知的障害、発達障害にSNSやLINEの使い方をどのように教えればよいのか

知的障害、発達障害にSNSやLINEの使い方をどのように教えればよいのか

2019年06月18日 | 障害別の特性・配慮

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障害者雇用をおこなっていると、これは会社で教えるべきことなのか・・・と悩むことがあります。例えば、SNSやLINEの使い方です。プライベートのことなので本人に任せておくということも一つの考え方ですが、最近では障害者でなくてもSNSに社員やアルバイトが不用意な投稿をすることで問題が起きることも少なくありません。

また、社員同士がLINEのやり取りを夜遅くまでしているために、寝不足になったり、仕事に影響するケースも見られます。企業リスクにならないためにも最低限のSNSやLINEの使い方を教えることも必要かもしれません。

ここでは、なぜSNSやLINEについて会社で研修したほうがよいのか、その理由について、また、研修をする時に役立つ教材について見ていきます。

SNSやLINEの使い方を教えるべき理由

スマホの使用は、私たちの生活の中で当たり前のものになってきています。しかし、広く利用されている一方で、使い方については課題が多く見られています。

これまでに聞いたことのあるネットトラブル

静岡大学が昨秋、県内の特別支援学校の教員84人に対して行った調査では、知的障害のある子どもの間でも動画サイト「ユーチューブ」や、ラインなどが広く利用されていることがわかっています。そして、トラブルとしては、「時間のつかいすぎ」「悪口投稿」「悪ふざけ投稿」「金銭使いすぎ」「出会い」「個人情報流出」などがあげられています。

出所:SNSの「上手なつかいかた」を考えよう(NPO法人 まちなびや)

トラブル事例についての自由記述では「SNSで個人情報を入力する」や「電話やLINEで反応がないとしつこく送る」などの問題が挙げられています。

・学校から帰宅後、Youtube を長時間見て過ごす  
・夜中もゲームをして昼夜逆転
・課金で数万円請求された  
・ゲームのやりすぎによる睡眠不足や生活の不規則
・電話や LINE で反応がなかったので、しつこくメールを送る  
・LINE はずし
・LINE で友人の悪口を言う  
・SNS への個人情報の入力  
・SNS での言葉の取り違い
・公共交通機関で写真を撮ってしまう
・性の問題
・仲間内でのグループにあげた動画をタイムラインにのせてしまった
・スクリーンショットでメッセージ内容を他人に見せる

この調査では、スマホという情報機器がコミュニケーションツールとして機能している一方で、相手の状況を推察するのが難しいといった障害の特性に起因するトラブルが少なからず起こっていることが明らかになっています。また、「スクリーンショットでメッセージ内容を他人に見せる」「公共交通機関で写真を撮ってしまう」といった事例も見られました。これらの問題は、プライバシーや個人情報保護などに関する理解が浅いことに基づくトラブルとなっています。

知的障害や発達障害者を雇用する企業でも同様の問題に直面することは少なくありません。今後、情報収集の能力は私たちの生活の中でもっと活用されていくでしょうし、問題が起きるから持たせないということは、時代に逆行していることにつながるでしょう。そのためどのように使えばよいのか、どのような使い方はよくないのかを教える必要があります。

SNSやLINEの使い方を教えるのに役立つ教材には、どのようなものがあるのかを見ていきたいと思います。

SNSやLINEの使い方を教えるのに役立つ教材

SNS の「上手なつかいかた」を考えよう SNS でのSST

NPO法人「まちなびや」(静岡)が制作した情報モラル教材は、【SNS の「上手なつかいかた」を考えよう SNS でのソーシャルスキルトレーニング】と名づけられたもので、知的障害を抱える特別支援学校高等部の生徒を対象にしたものです。相手の状況を想像するのが苦手とされる学生たちに、インターネットの特徴を理解させ、トラブルを防ぐことを目的としています。

教材のテーマは、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)上での「写真公開」と「コミュニケーション」の二つで、どちらもワークシートやカードを使って学ぶ形式となっています。SNSで公開していい写真の範囲や、無料通信アプリ「LINE」(ライン)での場面に応じたスタンプの使い方などを学べることができます。

静岡大教育学部の塩田真吾准教授(教育工学)、香野毅教授(特別支援教育)の研究室が開発に協力しています。また、希望があれば静岡大の学生が出張授業をすることも可能とのことです。

問い合わせは、ホームページ【静岡大学教育学部 塩田真吾 研究室】から行えます。

【SNSの「上手なつかいかた」を考えよう】

出所:特別支援向け情報モラル教材_SNSの「上手なつかいかた」を考えよう(NPO法人 まちなびや)

ケータイ&スマホ、正しく利用できていますか?

文部科学省が作成したホームページとパンフレットが小中学生版と高校生版で作られています。スマートフォンを使うときに守っておきたい5つのポイントが分かりやすく、漫画とともに紹介されています。

高校生版では、5つのポイントとして次のことがあげられています。

第1条 マナーや時間を守って使おう!
第2条 送って平気?送信前に見直そう!
第3条 個人情報(写真を含む)を載せない、送らない!
第4条 出会いトラブルに気を付けよう!
第5条 将来のために賢く使おう!

各ポイントには、さらにいくつかの事例が紹介されており、どのような状況でどんなトラブルが潜んでいるのかがイメージできるようになっています。

【ケータイ&スマホ、正しく利用できていますか?(高校生版)(2017年版)】

 

出所:ケータイ&スマホ、正しく利用できていますか?(高校生版)(2017年版)(文部科学省

資料:PDFダウンロード(高校生版)

【ケータイ&スマホ、正しく利用できていますか?(小中学生版)(2017年版)】

出所:ケータイ&スマホ、正しく利用できていますか?(小中学生版)(2017年版)(文部科学省)

資料:PDFダウンロード(小中学生版)

動画の解説はこちらから

まとめ

スマートフォンは、今や生活に欠かせないツールとなっています。しかし、知的障害者や発達障害者を雇用する企業の中には、SNSやLINE等で社員のトラブルを抱えている企業の話しを耳にすることも珍しくありません。しかし、具体的に本人たちにイメージできるように教えたり、伝えたりすることで、このようなトラブルの多くは回避できると思います。

私が関わっていた企業の中にも、やはり友達とのLINEが原因で睡眠不足になり、仕事に影響する社員がいました。本人の話によると、友達から返事が来たら返さなければならないと思い、夜遅くでもしっかり返事を返していたそうです。そのために仕事中に眠くなってしまうという状況になってしまいました。

また、素直であるがゆえに、個人情報を簡単に教えてしまってトラブルになることもあります。このようなトラブルを防ぐためにも、会社で活躍できる環境を作るためにも、また企業リスクを防ぐためにも最低限のSNSやLINEの使い方を教えることは必要になっていると感じます。社員研修の一環として、このような内容を取り入れるのもよいでしょう。

今回、紹介した教材は生徒を対象としたものになっているので、会社で使うときには若干カスタマイズしたほうがよいと思いますが、基本的な考え方は同じです。職場で想定されるよう具体的な事例やケースなどをあげるとより理解しやすいものになると思われます。

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・トラブルがよくあり、その間に入り仲裁することが多くて疲れてしまった。
・仕事をする上で気になることが多いが、どのように注意したり、伝えたらよいのかわからない。
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参考

発達障害かもしれない・・・と思ったときの専門医の受診方法

発達障害のいる職場、どのような伝え方をすると働きやすいのか

発達障害を理解する~eラーニングで学べる発達障害しごとサポーター~

障害者手帳を持っていない発達障害者や難病の雇用で活用できる助成金

職場における発達障害者との接し方のポイントQ&A

精神障害と発達障害の基礎知識~障害の特徴と接し方のポイント~

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