双極性障害の躁症状とうつ症状の特徴と周囲にもたらす影響について解説

双極性障害の躁症状とうつ症状の特徴と周囲にもたらす影響について解説

2018年04月23日 | 障害別の特性・配慮

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双極性障害は診断がつきにくいことも多く、専門家でも初診ではうつ病なのか双極性障害なのか、ほかの精神的な症状なのか、わからないことがあるそうです。

しかし、双極性障害かもしれないとわかったら、早く手をうつことが必要です。その理由は、この双極性障害は、家族、信用、財産を失うこともあり、影響を及ぼすものが少なくないからです。

双極性障害はどのような症状や特徴があるのか、また、周囲に及ぼす影響について見ていきます。

双極性障害とは

双極性障害は、これまで「躁うつ病」と呼ばれてきた気分障害の1つです。双極性障害の双極というのは、2つの極端な状態にふれるという意味です。気分爽快、元気いっぱい、意欲満々の【躁状態】と、憂うつ、意欲がない、おっくうで仕方がない【うつ状態】という正反対の状態を繰り返します。

日本では、これまで躁うつ病と呼ばれていましたが、世界的に用語を統一しようという流れの中で、名称が変更されました。うつ病も双極性障害も、気分障害に含まれています。双極性障害はうつ病と比べて患者数が少ないと考えられてきましたが、意外に多いことがわかっています。

本当は双極性障害なのに、うつ病として治療されているというケースもあります。なかなか治らないうつ病は、双極性障害だったかもしれないと見直すことで、改善する可能性が出てくることもあります。

躁症状

躁症状とは、気分が高揚し、万能感に満ちあふれる状態です。この躁状態を単に陽気でエネルギッシュで快活な状態と捉えただけでは、表面的に捉えすぎです。

感情面

次のような症状が見られます。
・高揚し、自分を最高の人間と思い、他人を見下す。
・自分は何でもできるし、敬意を払われるべきだといった万能感にとらわれる。
・上機嫌で陽気、おしゃべりになる。
・全身にエネルギーが満ちあふれている感じで、将来は明るい人生が待ち受けているように思う。
・注意力が散漫になる。

思考面

・頭の中に思いつきはたくさんあるが、まとめてとらえることができない。
・思いつきばかりで、集中できない。
・アイディアがこんこんと湧き、気分爽快になる。
・物事を楽天的にとらえ、できそうもないことをすぐに決断する。
・話を続けなくてはというプレッシャーを感じる。
・記憶の外に遠ざかっていた過去の思い出がよみがえってくる。
・誇大妄想を生み出すこともある。

身体面

・眠る時間がもったいないとばかり、一晩中動き回る。
・あらゆる欲求が高まる。
・エネルギーに満ちあふれているため、夜もろくに眠れず、睡眠不足になる。
・眠ったとしても早く目が覚めたり、冴えてしまい、眠りに戻ることができない。
・睡眠時間が減っているにもかかわらず、その日1日中うまくやり過ごすことが出来るように感じる。

行動面

・ブレーキが効かず、突っ走る。
・他人へ指示し、干渉やこうしたほうがよいなど、高圧的な態度にでる。
・新しい企画をむやみに作り、動き回る。
・お金を湯水のごとく使い、借金をすることもある。
・周囲の人間と衝突する。職場では、上司や同僚を怒らせ、結果として自分の評判を落とす。
・スピード運転や、普段しないような路上での危険な行為に及ぶ。
・しゃべりだしたら止まらない。

躁状態は、単に元気や陽気だという程度ではありません。その様子は、常軌を逸しており、周囲を不安にさせるほどです。しかし、本人には自覚がなく、治療受けたいと感じることはほとんどありません。そのため自分から病院に行くことも少なくなってしまいます。

うつ症状

エネルギーが枯渇し、気分が落ち込む症状は、双極性のうつ状態の症状の1つです。この双極性のうつ症状は、普通日常的に感じる憂うつな気分よりももっと重いものです。落ち込むだけでなく、心のエネルギーがなくなったように感情そのものが停滞しています。

感情面

・何を聞いても、みても、楽しいという気分にならない。
・憂うつで苦しいほどになる。
・悲壮感、絶望感が強く、悲観的な見方になってしまう。
・イライラする。
・周囲が楽しそうにしているとうるさく感じたり、自分の暗い気持ちが浮き彫りになって辛くなる。
・辛さすら感じない、何の感情もわからないという人もいる。
・人間として自分が他人よりも価値がないように感じる。
・自分自身を責める。

思考面

・頭の中の考えたことがぐるぐる回るグルグル思考から抜け出せなくなる。
・悲観的にしか考えられない。
・物事を後ろ向きに捉え、悪い事態のみが、目に入ってくる。
・何の希望もなく、未来に何の展望もなく感じられ、自信がない。
・思考力や集中力が撃退し、決断できない。何を着たらよいか、何を食べたらよいかという小さな決断までおっくうに感じる。
・ちょっとした刺激が気に触って怒りが湧きやすくなる。
・自己否定の妄想に取りつかれる。

身体面

・だるくて朝起きられない。
・ひどい疲労と体調不良を感じる。
・早朝や深夜に目が覚めてしまい、以後眠れなくなる。
・眠れることができてもすぐに目が覚めてしまう。
・あらゆる欲望が低下し、食欲も落ちる。
・疲れやすい、頭痛がする、手足がしびれる、寒気がするなど、何となく体の具合が悪くなる。めまい、肩こり、吐き気、口が渇くなどの症状がある。

行動面

・何も手につかなくなり、毎日の慣れた仕事や家事、あるいは食事や入浴などの基本的な生活への意欲がなくなり、日常生活にも障害が出てくる。
・何かやらなければと焦るが、実際にはできない。
・そわそわして、意味もなく歩き回ったりすることがある。
・人づき合いが悪くなる。誰にも会いたくなくなる。
・症状が重くなると、自殺願望が強くなる。

病的なうつ症状の本質は、エネルギーの欠如です。あらゆることに対して意欲がわかなくなり、自分の好きな趣味ですらおっくうに感じてしまいます。また、無理にやってみてもかえってエネルギーがなくなってしまい、悪化することがあります。

双極性障害がもたらす影響

双極性障害は、本人の社会生活に大きな影響を与える心の病です。特に、躁状態を繰り返すうちに、仕事や家庭を失うなど、人生そのものが大きく損われてしまうことがあります。時には、社会的、人間関係的な大きな損失を出してしまうことも少なくありません。

うつのときは、行動すること自体が少ないのですが、躁状態の時は、常軌を逸した行動をとるほど活動的なことが多く見られます。病気だと気づかれなかったり、または本人に自覚がないと、健康や金銭だけでなく本人の信用をなくすような状況を起こすことがあります。その結果、特に躁のときには、本人への損失が大きい影響を与えてしまうという特徴があります。

周囲が早期に気づき、治療のために受診させることが大切です。また、再発しやすいという特徴もあるので、薬によって病気をコントロールしたり、予防していくことも欠かせません。

病気に気づきにくい面があることを注意する

躁とうつを繰り返すため、躁の状態が気づかない(気づかれない)と、うつが治ったように感じることがあります。自然に治る、軽い病気だという誤解があると、ほっておいてしまい、多くの支障が出る結果となります。

また、再発を繰り返すうちに、いろいろな社会的、人間関係的な影響に発展してしまうことが少なくありません。多くのトラブルが起こるのが躁のときです。気分が高揚し、万能感にあふれた誇大妄想にとりつかれて、常識はずれの行動をとってしまうからです。

友人が離れていく

相手の都合などを気にせずに、夜中に電話をかけるなどの行為を繰り返すことによって、友人が離れていくことがあります。

体に影響を及ぼす

寝ないで動くこともあり、身体への影響を及ぼすことがあります。

自己破産する

気持ちが大きくなり、カードなどを使ってバンバン高価なものや必要のないものを買うことがあります。ひどくなると自己破産に陥ることもあります。

解雇され、職を失う

無計画な仕事をしたり、大きなことを言ったりします。また、相手をバカにしたような態度をとったりするために、最終的に会社を解雇され、職を失うことがあります。

職場での影響も出てくることがあります。うつ状態であれば、長期欠勤などの事態になると同僚はその人の分の仕事をカバーしなくてはなりませんが、ある程度の対策はたてやすいでしょう。一方、躁状態はうつ状態よりも大きなトラブルや問題に発展することがあります。

例えば、取引先にできもしない約束をしていたり、本人の気が大きくなり会社のお金を使い込んだり、同僚や職場を突然訴えたりすることがあります。職場として、法的な手続きが必要になるなど、深刻な事態を招くこともあります。

犯罪に関わる

ハメをはずしたり、攻撃的になって、犯罪に関わることがあります。飲酒運転やスピード違反などを起こすこともあります。

別居、離婚にいたる

今までみてきたような行動をとるため、一緒にいる家族はそのことに振り回されて疲弊してしまうことがあります。そのため別居や離婚にいたってしまうことも少なくありません。

躁状態は病気だとはっきり分からないことも多く、当事者の言動に周囲は振り回されがちです。お金遣いが荒くなり多額の借金を背負いこんでしまうこともあります。また、家族が傷つくような行動をしたり、言ったりするので、トラブル続きで、家族も経済的、社会的損失を被ることがあります。

動画の解説はこちらから

まとめ

双極性障害の特徴と周囲に及ぼす影響について見てきました。双極性障害には2つの症状、躁状態とうつ状態があります。

気分爽快、元気いっぱい、意欲満々の【躁状態】と、憂うつ、意欲がない、おっくうで仕方がない【うつ状態】という正反対の状態を繰り返します。多くのトラブルが起こりやすいのが躁のときです。気分が高揚し、万能感にあふれた誇大妄想にとりつかれて、常識はずれの行動をとってしまいやすからです。

本人が気づいて医療機関に行けると一番良いが、気づきにくいことがほとんどです。特に躁状態で引き起こす行動やトラブルによって、家族、信用、財産を失うこともあり、大きな影響を及ぼすことがあります。そのため周囲が早期に気づき、治療のために受診させることが大切になります。また、再発しやすいので、薬によって病気をコントロールしたり、予防していくことも欠かせません。

参考

双極性障害の人との接し方「言ってほしいこと」「して欲しいこと」とは

うつ病とうつ状態の違いはどのような点?種類や原因を解説

なぜ、精神障害者の雇用が他の障害者よりも増えているのか

精神障害者保健福祉手帳の取得方法や判断基準とは?

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