障害者職業能力開発校とは?~職業訓練の種類や採用・雇用の留意点~

2020年03月20日 | 採用活動

職業訓練は、就労移行支援事業所などをはじめとして、障害者の一般就労を目指す機関で行われていますが、障害者職業能力開発校も障害者の職業訓練の場として、全国各地に設置されています。訓練内容も豊富で、数ヶ月~1年の訓練期間に、それぞれの科で専門的な知識やスキルを学び、就職を目指すものとなっています。

ここでは、障害者職業能力開発校の目的や、どのようなところで、どのような内容について学んでいるのかについて見ていきたいと思います。

障害者職業能力開発校の目的

障害者職業能力開発校は、障害者の適性にあった普通職業訓練や高度職業訓練を行うための公共職業能力開発施設です。職業能力開発促進法第十六条に基づき、国及び都道府県が設置しています。

障害者に対する職業訓練については、ノーマライゼーションの理念に基づき、バリアフリー化を推進することにより、一般の職業能力開発校への入校を促進進めてきました。さらに、都道府県立の一般校を活用して、知的障害者等を対象とした訓練コースを設置し、一般校での受入れが困難であった障害者への職業訓練機会を提供しています。最近では、精神障害者の障害者雇用も増えていることから、精神障害や発達障害の受け入れも増えてきています。

障害者職業能力開発校は、国立が13校、都道府県立が6校で、全国に19校が設置されていますが、国立の13校のうち2校は独立行政法人高齢・障害者・求職者雇用支援機構、 11校は都道府県に運営を委託されています。

また、障害者職業能力開発校は、略称で「能開校(のうかいこう)」と呼ばれることも多くあります。

障害者職業能力開発校の内訳

障害者職業能力開発校は全国に次の19校が設置されています。

国立機構営校 (2校)

独立行政法人高齢・障害者・求職者雇用支援機構が運営

・中央障害者職業能力開発校 (国立職業リハビリテーションセンター)
・吉備高原障害者職業能力開発校 (国立吉備高原職業リハビリテーションセンター)

国リハの詳細については、こちらから
  ↓
専門分野のある障害者採用を検討するときの検討に役立つ国立リハ

国立県営校 (11校)

・北海道障害者職業能力開発校
・宮城障害者職業能力開発校
・東京障害者職業能力開発校  
・神奈川障害者職業能力開発校
・石川障害者職業能力開発校  
・愛知障害者職業能力開発校
・大阪障害者職業能力開発校  
・兵庫障害者職業能力開発校
・広島障害者職業能力開発校  
・福岡障害者職業能力開発校
・鹿児島障害者職業能力開発校

県立県営校 (6校)

・青森県立障害者職業訓練校     
・千葉県立障害者高等技術専門校
・静岡県立あしたか職業訓練校    
・愛知県立春日台職業訓練校
・京都府立京都障害者高等技術専門校
・兵庫県立障害者高等技術専門学院

障害者職業能力開発校はどんなことを学んでいるのか

障害者職業能力開発校の 訓練科目は、それぞれの学校によって異なります。

学ぶ内容としては、ITを活用する専門的な技術を取得したい人には、CAD技術、Webデザインを修得するコースや、事務職を目指す人には、OA事務、経営事務、医療事務を学べるコースがあります。また、パン・お菓子作りや園芸、機械・建築関係などを学べるコースを設置している学校もあります。

例えば、東京障害者職業能力開発校では、次のような科が設けられています。

【3か月間コース】
・就業支援

【6か月間コース】
・職域開発
・調理・清掃サービス
・オフィスワーク

【1年間コース】
・ビジネスアプリ開発
・ビジネス総合事務
・グラフィックDTP
・ものづくり技術
・建築CAD
・製パン
・実務作業

障害者職業能力開発校の対象者

基本的に障害者手帳を持っている人が対象となります。

コースによっては、精神障害者保健福祉手帳を所持しており、心身の状態が安定していることが条件となったり、精神障害者手帳を持っていなくても医師の診断を受けていることが条件となっていることもあるようです。

詳細については、それぞれの能力開発校の入稿案内等に記されています。

障害者職業能力開発校の訓練手当

障害者職業能力開発校では、職業訓練校に通いながら、訓練中の生活費として訓練手当を受給することができます。

訓練手当は、居住地や年齢によって異なりますが、以下のような手当がつきます。

・基本手当
・技能習得手当
・通所手当(いわゆる通勤手当)
・寄宿手当(寄宿の場合のみ)

企業で採用候補にいれたいと思ったら

能力開発校側も学生を企業に就職させることが目標なので、企業の採用予定があれば、学校の見学や、校内求人企業説明会、仕事の切り出しやマッチングの相談などにも協力をします。

ただし、基本的に能力開発校側は、コースが修了する時期を就職時期として希望しますので、企業の採用予定時期がコース修了時と合わせられるかを確認しておくとよいでしょう。

以下は、神奈川障害者職業能力開発校のパンフレットに記載されてあるスケジュールです。

企業等の求人関連スケジュール

訓練生の就職関連スケジュール

出典:神奈川障害者職業能力開発校パンフレット

また、もし、採用する場合には、就職後の定着支援はどのようにフォローするのかなどについても確認しておくとよいでしょう。

まとめ

障害者職業能力開発校について見てきました。ハローワークや合同面接会、就労移行支援事業所などで、自社にマッチングする人材になかなか会えないと感じたり、少し専門的なことを学んでいる人を採用したいと思ったら、活用してみることができるでしょう。

内容的には、就労移行支援事業所よりも、施設自体も訓練内容も充実しているとは思います。しかし、専門分野を学んでいるといっても、あくまでも訓練校の中で学んでいるレベルなので、実践において即戦力となるかどうかは、別問題です。

以前、サポートさせていただいたことのある企業からは、「能力開発校から採用したものの、思っていたほどの専門的なことはできず、結局一般的な事務作業に配置換えした」ということをお聞きすることもありました。

また、定着支援については、他の就労移行支援事業所などと比べると、学校や担当職員にもよるのかもしれませんが、あまりサポートされていない印象があります。もし、採用する場合には、定着支援についてはしっかりと話し合っておくことをおすすめします。

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