障害者雇用問題:厚生労働省が他省に立ち入り権限、法改正を検討

中央省庁の障害者雇用水増し問題を受け、政府は、障害者雇用促進法改正案を来年の通常国会に提出する方針を固めました。厚生労働省が、他省庁や地方自治体などの行政機関に立ち入り調査できる権限規定を新たに設けることになります。

また、障害者雇用水増し問題を受けて、政府が2019年末までに約4,000人の障害者を採用するとした計画については、達成期限の延長を検討しているようです。実現できる可能性が低いことに加え、短期間での大量採用が「数合わせ」になりかねないとの懸念が出ているためです。

ここでは、障害者雇用水増し問題に関連する政府の動きについてまとめました。

行政機関における障害者雇用を定める方針

中央省庁の障害者雇用水増し問題を受け、政府は、障害者雇用促進法改正案を来年の通常国会に提出する方針を固めました。厚生労働省が、他省庁や地方自治体などの行政機関に立ち入り調査できる権限規定を新たに設けることになります。

また、各機関に対し、障害者手帳の写しなど雇用に関する書類の保存も義務づけることになります。月内に、労働政策審議会(厚労相の諮問機関)の分科会に提案、議論することになる予定です。

現在の障害者雇用促進法では、民間企業に対する厚生労働省の調査権限はありましたが、行政機関に対してはありませんでした。このことが長年にわたる不適切な障害者計上の原因となったとの指摘がされていました。そのため政府は厚生労働省に強制力を持たせ、再発防止を徹底させる考えのようです。

障害者雇用に関する調査

実際の調査は厚生労働省のほか、各地のハローワークが実施しています。書類保存は現状では、民間企業に対するものが省令で求められています。

省令では、「事業所ごとに、医師の診断書や障害者であることを明らかにできる書類を備え付けるものとする」と規定しています。障害者が退職や解雇となってからも3年間の保存を求めていますが、これを法律に格上げし、国と民間の双方に保存を義務付ける方針です。

障害者雇用水増し問題、調査報告書

中央省庁の障害者雇用水増し問題で、弁護士らによる検証委員会(委員長・松井巌元福岡高検検事長)が10月に調査報告書を公表しています。ここでは、各省庁で障害者手帳を持っていない職員を障害者としてカウントするなどずさんな実態が判明していました。

そのため政府は関係閣僚会議を開き、厚労省によるチェック機能強化を含めた再発防止策の基本方針を決定していました。

障害者雇用水増し問題に関する調査報告書についての詳細はこちらから
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障害者雇用水増し問題、調査報告書の内容と今後の対応は?

障害者採用期限の延長検討

中央省庁の障害者雇用水増し問題を受けて、政府が2019年末までに約4,000人の障害者を採用するとした計画について、達成期限の延長を検討していることがわかりました。実現できる可能性が低いことに加え、短期間での大量採用が「数合わせ」になりかねないとの懸念が出ているためです。

与党議員や障害者団体から計画の実現を疑問視する声や、「単なる数合わせになり、雇用の質が確保されない」「民間企業から大量の退職者が出る」といった声が多くありました。

10月に発表された目標をわずか2カ月足らずで大きく軌道修正することになり、見通しの甘さに批判は集まることになると思いますが、ずさんな計画で進めるよりは、現時点での修正をかけたほうがよいでしょう。

障害者雇用の見込みはどうなる?

中央省庁の障害者雇用水増し問題を受けて、政府は10月に発表された障害者雇用見込みは、不適切計上のあった国税庁などの行政機関で2018年1~3月末までに約1,500人、さらに19年末までに約2,500人を採用する計画が作られていました。

これを受けて、10月末には2019年度国家公務員の障害者選考試験の概要が明らかにされていました。政府内では採用計画の達成期間を現状の1年間から2~5年程度に延ばすような告示を改正する案がでているようです。また、一方で決定した計画を覆すことになるため、慎重な意見もあります。

2019年度国家公務員の障害者選考試験の詳細については、こちらから
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2019年度国家公務員の障害者選考試験のスケジュール、試験内容とは?

 

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