して活用することによってぐっと発達障害本人も職場の人も過ごしやすくなります。

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