障害者の採用面接で障害のことについてどのように聞いたらよいか?

障害者の採用面接で障害のことについてどのように聞いたらよいか?

2020年10月1日 | 採用活動

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障害者を採用するときには、入社後のミスマッチを防ぐためにも、採用面接でしっかり応募者の情報を把握したいと考えるものです。また、企業の合理的配慮義務もあり、応募者の障害の種類や程度などをできるだけ詳しく知りたいと思います。

一方で、障害に関することをどのように聞けばよいのかと心配されている方も多いようです。障害者採用のときにおさえておきたい考え方やポイントについて、まとめてました。

採用選考の基本的な考え方

まず、採用選考に当たっては、障害の有無に関係なく、次の2点を基本的な考え方として行なうことが大切です。

・応募者の基本的人権を尊重すること
・応募者の適性・能力のみを基準として行うこと

 

そして、公正な採用選考を行うためには、「応募者に広く門戸を開くこと」「本人のもつ適性・能力以外のことを採用の条件にしないこと」も大切です。

少し、具体的に見ていきましょう。

応募者に広く門戸を開く

特定の国や地域の出身者、難病のある人、障害の有無など、特定の人を除外しないで、雇用条件・採用基準に合った全ての人が、応募できるようにしておくことが必要です。

法律上、事業主は採用に関して、次の法律に基づいて行なうことが求められています。

・性別にかかわりなく均等な機会を与えられなければなりません(男女雇用機会均等法第5条)
・障害者に対して、障害者でないものと均等な機会を与えなければなりません(障害者雇用促進法第34条)
・原則として年齢制限を設けることはできません(労働政策総合推進法第9条)

  

つまり、応募者のもつ適性・能力が求人職種の職務を遂行できるかどうかを基準として採用選考を行うことが求められています。

本人のもつ適性・能力以外のことを採用の条件にしない

応募者本人に責任のない事柄や本体自由であるべき事項(思想、心情にかかわること)は、
本人の適性・能力とは関係のないことです。

仕事を遂行するにあたり、必要となる適性や能力をもっているかに注目して採用選考することが大切です。

本人の適性・能力とは関係ないことを応募用紙に記入させたり、面接で質問すること、作文等の題材とすることは就職差別につながりかねないものと判断されることがあります。十分に気をつけましょう。

では、どのようなことを聞いてはいけないのか、具体的に見ていきたいと思います。

採用面接で応募者に聞いてはいけないこと

本人に責任のない事項の把握

・本籍・出生地に関すること (注:「戸籍謄(抄)本」や本籍が記載された「住民票(写し)」を提出させることはこれに該当します)

・家族に関すること(職業、続柄、健康、病歴、地位、学歴、収入、資産など)(注:家族の仕事の有無・職種・勤務先などや家族構成はこれに該当します)

・住宅状況に関すること(間取り、部屋数、住宅の種類、近郊の施設など)

・生活環境・家庭環境などに関すること

本来自由であるべき事項(思想信条にかかわること)の把握

・宗教に関すること

・支持政党に関すること

・人生観、生活信条に関すること

・尊敬する人物に関すること

・思想に関すること

・労働組合に関する情報(加入状況や活動歴など)、学生運動など社会運動に関すること

・購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること

採用選考の方法

・身元調査などの実施 (注:「現住所の略図」は生活環境などを把握したり身元調査につながる可能性があります)

・合理的・客観的に必要性が認められない採用選考時の健康診断の実施

障害者の面接に関するQ&A

障害者面接で確認しておきたい点

Q:障害者の面接でポイントとなる点はどんなことですか。

A:障害者が職場で定着するためには、求められている仕事を遂行できるかどうかが、大きなポイントになります。経歴やスキルはあっても、職場定着するためには、業務スキルの他にもセルフコントロールができているか、仕事への意欲があるかなども大きな点です。

以下のようなことは、ポイントとなる点です。

・働くための就労準備性が整っているか。

・健康管理(障害受容、病状管理等)、生活リズム、社会生活力(時間管理・セルフケア等)等、基本的な自己管理ができているか。

・働きたいという意欲があるか。

・仕事に必要な能力を有しているか。

・何が「できないこと」で、どのような配慮を必要としているのかを自分で認識しており、周囲にも説明できるか。

働くための就労準備性とは何?

Q:就労準備性とは、どのようなものですか。

A:就労準備性は、5つの能力に分類されます。その5つは「健康管理」「日常生活管理」「対人スキル」「基本的労働習慣」「職業適性」です。この就労準備性をピラミッド図で表したものが「職業準備性ピラミッド」です。

大事な点は、これが【ピラミッド】になっているということです。下から順に積み上がっていくことに意味があります。どれかが欠けていると、一時的には大丈夫そうに見えてもどこかで就労に影響が出てしまいます。もし、適性のある職業に就いたとしても、どんなに作業能力が高くても、ピラミッドの底辺から順にしっかりと備わっていないと働き続けることは難しくなります。

詳細については、本記事の文末に示した【障害者雇用義務が果たせないとき、罰則はあるのか障害者の採用面接で必ず確認しておきたい就労準備性ピラミッドとは?】を参考にしてください。

Q:障害のある方の面接した中で、採用してからと違ったなと感じたことはありますか。それは、どんな点ですか。

A:採用時に面談したり、就労支援機関からの情報収集をして、採用したとしても、聞いていることと違うなということは、よくあります。

例えば、企業が求めているレベルのスキルや経験がないということです。これは、障害が直接的・間接的な要因となり、社会との接点が制限されているため、社会人経験や人との付き合いが、一般の同年齢の人と比べて、極端に少ない場合が多いからです。

本人は、「苦手」という表現を使うかもしれませんが、実際にはやったことがなかったり、「得意な分野」としてあげられていることでも、一般的なレベルから見ると、そういう表現にはならないと思われることもよくあります。これは、保護者や就労支援機関のスタッフによる評価からくることが多く、客観的な評価が不足しているためと思われます。

しかし、何でもはじめからできる人はいませんので、即戦力採用とするのでなければ、本人が得意とする分野やスキルを活かしながら、レベルアップさせていくという育成に重点を起きながら採用することもできるでしょう。

なお、障害手帳は、ある程度、その障害に対する客観的な指標と見ることができますが、実際には、精神2級と3級の方がいた場合、2級の方だから3級の方よりも仕事ができない、雇用管理が難しいということでもありません。

障害特性、手帳の取得時期、就労経験などによっても変わってくることがありますし、仕事内容や職場の環境にマッチングするかなども大きな要因になることがあります。

そのため、先のQ&Aでも示したように、実際に職場実習をしてみると、企業側、当事者側にとってもミスマッチを防ぐものになることが多いと感じます。

Q:障害に関する配慮として留意しておいた方がよい点はありますか。

A:障害別の配慮を考えておくとよいでしょう。

例えば、知的障害の方の場合、採用面接の場において、質問が理解できない場合があるので、できるだけわかりやすい表現で質問をすることができるかもしれません。また、質問辞退は理解できても、それをうまく表現できない、回答ができないこともあるので、答えやすい質問に切り替えるなどの工夫も有効的です。

聴覚障害では、手話が標準語となっている場合があり、文章表現が苦手なこともあります。事前にコミュニケーション手段を確認しておき、それに対応できるようにしておきましょう。

また、精神障害では、体調に波がある方が多くいます。面接当日の状態がいつも維持されているとは限りません。体調の変化やそれにどのように対応しているのかなども、面接の中で確認しておくとよいでしょう。

面接だけでは、わからないこともありますので、職場実習等を活用して互いに理解を深めることは有効的なことが多いです。

詳細については、本記事の文末に示した【障害者雇用の採用~現場実習を行うメリット~】を参考にしてください。

Q:就労支援機関のスタッフから情報を得ることは必要でしょうか

A:応募者が就労支援機関を活用していたり、特別支援学校に在籍しているのであれば、そこからの情報収集をすることは、とても大切だと思います。

在籍機関の利用状況から、本人の状況や障害特性に対する対応方法なども知ることができるからです。面接の時には同席してもらい、面接で確認しきれなかった情報(日常の様子、病状や支援の期間、関わりの度合い等)を聞くとよいでしょう。

Q:どこまで障害のことを聞いてよいのでしょうか。応募者を不快にさせないか不安です。

A.企業には、合理的配慮の義務がありますので、障害に必要な配慮を確認しておくことは必要なことです。障害のある方だからと意識し過ぎず、普段の面接と同じように聞くことができます。

職場においてどのような配慮が必要なのかを検討するために行なうことをはじめに伝え、応募者が職場で定着してもらうために、お互いがコミュニケーションを図ることが大切だと思っていること、同じ目的のために理解したいたいということを相手に伝えるとよいでしょう。

面接の冒頭で「質問にあたって言いたくないことは申し出てください。障害についても聞かせていただきます」と伝えておくと、応募者の方も事前に理解してもらいやすくなると思います。

まとめ

障害者の面接では、入社後のミスマッチを防ぐためにも、応募者の情報を把握したい、障害の種類や程度などをできるだけ詳しく知りたいと思うものです。一方で、障害に関することをどのように聞けばよいのかと心配されている方も多いようです。障害者採用のときにおさえておきたい考え方やポイントについて考えてきました。

障害の有無に関係なく、採用面接で応募者に聞いてはいけないことは、共通している点です。緊張をほぐそうとして、個人的なことや、思想信条など応募者の適性や能力に直接関係のない事柄についての質問をすることは、就職差別となりかねませんので、注意が必要です。

参考

公正な採用選考の基本(厚生労働省)

障害者の採用面接で必ず確認しておきたい就労準備性ピラミッドとは?

障害者雇用の採用~現場実習を行うメリット~

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