障害者の採用面接で必ず確認しておきたい職業準備性ピラミッドとは?

障害者の採用面接で必ず確認しておきたい職業準備性ピラミッドとは?

2019年01月29日 | 採用活動

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採用する障害者のどのような点を面接で確認しておくとよいのか・・・と悩む担当者の方は少なくありません。もちろん業務に関する知識やスキルはあるにこしたことはありませんが、安定的に働くために必要なものは、実はそれ以外のことだったりします。

しかし、意外と仕事のスキルや今までの経歴ばかりに気を取られて、本当に確認しておくべき点を聞かないで済ませてしまう担当者も少なくありません。ここで、確認しておくべきことをスルーさせてしまうと大変です。なぜならば、業務に関する知識やスキルは、働いてからでも職場で教育することも可能ですが、それよりも社会人として基本的なことができていないと、これを会社が教えることはとても時間もマンパワーも忍耐力も求められるからです。

とはいっても、社会人として基本的なことはどのようなことか・・・と言われても、なかなか思いつかないかもしれません。

ここでは、どんな職種・職業においても共通して必要とされる「基本的な社会人としての資質」とされている職業準備性とはどのようなものなのか、また職業準備性をピラミッド型に整理した「職業準備性ピラミッド」について説明していきます。

職業準備性ピラミッドとは何?

就労するためには、さまざまな力を身に付けることが必要です。例えば、毎日体調を崩さず通勤できること、薬を医療機関に指示された通りにしっかり服薬できることなどです。こうした「就労するために必要なこと」は『職業準備性』と表現され、働くことについての理解・生活習慣・作業遂行能力や対人関係のスキルなど基礎的な能力のことを指します。これは、職種、障害の有無を問わず、働く上で必要とされます。
職業準備性には5つの能力に分類されます。その5つは「健康管理」「日常生活管理」「対人スキル」「基本的労働習慣」「職業適性」です。この求める能力をピラミッド図で表したものが「職業準備性ピラミッド」です。

出所:障害者職業センター

大事な点は、これが【ピラミッド】になっているということです。下から順に積み上がっていくことに意味があります。どれかが欠けていると、一時的には大丈夫そうに見えてもどこかで就労に影響が出てしまいます。もし、適性のある職業に就いたとしても、どんなに作業能力が高くても、ピラミッドの底辺から順にしっかりと備わっていないと働き続けることは難しくなります。

就労したいと考える障害者の方と話していると「働くためには資格をとりたい・・・」と焦っている人に多く会いますが、実際には資格がなくても体調をしっかり整えられる方の方が就労しても長く働き続けることができているのが現実です。そのため体調面の管理ができているのかどうか、この点を障害者の採用面接ではしっかり確認しておくことが必要になります。

今、1つの点を少し見てみましたが、他の点についても、具体的に職業準備性の項目を見ていきたいと思います。

健康管理

健康管理とは、自身の障害についての正しい理解と日常生活を維持することです。健康管理が十分にできていないと、長期休暇や長期入院が必要になり、その結果として休職や離職につながってしまうケースがよくあります。

規則正しい生活や疾病の予防や早期発見に対する意識を持って仕事を不必要に休まないことは、社会人として安定した労働力の供給者としての最低限の責任であり、基本的な「職業準備性」スキルです。この認識をもっているかどうかを、面接のときには確認する必要があります。

また、働き続けるためには日々の健康管理による「体調の維持」がとても大切になります。そのために本人が自分の障害を理解しているかどうかを確認することも大切です。本人が自分の障害を理解していることは、起こりうる病気の予防や対処につながるからです。そして、自分の障害やそのために必要な配慮等を他者にきちんと説明できることで、周囲の理解や協力を得ることにもつながるなどプラスの効果をもたらすことがあります。

日常生活管理

度々の遅刻や欠勤、職場で仕事ができない状態が続くようでは,どんなに職業適性が高くても、働き続けることは難しくなります。基本的な生活習慣が、現在できているのかを確認することは大事です。

例えば、睡眠不足の生活を続けてしまうのであれば、仕事中に眠くなったり、体調を崩してしまうことにもつながりかねません。日々の生活習慣が乱れているのに、就職が決まってからすぐに生活が変えられるわけではありません。日頃から、規則正しい生活習慣ができているのか、就労支援機関等にどれくらいの頻度で何時間訓練しているのか等を本人から確認しましょう。

対人スキル

職場における対人関係は重要です。職場では、上下関係や苦手だからとか、合わないといっても、組織として動くことが求められており、好き嫌いで人事配置などはできないからです。特に、初めて就職する障害者には、そのようなことを理解しているか、お互いが不快にならないように意思疎通を図ることができるようなコミュニケーション能力を持っているか、意識しているのかを確認しておくとよいでしょう。

職場での障害理解

職場で障害者を入れるときには、社内や部内の理解促進を図っておくことは大切ですが、数回の研修や実習の受け入れだけでは、なかなか職場の理解ができている環境とはなならないものです。そのような状況を把握しているのかも確認しておくとよいでしょう。

会社としては、職場の社員に研修など行っていて努力はしているが、職場では障害について詳しい人ばかりではないことと、合わせて職場環境でどのようなことに困りそうか、どのような場面で配慮が必要なのかを、具体的に聞いてみましょう。

また、職場での理解を深めるには、職場でも努力するとともに、障害者本人にも努力が必要なことを伝えておくとよいでしょう。積極的に自分からあいさつすることや、周囲の方とのコミュニケーションなどは、お互いの理解につながることを話すとよいかもしれません。

これは面接のときでなくてもよいかもしれませんが、仕事は、「言われたことだけをやる」「言われないからやらない」など受け身の姿勢ではなく、自らが同じ職場で働く人たちとコミュニケーショ ンをとりながら、主体性を持って行動することが求められていることも教えていく必要があるでしょう(このようなことを理解していない障害者が多くいます)。

しかし、このような状況になってもおこらないでください。このような態度や様子は、わざとやっているのではなく、働いた経験がないことによって、本当にそういうことを知らない、察することができないということがあるからです。気が利かないなどと思わずに、まず知っているのかどうか確認して、知らばければ教えていくことも必要です。

どのような仕事であっても、わからなければ自分から質問する、一緒にはたらく人と挨拶や連絡等の情報共有などが必要であること、仕事は協調性が求められることなどは伝えていきましょう。また、仕事をする上では、苦手な人とも付き合わなくてはならないことや、好き嫌いや自己主張ばかりを前面に出すのではなく、相手の立場や行動を理解することも必要があれば、教えることができるでしょう。

基本的労働習慣

障害の有無を問わず、社会人として仕事をするためには、基本的労働習慣を身につける必要があります。これは、できていれば一番良いですが、もしできていなければ職場で教えることができます。

例えば、基本的なビジネスマナーとして、基本的な心得や身だしなみ、敬語、接客、電話対応など、社内外を問わず 求められる基本的なマナーが存在します。このようなビジネスマナーの知識や実践経験が不足しているようであれば、適切な方法を教えていきましょう。

特に、職場で求められる組織の仕事やチームプレイは、働いてからでなければ経験することのない人も多くいます。自分が引き受けた仕事は、終わるまで自分ひとりで勝手にやってよいというわけではなく、定期的に進行状況や問題点を上司や先輩に報告・連絡・相談するこ(ホウ・レン・ソウ)が求められることや、上手な「ホウ・レン・ソウ」をすることによって仕事を進めるうえでの軌道修正や、自分ひとりの思い込みによって起きる見落としなどを防ぐ助けになることを伝えることができるでしょう。

また、会社には、社員が守るべき基本的なきまりやルールが存在します。組織によって種類や内容に違いはありますが、組織の一員として、仮に自身の意思や価値観と異なっていても、そのルールを「守る」ことが求められることを教えることも必要です。このようにすることによって、会社のルールを守ることで快適に仕事を行える環境を整えることが可能となります。

職業適性

「職業適性」とは業務を行うために必要な能力です。仕事の内容により求められる能力は異なりますし、会社ごとに求められる能力は異なります。採用面接に応募してくる障害者とこの点の食い違いを減らすためにも、仕事内容はもちろんですが、次のような点も伝えると、企業としてどのような人材がほしいと思っているのかを、相手に理解させやすくなります。

・作業能力の自覚(適性・量)
・作業速度
・効率の向上
・指示理解
・作業の正確性
・作業環境の変化への対応

動画での解説はこちらから

まとめ

障害者の採用面接で必ず確認しておきたい職業準備性ピラミッドについて見てきました。

職業準備性ピラミッドとは、「健康管理」「日常生活管理」「対人スキル」「基本的労働習慣」「職業適性」でした。大事な点は、これが【ピラミッド】になっているということです。下から順に積み上がっていくものだと考えてください。どれかが欠けていると、一時的には大丈夫そうに見えてもどこかで就労に影響が出てしまうことが多くあります。

就職のときには、この5つの「健康管理」「日常生活管理」「対人スキル」については、確認しましょう。一部「対人スキル」に関しては、職場で教えないとわからないものもあるかもしれませんが、考え方として対人スキルというものがあり、大切なものと考えているかどうかは、確認するとよいでしょう。「基本的労働習慣」「職業適性」は、あればもちろんそれにこしたことはありませんが、もし、なければ職場で教えていくことができます。

参考

障害者の採用面接で障害のことについてどのように聞いたらよいか?

【特例子会社事例:GBOの雇用 前編】障がい者雇用を戦略的に考える~特例子会社設立8年目で見えてきたこと~

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