双極性障害の人との接し方「言ってほしいこと」「して欲しいこと」とは

双極性障害の人との接し方「言ってほしいこと」「して欲しいこと」とは

2018年05月21日 | 障害別の特性・配慮

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双極性障害の人と接するときに、どのように接したらよいか悩む人は多いようです。双極性障害の人は、身近な人との関係がうまくいかずギクシャクしがちです。周囲の人は、病気についての理解不足からついつい口をだしてしまいたくなりますが、相手との関係を壊さないように、「してほしいこと」「してほしくないこと」を知っておくと、接するときに役立ちます。

「言ってほしくないこと」「してほしくないこと」

双極性障害は、躁とうつの状態があり、それぞれの状態によって対応が異なります。

躁のとき

・躁をさらに刺激するようなことをやめてほしい
・言うことをすべてを信じないでほしい
・「困った人ね」「本当にできるならすごいけどね」「なにバカなこと言っているの」など、とバカにしない
・腫れ物に触るようにおそるおそる接しない
・躁の状態を利用する

うつのとき

・以前していたことを責められる
・「〇〇しなさい」「〇〇すればいいのに」と命令される
・「元気になる」「やる気を出せ」「しっかりしろ」と言われても、それができないからつらいことを理解してほしい
・同情してほしくない

共通すること

・「がんばれ」と言わないでほしい
・家族同士で責めあわないでほしい
・からかわないでほしい
・無視しないでほしい
・病気による症状だと理解する

周囲の人がしてしまいがちなのは、当事者本人を腫れ物のように扱うことです。トラブルがあっても感情的にならず、病気の症状だと理解できれば、対応も変わってきます。また、本人も安心して治療が続けられるのは、周囲の理解と協力があるからだということを理解することが大切です。

「言ってほしいこと」「してほしいこと」

躁のとき

・躁になっていることを注意してほしい
・普段と同じように接してほしい
・声を荒らげずに接してほしい
・破滅的なことをしようとしたらやめてほしい
・入院など治療を受けさせてほしい
・気持ちを落ちつかせてほしい

うつのとき

・「自分自身を責めないで」「以前にもよくなったじゃない」などと、励ましてほしい
・話を聞いてほしい
・話かけてほしい
・病気を恥ずかしいと思わないでほしい
・世話をやいてほしい
・ただ一緒にいてくれればいい

共通すること

・安全を確保してほしい
・理解してほしい
・忍耐強く接してほしい
・受け入れて欲しい

再発、予兆を見逃さないためにできること

双極性障害はとても再発率が高い病気です。そのため再発を予防するとともに、再発の予兆できるだけ早くとらえ、適切な治療することが求められます。当事者が助けを求めやすい状況や雰囲気を作っておくことが大切です。

うつ状態や躁状態になる前の前兆として、いつもよりイライラや緊張を感じる場合があります。また、飲酒量が増えたり、イライラ、不眠、極度に神経質など、躁うつ共通の症状が見られることもあります。予兆を感じたら、本人に助けが必要か声をかけるなどしましょう。
症状や状況が1日で変わってしまうこともあります。昨日まで普通に生活していた人が、急にうつ状態になったり、うつ状態の人が一夜明けたら、パワー全開の躁状態になっていることもあります。異変に気づいたら速やかに対応することが大切です。

異変を感じたら、本人には、すぐに受診して服薬や適切な対応を受けるように勧めます。再発の可能性もありますので、休養できるように、職場や家庭での工夫も必要です。

再発の予兆は、本人にしかわからないものと、周囲が気づくものがあります。もし、どちらかが予兆に気づいたら、できるだけ早く受診することが大切です。特に躁状態は、そのまま放っておくと、症状が激しくなり周囲の説得に耳をかさなくなることがあります。

また、薬も飲まず、さらに症状を悪化させてしまう人もいます。あらかじめ病気の予兆を知っておき、こんな症状が出たらすぐに受診すると医師と約束しておくのも1つの方法です。

躁のときに見られる予兆

本人の状態

・アイディアがどんどん湧く
・なんでもできそうな気がする
・他人より優れていると思う
・幸福感と爽快感に満ち溢れる
・眠る時間がもったいない

周囲の予兆

・お金を使いまくる
・じっとしていない
・おしゃべり
・非現実的なことを言う
・何もなくても大笑いする

うつのときに見られる予兆

本人の状態

・面白いことがなくなる
・疲れがなかなか取れない
・動くのがおっくうになる
・考えがまとまらない
・不安や恐怖感がふくらんでくる

周囲の予兆

・仕事の能率が落ちる
・話をしなくなる
・食欲が落ちる
・体調不良を訴える
・身だしなみがだらしなくなる

家族や周囲の人ができること

双極性障害の治療は、周囲の協力があってこそできるものです。本人が双極性に障害に苦しんでいるのであれば、周囲で見守る人間としてすべきことは、病気の症状に振り回されることではなく、治療の協力者になることです。

薬のことで本人を不安にさせない

「その薬いつまで飲むの」「副作用は強くないの」など、家族や周囲の人が不用意に話した言葉が本人をひどく悩ませたり、不安にさせることがあります。

本人は医師から薬について説明を受け納得しているつもりでも、ちょっとしたことで動揺し、場合によっては勝手に服薬を中止してしまいかねません。このような状況を避けるためにも、一度家族も本人と一緒に医師から薬や病気について説明を受け、理解しておくとよいでしょう。

また、本人に薬の管理を任せておくと、きちんと飲んでいるか把握できなかったり、自殺目的でまとめて大量に飲んでしまう恐れもあります。薬の管理は家族にわかるようにしておくとよいでしょう。

家族や周囲の支えが治療を続ける力になることを意識し続ける

家族や周囲の支えが治療を続ける力になることも多くあります。うつや躁の症状があると、時には家族や周囲の人は大変な迷惑を被ることがあります。家族に暴言をはいたり、社会的信用を失墜させるような言動してしまうことも少なくありません。それに巻き込まれる家族は、ついつい症状がおさまったらそれまでの本人の行動を批判し、反省を促したい気持ちが出てくることがあります。

しかし、そのような対応は逆効果です。躁のときに起こした問題を1番反省しているのは本人です。その上、周囲から責められると、一気にうつに転じ、場合によっては自殺に走る危険性もあります。双極性障害の人が、自殺を踏みとどまっているのは、家族に迷惑をかけたくないという思いです。家族が治療を続ける支えになってきていることを、ぜひ覚えておいてください。

また、うつの時は決断力が鈍り、躁のときには自覚がありません。受診は周囲がリードして、本人を説得することも必要です。

双極性障害の多くは、躁もうつもどちらの状態でも、病院の受診を拒否することがあります。躁のときは、自覚がなく本人は絶好調と思っていますので、人生取り返しのつかないことにならないようにと説得することも大切です。うつのときは、自分が情けない、責任は自分にあると思っていますので、つらい症状を楽にするためにと症状から、受診を説得しましょう。

職場の人が気づいたときにできること

うつや躁の状態になると、仕事上でミスが目立つようになります。特に躁状態では、慎重さを欠くことから損失を出すことも珍しくありません。家庭では疲れているだけに見えても、職場ではより症状が目立ちやすい場合もあります。

もし、同僚にうつや躁の症状が見られたら、まず上司に相談し、本人に産業医や専門医の受診をすすめてもらいましょう。たいていは「自分は病気ではない。疲れているだけ。」などと否定しますが、」「疲れがとれるかもしれないから」と強く勧めます。

家族に連絡して、一緒に受診してもらうのも良いでしょう。医師の診断の後、休職か働きながら治療するかを決定します。本人が「会社に迷惑がかかるから、急に仕事を休めない」と言う場合には、上司が安心して休職するよう説得するとよいでしょう。ただし、本人に働く気力を失わせるような言い方は避けるようにします。



動画の解説はこちらから

まとめ

双極性障害の人と接するときに知っておきたい「言ってほしいこと」「して欲しいこと」について説明してきました。

双極性障害はとても再発率が高い病気です。そのため再発を予防するとともに、再発の予兆できるだけ早くとらえ、適切な治療することが求められます。しかし、双極性障害の多くは、躁もうつもどちらの状態でも、病院の受診を拒否することがあります。

再発の予兆は、本人にしかわからないものと、周囲が気づくものがあります。もし、どちらかが予兆に気づいたら、できるだけ早く受診することが大切です。当事者が助けを求めやすい状況や雰囲気を作っておくことも大切です。

参考

【双極性障害】躁症状とうつ症状の特徴と周囲への影響

精神障害者保健福祉手帳の取得方法や判断基準とは?

精神障害者の「主治医の意見書」は就労可能性を保証するものか

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