障害者雇用の今後の流れはどうなるのか

障害者雇用の今後の流れはどうなるのか

2020年10月2日 | 企業の障害者雇用

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コロナ禍で多くの企業が影響を受けつつありますが、障害者雇用率0.1%の引き上げ時期について、令和3年3月から引き上げられることになりそうです。

今後の障害者雇用はどうなるのか、また、企業に求められる変化とそれに対応するための方法について考えていきたいと思います。

障害者雇用についての基本方針

障害者雇用については、【障害者雇用対策基本方針】の中で、次のように示されています。

障害者の雇用の促進及びその職業の安定を図るに当たっては、今後とも社会全体の理解と協力を得るよう啓発に努め、全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の理念を一層浸透させるとともに、この理念に沿って、障害者が可能な限り一般雇用に就くことができるようにすることが基本となる。

出典:障害者雇用対策基本方針(厚生労働省)

これに基づいて、以下の点に重点がおかれています。

・公的機関・民間企業に対して雇用率達成に向けた指導を行うとともに、更なる積極的な障害者雇用を図るための取組を推進すること。

・精神障害者をはじめとして、個別性の高い支援が必要な者に重点を置きつつ、障害の種類及び程度に応じたきめ細かな対策を総合的に講ずること。

・障害者の雇用の維持、解雇の防止及び再就職対策に取り組むこと。

・中小企業における雇用の促進、雇用の継続や職場定着を図ること。

具体的な対策についてみていきましょう。

障害者雇用の具体的な対策

障害者雇用率制度の達成指導の強化

法定雇用率の達成に向けて、公的機関については令和4 年度までにすべての機関における雇用率達成を図ることを目標として、未達成機関を公表すること等により指導を強力に実施することが示されています。

また、民間企業については、障害者の雇用義務のある企業のうち、障害者雇用義務があるにもかかわらず一人も障害者を雇用していない企業が約3割ほどありますが、この企業に対する達成指導を強力に実施する一方、企業の求人充足に向けた支援を推進することを明示しています。

もちろん雇用の状況が一定の基準を満たさない企業については、企業名の公表を実施することや、必要に応じて、特例子会社制度のほか、事業協同組合等に係る算定特例や企業グループに係る算定特例といった制度の積極的などの周知を図り、活用を促すようです。

達成指導を「強力に実施する」と強調しているところが、今まで障害者雇用率が順調に上がってきたことの自信になっており、それを後押ししているようにも感じられます。

精神障害者の雇用対策の推進

精神障害者の雇用は、企業で雇用される精神障害者の数が増加していること、平成 30 年 4 月から法定雇用率の算定基礎に精神障害者を加えることとしたなどを踏まえながら、企業に対する支援の強化、精神障害者に対する更なる就労支援の充実を図っていくようです。

これらに対応して進められているのが、次のようなことです。

・精神障害者の短時間労働雇用率のカウントに特例措置

・企業向け「精神・発達障害者しごとサポーター」研修実施

・精神障害のトライアル雇用の助成額及び支給期間の拡充

(各項目の詳細については、本記事の文末にリンク先を示しています。)

また、福祉、教育、医療等の関係機関との緊密な連携を図り、障害者就業・生活支援センターによる就業面と生活面の一体的な支援、職場適応援助者(ジョブコーチ)や精神障害者雇用トータルサポーターによるきめ細かな人的支援を含め、職業リハビリテーションの措置の的確な実施に努めることがあげられています。

コロナ禍の中でも、雇用率0.1%引き上げを行なうことに対する企業の支援策として、ハローワーク、地域障害者職業センター、障害者就業・生活支援センターからの支援をあげていることからも、どれくらい現場で対応できているのかはわかりませんが、体制としての枠組みとしては、支援体制が整いつつあるようです。

発達障害者、難病患者等に対する支援

特に、発達障害者、難病患者、高次脳機能障害、若年性認知症、各種依存症を有する人に対しては、地域障害者職業センター、発達障害者支援センター、難病相談・支援センター、高次脳機能障害支援拠点機関等、地域の関係機関との連携を図っていくことが示されています。

事業主に対する援助・指導の充実等

障害者雇用に関する好事例を積極的に周知して、発達障害、難病等による障害、高次脳機能障害、若年性認知症、各種依存症等障害など、多様な障害者が働いていることを踏まえながら、障害者の雇用管理に関する先進的な知識や情報の提供等により事業主の取組を促進していきます。

また、中小企業等に対しては、職場実習や、障害者雇用に関するノウハウを有する 企業、就労移行支援事業所、特別支援学校等を見学する機会等を活用しながら、障害者雇用がゼロの企業にも、障害者雇用に対する理解を深め、障害者雇用に取り組むきっかけ作りを行うそうです。障害者雇用ゼロ企業へのアウトリーチによる提言型「チーム支援」の実施なども計画されています。

雇用の維持、解雇の防止と再就職対策の強化

在職中の障害者の状況の把握・確認を行ない、離職になることを未然に防止したり、離職に至った場合には、再就職に向けた相談援助の実施等の雇用支援の強化を行っていきます。

多様な雇用・就労形態の促進

短時間労働、在宅就労等の普及によって、障害者が能力や特性に応じて働くための機会を広げるものとして、テレワークや在宅就業等においてITを活用する働き方が進められています。

今までのテレワークは、重度身体障害者が中心でしたが、最近では、精神や発達障害者のテレワークも進んでおり、コロナ禍の影響を受けて、今後、リモートワークで働く障害者は増えていくことが予想されます。

これから予想される変化と備えるべきこと

従来型の雇用体制が維持できなくなり、多様な働き方が増える

昨年、「日本型雇用として機能していた終身雇用が維持できない」旨の発言は、多くの人に衝撃がありました。

トヨタ自動車の豊田社長が日本自動車工業会の会長として発言
「雇用を続ける企業などへのインセンティブがもう少し出てこないと、なかなか終身雇用を守っていくのは難しい局面に入ってきた」

経団連の中西宏明会長
「終身雇用を前提に企業運営、事業活動を考えることには限界がきている」

今までの日本型雇用を続けることは、多くの企業でかなり難しくなっています。それに合わせて働き方が多様化してきています。副業やパラレルワーク、個人事業主などが広がっていますし、それは、タニタで個人事業主制度スタートことが大々的に取り上げられたり、大手企業でも副業を推奨されていることからもわかります。

障害者雇用では、今まで職場で誰かがマネジメントしながら、オフィスや現場で仕事を進めるという方法でおこなわれることが多くありました。しかし、コロナ禍になり、多くの仕事がリモートワークで進められてきています。この流れは、障害者雇用の中でも同じようにしていくことが求められるでしょう。

今までの仕事を、すべてリモート化できるわけではありませんが、それでも十分にオンライン対応でできる仕事は世の中にたくさんあります。これらの業務の体制づくりは必要になってきます。

また、リモートワークで働きたいという障害者もたくさんいます。やることが明確になり、過度に人と接しない環境は、人付き合いがあまり得意でない、一人で集中して働きたいという特性のある方には向いていることも多いようです。そして、今までは企業の多い大都市圏での就職がほとんどでしたが、リモートワークで働ける体制づくりができれば、地理的なことで働く可能性が狭められていた障害者にも働ける場所を提供することもできます。

DX(デジタル・トランスフォーメーション)が進む

DXは、Dは「Digital」、Xは「Trans」を英語圏では「X」と略すことが由来とされており、「情報技術と現実が徐々に融合して結びついていく変化が起こる」ものとされています。

日本のDXの取り組みは、2018年に経済産業省が、「デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するためのガイドライン」を取りまとめたことから、認知度が高まっています。

このガイドラインの中では、DXを「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と定義しています。

もともとDXにより、業務の構造改革をしていく必要は顕在化していましたが、それが、このコロナ禍によって、業務のオンライン化が加速しています。対面での仕事が激減し、ハンコの廃止、書類などの電子化なども見られ、今まであった仕事が減ったり、仕事の仕方を変える必要が出てきています。

バックオフィス的な業務は、今後、ますますDXやAI化により、少なくなっていくことが予想されます。そのため、障害者雇用の中でも、企業存続のために必要な業務やプロフィット部門からの業務を創り出していくことは大切です。このような業務を創り出し、それを障害者ができる仕組みづくりをしていくのであれば、障害者雇用率を達成しながら、業績に貢献してもらうことも可能になります。

まとめ

今後の障害者雇用はどうなるのか、また、企業に求められる変化とそれに対応するための方法について考えてきました。

【障害者雇用対策基本方針】を見ると、障害者雇用の進め方については、今後さらに推進していく方法をとることが十分に予想されますし、コロナ禍においても障害者雇用率0.1%が引き上げられることからみても、間違いないでしょう。

一方で、経済が伸び悩む中で、日本型雇用を継続することが難しくなっていること、DXなどで企業の事業内容や体制も大きく変化しています。さらに、コロナ禍により、この流れは進んでいくでしょう。今までの企業の経営方針が大きく変化する中で、障害者雇用も仕事内容や仕事スタイルを変えていくことが求められています。

今までの障害者雇用のやり方では難しいと感じているのであれば、新しい視点から障害者雇用を考えていく必要があります。今までのやり方を変えていきたいという方は、無料個別相談にお問い合わせください。

参考資料

障害者雇用率0.1%引き上げは、令和3年3月に後ろ倒しの可能性大

平成30年4月から精神障害者の短時間労働雇用率のカウントに特例措置

企業向け「精神・発達障害者しごとサポーター」研修で基礎知識・配慮を学ぶ

eラーニングで学べる精神・発達障害者しごとサポーターの内容とは

【助成金】採用時に活用したい障害者トライアル雇用の内容、手続き方法、メリットとは?

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