企業が精神障害者雇用を行うときに活用できる就労支援機関

障害者雇用を行おうとするときに、就労をサポートする機関がたくさんあって、どこの機関がどんな役割を果たしているのかがわかりにくいことがあります。

今回は、企業が精神障害者雇用を行なうときに活用できる就労支援に関わる機関をまとめてみました。

雇用促進法に規定されている職業リハビリテーション機関

ハローワーク

ハローワークは国の機関で、障害者からの求職の受付、企業からの求人の受付、求職者と求人者とのマッチングなど、就職支援の重要な事項を担っています。障害者当事者と企業の両方をサポートしています。

障害者の休職に関する相談窓口では、精神保健福祉士や看護師などの資格を持ち、精神障害に対する相談や精神障害者雇用に関する企業への助言などを行う精神障害者雇用トータルサポーター等の嘱託職員が配置されている場合もあります。障害者や企業の相談を担当する職員は、一般行政職のため医療職な専門職ではないため医療的なアドバイスを受けることはできません。

ハローワークの詳細についてはこちらから
 ↓   ↓   ↓
ハローワークにおける障害者雇用における役割とは?

ハローワークが窓口となっている、主な助成金制度について見てきましょう。助成金に関しては、支給要件が定められており、制度内容も随時変更されることがあるので、活用を検討するときには、事前に問い合わせるようにしてください。

特定求職者雇用開発助成金

障害者等をハローワーク等の紹介を通して、雇用保険の被保険者として雇い入れる企業に対して助成が行われます。精神障害者の場合、中小企業に3年間で計240万円、それ以外の企業に1年半で計100万円が支給されます。週20時間以上30時間未満の短時間雇用の場合には、中小企業2年間で計80万円、それ以外の企業に1年間で計30万円が支給されます。

障害者トライアル雇用

就職が困難な障害者を一定期間雇用することで、適性や業務遂行可能性を見極め、障害者の雇用機会の創出を目的にした制度です。一定期間(原則3カ月の試行的に週20時間以上の労働で雇用した場合、月4万円の奨励金が支給されます。

精神障害者保健福祉手帳所持者を雇用した経験がない企業が、精神障害者をトライアル雇用で受け入れる場合、月額最大8万円の奨励金が支給されます。精神障害者は、トライアル雇用の期間を3ヶ月以上12ヶ月以内で設定できますが、奨励金の支給対象期間は3ヶ月です。

トライアル雇用期間中は、企業から本人に賃金を支払います。週20時間以上労働が困難な精神障害者の場合、週10時間以上から開始し、20時間以上の労働を目指す障害者短時間トライアル雇用(最長12ヶ月)もあります。

障害者初回雇用奨励金(ファースト・ステップ奨励金)

障害者雇用の経験のない中小企業が障害者をはじめて雇用し、当該雇入れによって障害者雇用率を達成する場合120万円が助成されます。

障害者職場定着支援奨励金

障害者を雇い入れ、精神保健福祉士などの資格を有する人材を、業務遂行に必要な指導・援助を行う職場支援員として配置した企業に助成金が支給されます。

発達障害者・難治性疾患患者雇用開発助成金

発達障害や難治性疾患患者を雇用した場合、中小企業に2年間で120万円、それ以外の企業に1年間で50万円の助成が支給されます。

障害者職場復帰支援助成金

雇用する労働者が事故や難病等の発症などによる中途障害等により、長期の休職を余儀なくされ、かつ、職場復帰にあたり雇用の継続のために職場適応の措置が必要な場合に、必要な措置を講じて雇用の継続を図った事業主に対して50万円(中小企業の場合は70万円)が支給されます。

障害者雇用の助成金についての詳細はこちらから
 ↓   ↓   ↓
障害者雇用するときに助成金はいくらもらえる?

地域障害者職業センター

独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が運営している施設で、各都道府県に設置されています。厚生労働大臣指定の講師を修了した障害者職業カウンセラーが配置され、ハローワークと密接な連携をとり、障害者に対する職業評価・職業指導、事業主に対する障害者の雇用管理等に関する助言・援助、関係機関に対する職業リハビリテーションに関する技術的な助言・援助などを実施しているほか、次のサービスも実施しています。

職業準備支援

障害者に対して、就職または職場適応に必要な職業上の課題の把握とその改善を図るための支援、職業に関する知識の習得のための支援、社会生活技能等の向上図るための支援を実施しています。本人の状況に応じ、模擬的就労場面での作業支援や各種講習などを組み合わせた個別カリキュラムを作成し、支援を行います。

リワーク支援

休職中の精神障害者の職場復帰のため、主治医の協力を得て、休職者と事業主の双方に支援を行います。休職者に対しては、リワーク支援計画に基づき、センター内での作業や講習を通じ、生活リズムの立て直し、集中力、持続力の向上、体調の自己管理、ストレス対処等の適用力向上の支援を行います。

職場適用援助者(ジョブコーチ)による支援事業

障害者が職場に適応できるよう、ジョブコーチが企業に出向いて支援するとともに、企業に対しても指導の方法の助言や職場環境の改善に関する提案などを行います。支援期間は、1ヵ月以上8ヶ月以内で個別に設定します。

障害者職業センターの詳細についてはこちらから
 ↓   ↓   ↓
障害者職業センターと障害者就業・生活支援センターの違いとは?

障害者就業・生活支援センター(ナカポツ)

障害者の身近な地域において就業面と生活面の一体的な支援を行う施設として、2002年の雇用促進法の改正により創設されました。地域の就労支援ネットワークを形成し、求職活動や職場定着の支援、日常生活管理に関する助言などを、センター内相談および職場や家庭等への訪問指導により行っています。

2016年12月現在、全国に330センターが設置されています。就業支援ワーカーと生活支援ワーカーが配置されています。都道府県知事が指定した社会福祉法人やNPO法人等が運営しており、運営法人の独自負担や自治体からの補助で、職員の増員や訪問型ジョブコーチの配置をしているところもあります。

障害者就業・生活支援センターについてはこちらから
 ↓   ↓   ↓
障害者職業センターと障害者就業・生活支援センターの違いとは?

障害者総合支援法に規定されている就労支援機関

障害者総合支援法の障害福祉サービスのうち、訓練等給付の中に定められている就労移行支援と就労継続支援(A型・B型)が、就労系サービスといわれています。

障害福祉サービスを利用するには、市長市区町村への利用申請が必要で、世帯(本人および配偶者)の市町村民税の課税状況によって、障害福祉サービスに対する利用料が発生する場合があります。

就労移行支援事業所

一般就労等への移行に向け、事業所内や企業における作業や実習、求職活動支援、職場開拓、就職後の定着支援を原則2年以内で実施します。就労を希望する65歳未満の障害者が対象となります。

一般就労等への移行に関しては、ハローワーク、地域障害者職業センター、障害者就業・生活支援センターとの連携、ジョブコーチ支援の活用等、障害者雇用政策との連動が重要とされています。

就労移行支援事業所の詳細についてはこちらから
 ↓   ↓   ↓
障害者採用に活用できる就労移行支援事業所とは?

就労継続支援事業所・A型

就労機会や生産活動の提供、就労に必要な知識や能力の向上のために必要な訓練などの支援を行うもので、支援期間の期限はありません。利用に際し、原則として雇用契約を結び、労働基準法や最低賃金法などが適用されます。

次のような方が利用することが多いです。
・就労移行支援事業を利用したが、一般企業に就職できなかった。
・特別支援学校等を卒業して就職活動行ったが、一般企業には就職できなかった。
・一般企業に就職した経験はあるが、現在は仕事についていない。

一般の企業に雇用されることが困難であり、雇用契約に基づく就労が可能なものが利用の対象となります。A型事業所は、高い賃金支給をめざす、一般就労への移行を目指す、より重度障害のある人の受け入れに取り組むなど、事業所ごとにさまざまな特徴があります。

就労継続支援事業所・B型

就労機会や生産活動の提供、就労に必要な知識や能力の向上のために必要な訓練等の支援を行うもので、支援期間の期限がないこと等はA型事業所と同じですが、雇用契約を結ばず、労働法規の適用もありません。

次のような方が利用することが多いです。
・就労経験があり、年齢や体力面で一般企業に雇用されることが難しくなった。
・50歳以上。
・障害基礎年金1級を受給している。
・特別支援学校等を卒業し、就労移行支援事業所などでのアセスメントで就労面にかかる課題等の整理が行われている。(学校卒業後、直ちにB型事業所を選択するのではなく、なるべく就労移行支援事業などで一般就労にチャレンジすることを推奨する背景があります。)

職業訓練を行なう機関

職業訓練は主として技能習得に焦点が当てられますが、精神障害者の場合、安定して訓練受講ができるような配慮、疾病管理、生活管理、社会生活能力面の指導、就職前後の支援体制の整備等の取り組みが必要になることも多く、職業訓練ノウハウの蓄積と普及が重要になっています。利用の窓口は、ハローワークになります。

障害者職業能力開発校等

障害に配慮した設備や訓練カリキュラムにより職業訓練を実施し、国立13校、都道府県立6校の計19校が設置されています。また、一般の職業能力開発校でも障害者を受け入れています。

障害者の対応に応じた多様な委託訓練等

都道府県から原則3カ月の訓練を企業や社会福祉法人、NPO法人に委託するもので、委託先には訓練生1人当たり上限6万円から9万円の委託料が支払われます。訓練内容は、OA関係、ビルクリーニング、ヘルパー、調理など様々なものがあります。

その他の就労支援機関

首都圏などを中心に一部の自治体では、独自予算で就労支援を実施しています。例えば、東京都では、各市町村に障害者就労支援センターを設置するとともに、雇用促進法に規定される職場適用援助者(ジョブコーチ)とは別に、東京ジョブコーチ(支援回数20回内が目安、窓口は東京しごと財団 東京ジョブコーチ支援室)などの制度を設けています。

東京しごと財団の詳細についてはこちらから
 ↓   ↓   ↓
【東京】障害者雇用をサポートしてくれる機関 その2

まとめ

企業が精神障害者雇用を行うときに活用できる就労支援機関についてまとめました。今回は、全体の概要を見れるようにシンプルな説明を中心に行なっていますので、詳細を知りたい場合は、障害者雇用ドットコムの他のページやオリジナルのホームページで調べてください。

障害者雇用を行おうとするときに、就労をサポートする機関がたくさんあって、どこの機関がどんな役割を果たしているのかわからないときがありますが、どのような役割を行っているかを知ることによって、適切なサポート機関から支援を受けることができ、企業にとっても障害者にとってもWIN-WINな状況をつくることができます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です