障害者雇用における【特定求職者雇用開発助成金】とはどのような助成金か

障害者雇用における【特定求職者雇用開発助成金】とはどのような助成金か

2018年12月16日 | 障害者雇用に関する法律・制度

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特定求職者雇用開発助成金は、高年齢者や障害者等の就職困難者をハローワーク等の紹介により、継続して雇用する労働者(雇用保険の一般被保険者)として雇い入れる事業主に対して助成される助成金です。

一般的に障害者雇用を行なう企業でよく活用されている助成金で、【特定求職者雇用開発助成金】、略して特開金(とっかいきん)と呼ばれています。ここでは、【特定求職者雇用開発助成金】はどのような助成金なのか、助成金額、対象となる事業主、対象要件などについて説明していきます。

なお、これらの助成金は、状況によって年度内でも変更することがあります(過去にありました)。助成金の受給を検討されている前には、必ず管轄するハローワークか労働局等にお問い合わせください。

特定求職者雇用開発助成金とは

特定求職者雇用開発助成金は、条件を満たした従業員を新たに雇い入れる事業者に厚生労働省から支給される助成金です。特定求職者雇用開発助成金の対象としては、高年齢者(60歳以上65歳未満)、母子家庭の母等、障害者がありますが、ここでは対象労働者として障害者に関して説明していきます。

なお、この助成金は雇用するときに、ハローワーク等の紹介により、継続して雇用する労働者(雇用保険の一般被保険者)として雇い入れる事業主が対象となっています。

障害者の紹介元として、ハローワークなどの公的機関だけでなく、ハローワーク、地方運輸局、雇用関係給付金の取扱に係る同意書を労働局に提出している特定地方公共団体、有料・無料職業紹介事業者または無料船員職業紹介事業者なども適用となります。助成金受給を検討している場合には、こちらに該当する機関かどうかを紹介先に確認してください。

助成金額

対象労働者に支払われた賃金の一部に相当する額として、下表の金額が、支給対象期(6か月)ごとに支給されます。

対象労働者 支給額 助成対象期間 支給対象期ごとの支給額
身体・知的障害者 120(50)万円 2年(1年) 30万円 × 4期
( 25万円 × 2期 )
重度障害者等(重度障害者、45
歳以上の障害者、精神障害者) 2
240(100)万円 3年
(1年6か月)
40万円 × 6期
( 33万円※× 3期 )
※第3期の支給額は34万円

【短時間労働者】
短時間労働者とは、一週間の所定労働時間が、20時間以上30時間未満の労働者が該当します。

対象労働者 支給額 助成対象期間 支給対象期ごとの支給額
障害者 80(30)万円 2年(1年) 20万円 × 4期 ( 15万円 × 2期 )

中小企業は、業種ごとに次のように分類されています。

小売業・飲食店 資本金もしくは出資の総額が5千万円以下または常時雇用する労働者数50人以下
サービス業 資本金もしくは出資の総額が5千万円以下または常時雇用する労働者数100人以下
卸売業 資本金もしくは出資の総額が1億円以下または常時雇用する労働者数100人以下
その他の業種 資本金もしくは出資の総額が3億円以下または常時雇用する労働者数300人以下

対象となる事業主

以下の条件、すべてに該当する事業主となります。

① 雇用保険の適用事業主であること

② 対象労働者(雇入れ日現在における満年齢が65歳未満の者に限る)をハローワーク、地方運輸局、適正な運用を期すことのできる特定地方公共団体、有料・無料の職業紹介事業者または無料船員職業紹介事業者の紹介により、雇用保険の一般被保険者として雇い入れる事業主であること

③ 対象労働者を雇用保険の一般被保険者として継続して雇用すること(対象労働者の年齢が65歳以上に達するまで継続して雇用し、かつ、当該雇用期間が継続して2年以上(短時間労働者以外の重度障害者等を雇い入れる場合にあっては3年以上)であることをいう)が確実である(※1)と認められる事業主であること

※1:有期雇用契約において、勤務成績等により更新の有無を判断する場合等は、継続して雇用することが確実であると認められず、支給対象となりません

④ 対象労働者の雇入れ日の前後6か月間(以下「基準期間」という)に事業主の都合による従業員の解雇(勧奨退職を含む)をしていないこと

⑤ 基準期間に倒産や解雇など特定受給資格者となる離職理由の被保険者数が対象労働者の雇入れ日における被保険者数の6%を超えていない(特定受給資格者となる離職理由の被保険者が3人以下の場合を除く)こと

⑥ 対象労働者の出勤状況および賃金の支払い状況等を明らかにする書類(労働者名簿、賃金台帳、出勤簿など)を整備・保管し、管轄労働局長の求めに応じ提出または提示する、管轄労働局が行う実地調査に協力するなど、助成金の支給または不支給の決定に係る審査に協力する事業主であること

⑦ 対象労働者の雇入れ日よりも前に特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)の支給決定の対象となった者(※2)のうち、雇入れ日から起算して1年を経過する日(以下「確認日A」という)が基準期間内にある者が5人以上いる場合であって、それらの者が、確認日Aの時点で離職(※3)している割合が50%(※4)を超えていないこと

※2:平成29年4月1日の改正前の特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者雇用開発助成金)の支給決定の対象となった者を含みます(以下⑧において同じ)。

※3:「離職」には、雇用保険被保険者資格の喪失原因が「1」である者(対象労働者の死亡など)は含みません。原則、理由を問わず、すべての離職を含みます。ただし。以下に該当する者は除きます(以下⑧において同じ)。
・ 雇用保険被保険者資格の喪失原因が「2」(対象労働者の死亡、事業主都合による離職等以外の者)である者のうち、天災その他やむを得ない理由によって事業の継続が不可能となったことによる解雇などの離職理由により離職した者
・ 同一事業所に継続して2年以上(助成対象期間が3年の者にあっては3年以上)雇用され、かつ、65歳以上の年齢で離職した者
・ 就労継続支援A型事業所のサービス利用者として雇用されていた者であって、離職理由がA型事業所の支援を受けたことによる一般就労への移行である者

※4:就労継続支援A型事業所が、平成29年5月1日以降に対象労働者を雇い入れる場合は、「50%」を「25%」と読み替えます(以下⑧において同じ)

⑧ 対象労働者の雇入れ日よりも前に特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)の支給決定の対象となった者のうち、助成対象期間(※5)の末日の翌日から起算して1年を経過する日(以下「確認日B」という)が基準期間内にある者が5人以上いる場合であって、それらの者が、確認日B※6の時点で離職している割合が50%を超えていないこと

※5:助成対象期間の途中で離職した場合も、雇入れ時に定められた助成対象期間とします。

※6:助成対象期間が3年の者の場合は、確認日Bを「助成対象期間の末日の翌日」とします。

受給の要件

以下の要件にいずれにも該当しないことが受給するために必要です。

① ハローワーク等の紹介以前に雇用の予約があった対象労働者を雇い入れる場合
② 職業紹介を受けた日に雇用保険の被保険者である者など失業などの状態にない者を雇い入れる場合(重度障害者、45歳以上の障害者、精神障害者を一週間の所定労働時間が30時間以上で雇い入れた場合を除く)

③ 助成金の支給対象期間の途中または支給決定までに、対象労働者を事業主の都合により離職(解雇、勧奨退職、事業縮小や賃金大幅低下、事業所移転等による正当理由自己都合退職など)させた場合

④ 雇入れ日の前日から過去3年間に、当該雇入れに係る事業所と雇用、請負、委任の関係にあった者、または出向、派遣、請負、委任の関係により当該雇入れに係る事業所において就労したことのある者を雇い入れる場合

⑤ 雇入れ日の前日から過去3年間に、当該雇入れに係る事業所において、通算して3か月を超えて訓練・実習等を受講等したことがある者を雇い入れる場合

⑥ 雇入れ日の前日から過去1年間に、対象労働者と雇用、請負、委任の関係にあった事業主、出向、派遣、請負、委任の関係により対象労働者を事業所において就労させたことがある事業主、対象労働者が通算して3か月を超えて受講等したことがある訓練・実習等を行っていた事業主と、資本的・経済的・組織的関連性等からみて密接な関係にある事業主が当該対象労働者を雇い入れる場合

⑦ 対象労働者が、雇入れ事業主の事業所の代表者または取締役の3親等以内の親族(配偶者、3親等以内の血族及び姻族)である場合

⑧ 雇入れ日の前日から過去3年間に、職場適応訓練(短期の職場適応訓練を除く)を受けたことのある者を当該職場適応訓練を行った事業主が雇い入れる場合

⑨ 支給対象期における対象労働者の労働に対する賃金を、支払期日を超えて支払っていない場合(時間外手当、休日出勤手当など基本給以外の手当等を支払っていない場合を含む)

⑩ ハローワーク等の紹介時点と異なる条件で雇い入れた場合で、対象労働者に対し労働条件に関する不利益、または違法行為があり、かつ、当該対象労働者から求人条件が異なることについての申出があった場合

⑪ 助成金の申請を行う際に、雇入れに係る事業所で成立する保険関係に基づく前年度より前のいずれかの年度の労働保険料を滞納している場合

⑫ 偽りその他の不正行為により本来受けることのできない助成金などを受け、または受けようとしたことにより3年間にわたる不支給措置が取られている場合

⑬ 労働関係法令の違反を行ったことにより助成金を支給することが適切でないものと認められる場合

⑭ 高年齢者雇用確保措置を講ずべきことの勧告を受けた場合

⑮ 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく勧告等を受けた場合

⑯ 性風俗関連営業、接待を伴う飲食等営業またはこれらの営業の一部を受託する営業を行っており、接待業務などに従事する労働者として雇い入れる場合

⑰ 暴力団に関係している場合

⑱ 支給申請日または支給決定日の時点で倒産している場合

支給の流れ

支給の流れは、次のようになります。

ハローワーク等からの紹介

ハローワーク、地方運輸局、適正な運用を期することのできる特定地方公共団体、有料・無料職業紹介事業者または無料船員職業紹介事業者の紹介による雇入れが対象となります。

対象者の雇入れ

・対象労働者が雇入れ日の前日から過去3年間に働いたことのある事業所(出向、派遣、請負、アルバイト、事前研修などを含 む)に雇い入れられる場合、助成金の対象とはなりません。
・ハローワーク等の紹介日以前に雇用の予約があった対象労働者 を雇い入れる場合なども助成金の対象とはなりません。

助成金の第1期支給申請

・助成金は、支給対象期 ※ ごとに、2~6回に分けて支給します。
・支給申請は、支給対象期ごとに、労働局またはハローワークに行います。
・支給申請期間は、各支給対象期の末日の翌日から2か月以内です。
・1回目の支給申請がなされていない場合でも、2回目以降の支給申請は行えます。(ただし、既に支給申請期間が終了した支給対象期の助成金は支給されません。)

※ 支給対象期は、起算日から6か月間ごとに区切った期間です。起算日は、次のようになります。
・ 賃金締切日が定められていない場合は雇入れ日
・ 賃金締切日が定められている場合は雇入れ日の直後の賃金締切日の翌日(ただし、賃金締切日に雇い入れられた場合は雇入れ日の翌日、賃金締切日の翌日に雇い入れられた場合は雇入れ日)となります。

支給申請書の内容の調査・確認

支給・不支給決定 (申請事業主に通知書送付)

提出された支給申請書の記載事項などについて支給要件にそって審査し、適正と認められる場合、助成金が支給されます。審査にはある程度時間がかかります。

助成金の支給

支給決定が行われてから事業主指定の金融機関口座に振り込まれるまでには、ある程度時間がかかります。

支給申請の手続きの注意点

・第2~6期支給申請も同様の手続きが必要です。
・対象労働者が支給対象期の途中で事業主の都合で離職した場合は、当該支給対象期については助成金の支給を受けることはできません。また、既に支給が行われた助成金についても返還を求めることがあります。
・対象労働者が支給対象期の途中で離職した場合や所定労働時間より著しく実労働時間が短い場合には、支給額が減額されます。また、対象労働者が支給対象期(第1期)の初日から1か月以内に離職した場合には本助成金の支給を受けることはできません。

特定求職者雇用開発助成金の注意点

・他の助成金の支給を受けている場合は、支給対象とならない場合があります。

・国、地方公共団体、行政執行法人など(これらの機関からの委託事業を実施している事業主で、対象労働者が当該委託事業に従事する場合を含む)の機関は支給対象とならない場合があります。

・この助成金を受給した事業主は国の会計検査の対象になることがあり、検査の対象となった場合は、ご協力をお願いします。また、関係書類については、支給決定がされた時から5年間整理保存してください。

・偽りその他不正な行為によって助成金の支給を受け、または受けようとした場合は、不支給決定または支給決定の取消を行います。この場合、すでに支給された助成金については全額を返還していただくとともに、不支給決定または支給決定の取消を受けた日以後3年間は各種助成金の支給を受けることができません。さらに、特に悪質なものについては、公表する場合や詐欺罪などにより刑罰に処される場合があります。

参考資料

特定求職者雇用開発助成金パンフレット

各雇用関係助成金に共通の要件等

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