障害者採用で応募が来ない5つの原因|求人票と募集方法

障害者採用で応募が来ない5つの原因|求人票と募集方法の見直し方

2024年11月26日 | 採用活動

担当者が頑張るほど、 組織が止まる

 

障害者雇用を組織の力に変える5日間

登録者限定レポート
「障害者雇用は、配慮の話ではなく、設計の話だ。」

2026年8月4日更新
障害者採用の求人を出しているのに、応募が来ない。求人媒体を増やしたり、募集期間を延長したりしても、問い合わせさえ入らない。

このような状況になると、「給与が低いからではないか」「障害者雇用の採用競争が激しいから仕方がない」と考えがちです。

もちろん、地域の求職者数や雇用条件、求人を出す時期なども応募数に影響します。しかし、応募が来ない原因は、待遇や採用市場だけとは限りません。

応募者が求人情報を見ても、どのような仕事を、どのような環境で行うのか、自分が応募できる求人なのかを判断できない状態になっていることがあります。

障害者採用で応募を増やすために必要なのは、求人を魅力的に見せることだけではありません。仕事内容、雇用条件、働き方、受け入れ体制、選考の流れを、応募者が判断できる形で伝えることが重要です。

この記事でわかること

  • 障害者採用で応募が来ない主な原因
  • 求人票で仕事内容を具体的に示す必要性
  • 仕事内容と給与・雇用条件の関係
  • 応募者に伝えるべき働き方や受け入れ体制
  • 求人内容と採用ルートを分けて見直す視点

障害者採用で応募が来ないのは、求人を判断できないからかもしれない

応募者は、求人情報を見ながら、給与や勤務時間だけを確認しているわけではありません。

自分の経験を活かせる仕事なのか、無理なく続けられる働き方なのか、必要な配慮を相談できるのか、採用後にどのような役割を期待されるのかを考えています。

ところが、求人情報に書かれている内容が、

  • 事務補助
  • 軽作業
  • 清掃業務
  • その他、会社の定める業務

といった職種名だけでは、実際の仕事をイメージできません。

応募者や支援者が「この仕事なら経験を活かせそうだ」「必要な配慮を相談すれば働けそうだ」と判断できなければ、応募にはつながりにくくなります。

原因1|任せる仕事内容が具体的に伝わっていない

障害者採用では、採用することを先に決め、実際に任せる仕事は採用後に考えようとすることがあります。

その結果、求人票の仕事内容が曖昧になります。

たとえば「パソコン業務」と書かれていても、

  • どのようなソフトを使うのか
  • 入力、集計、確認のどこまでを担当するのか
  • 一人で進める仕事か、周囲と連携する仕事か
  • 正確性、速度、判断のうち何を求めるのか

が分からなければ、応募者は自分に合う仕事か判断できません。

求人票を書く前に必要なのは、言葉を魅力的に整えることではなく、採用後に任せる仕事を具体化することです。

ただし、仕事内容の示し方は企業によって異なります。業務の分け方、求める成果、指示方法、担当範囲を、自社の仕事に合わせて整理する必要があります。

原因2|仕事内容と給与・雇用条件が合っていない

応募が来ないとき、すぐに給与を引き上げるべきだと考えることがあります。

給与や勤務条件は、応募先を選ぶうえで重要な要素です。

一方で、給与だけを変えても、仕事内容との関係が分かりにくければ応募につながらないことがあります。

確認したいのは、次のような関係です。

  • 求める経験や能力と給与が合っているか
  • 仕事の責任や難易度が雇用条件に反映されているか
  • 勤務時間や勤務日数が、実際の業務量に合っているか
  • 契約更新や役割の広がりが分かるか

高い能力や幅広い対応を求めながら、仕事内容や雇用条件が補助的な業務のままでは、求職者から選ばれにくくなります。

反対に、仕事内容が限定されている場合には、その範囲や期待する役割を明確に伝えることが大切です。

待遇だけを切り離して考えるのではなく、仕事、成果、勤務条件を一緒に確認します。

原因3|働き方や受け入れ体制が見えない

求人票に「合理的配慮については相談可能」と書くだけでは、応募者が働く場面を具体的に想像できないことがあります。

応募前に知りたいのは、すべての配慮に対応できるかどうかではありません。

たとえば、

  • 仕事の指示は誰から受けるのか
  • 分からないときに誰へ相談できるのか
  • 定期的な確認や面談があるのか
  • 勤務時間や通院について相談できるのか
  • 配属先が障害者雇用について把握しているのか

といった、実際に働く際の情報です。

企業側がすべての対応を事前に約束する必要はありません。

一方で、何も示されていなければ、「配慮を申し出ると選考で不利になるのではないか」「採用後は現場に任されるのではないか」という不安につながります。

誰が相談を受け、どのように検討するのかを示すことで、応募者は自分が働ける可能性を判断しやすくなります。

原因4|応募から採用までの流れが分からない

応募方法や選考プロセスが分かりにくいことも、応募をためらう原因になります。

求人情報には、可能な範囲で、

  • 応募後の連絡方法
  • 面接や試験の回数
  • 職場実習を行う可能性
  • 選考時の配慮を相談する方法
  • 採用までのおおよその流れ

を示します。

選考時の配慮を希望する場合の連絡先も分かるようにしておくと、応募前の不安を減らせます。

ただし、選考の透明性を高めることと、採用基準を曖昧にすることは異なります。

企業は、求人職種に必要な適性や能力を整理したうえで、その確認方法を応募者へ分かりやすく伝えることが重要です。

公正な採用選考の基本については、厚生労働省の「公正な採用選考の基本」も確認してください。

原因5|求人を出す場所と求める人材が合っていない

求人内容を具体的にしても、応募が来ない場合があります。その場合は、求人を届けている場所と、自社が求める人材が合っているかを確認します。

障害者採用では、ハローワーク、就労移行支援事業所、特別支援学校、人材紹介サービスなど、複数の採用ルートがあります。

ただし、どの採用ルートでも同じ人材に出会えるわけではありません。求める経験、勤務時間、勤務地、仕事内容、採用時期によって、適したルートは変わります。

また、支援機関へ求人票を送るだけでは、仕事内容や企業が求める人材像が十分に伝わらないこともあります。

採用ルートを増やす前に、

  • どのような仕事を任せるのか
  • どのような経験を求めるのか
  • どのような働き方が可能なのか
  • 支援機関に何を依頼したいのか

を整理する必要があります。

支援機関や採用ルートの選び方は、別記事「障害者採用で活用できる支援機関」で詳しく解説しています。

求人票だけを修正しても、応募が増えないことがある

応募が来ないと、求人票の表現を変えたり、掲載する媒体を増やしたりすることに意識が向きます。

しかし、求人票は、自社の採用設計を外部へ伝えるものです。

もとの設計が曖昧なままでは、表現だけを変えても十分な情報になりません。

たとえば、

  • 採用後に任せる仕事が決まっていない
  • 求める能力について人事と配属先の認識が違う
  • 配慮の判断者が決まっていない
  • 採用後の指導担当者が決まっていない
  • 給与や勤務時間を決めた理由を説明できない

という状態では、求人票にも曖昧さが表れます。

求人票を見直すときは、文章表現だけでなく、仕事、条件、受け入れ体制、採用ルートがつながっているかを確認する必要があります。

応募を増やすことだけを目的にしない

応募数が増えても、自社の仕事や条件と合わない応募が増えれば、採用にはつながりません。

一方で、応募条件を厳しくしすぎたり、必要以上に多くの経験や能力を求めたりすると、実際には仕事を行える人まで応募しにくくなります。

目指したいのは、できるだけ多くの応募を集めることだけではありません。自社の仕事に合う人が、求人情報を見て「応募を検討できる」と感じられる状態をつくることです。

そのためには、

  • 仕事に必要な能力は何か
  • 入社後に身につけられることは何か
  • 企業側で調整できることは何か
  • 応募時点で必ず必要な条件は何か

を分けて考える必要があります。

この整理は、企業の仕事や採用方針によって異なります。

一般的な求人例をそのまま使うのではなく、自社の仕事と受け入れ体制に合わせて設計することが重要です。

自社の求人を確認してみましょう

  • 採用後に任せる仕事を具体的に説明できる
  • 求める能力と給与・雇用条件が合っている
  • 働き方や相談体制を求人情報に示している
  • 応募から採用までの流れが分かる
  • 求める人材に合った採用ルートを選んでいる

当てはまらない項目がある場合、求人媒体を増やす前に、応募者が何を判断できずにいるのかを整理する必要があります。

求人票を直す前に、応募者から何が見えていないのか整理しませんか

障害者採用で応募が来ない原因は、求人票の文章だけにあるとは限りません。

任せる仕事、雇用条件、求める人材像、受け入れ体制、選考方法、採用ルートのどこに問題があるのかは、企業によって異なります。

求人媒体を増やしたり、待遇を変更したりする前に、自社の採用設計のどこで応募者が判断できなくなっているのかを確認する必要があります。

30分相談では、現在の求人内容や採用状況を伺い、応募が来ない原因として何を優先して確認すべきかを一緒に整理します。

また、求人票だけでなく、採用基準、求める人材像、採用後に任せる仕事、現場の受け入れ体制まで含めて見直したい企業には、採用・定着支援をご案内しています。

30分相談で応募が来ない原因を整理する

採用・定着支援を見る

障害者採用で応募が来ないときのよくある質問

Q:応募が来ない場合、最初に給与を見直すべきですか

給与や雇用条件は重要ですが、最初から給与だけを原因と決める必要はありません。

仕事内容が具体的に伝わっているか、求める能力と条件が合っているか、働き方や受け入れ体制が見えるかを確認したうえで判断します。

Q:仕事内容は、どこまで細かく求人票に書けばよいですか

すべての作業手順を書く必要はありません。応募者が、担当する仕事、求められる成果、仕事の進め方、自分の経験を活かせるかを判断できる程度に具体化します。

どの情報を示すべきかは、職種や業務内容によって異なります。

Q:「合理的配慮は相談可能」と書けば十分ですか

相談可能という表現だけでは、誰に相談するのか、どのように検討されるのかが分からない場合があります。

応募時や選考時に相談できる連絡先や、必要な配慮を確認する機会があることを示すと、応募者が判断しやすくなります。

Q:求人媒体を増やせば、応募も増えますか

求人を目にする人が増える可能性はありますが、仕事内容や条件が分かりにくいままでは、応募につながらないことがあります。

求人内容を整理したうえで、自社が求める人材に合った採用ルートを選ぶ必要があります。

Q:応募条件を緩和したほうがよいですか

応募条件をすべて緩和するのではなく、仕事を行うために本当に必要な条件かを確認します。

入社後に習得できることや、指示・環境の調整で対応できることまで応募時の必須条件にすると、応募できる人を必要以上に狭める可能性があります。

まとめ

障害者採用で応募が来ないとき、採用市場や給与だけを原因と考えても、根本的な解決につながらないことがあります。

まず確認したいのは、応募者が求人情報から、

  • どのような仕事をするのか
  • どのような能力を求められるのか
  • どのような条件や環境で働くのか
  • 必要な配慮をどのように相談できるのか
  • どのような流れで選考が進むのか

を判断できるかどうかです。

求人内容を具体化しても応募が来ない場合には、求人を届ける採用ルートも確認します。

ただし、求人票、雇用条件、受け入れ体制、採用ルートは、それぞれを別々に直せばよいものではありません。

自社で任せる仕事と採用したい人材を整理し、応募者が判断できる情報へ変換することが重要です。

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