障害者雇用が続かない会社の共通点──採用しても定着しない理由とは

障害者雇用が続かない会社の共通点──採用しても定着しない理由とは

2026年04月19日 | 判断とマネジメントの構造, よくある悩みと対応ヒント, 企業の障害者雇用

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「採用はできる。でも続かない」
障害者雇用の相談で、企業の担当者からよく聞く言葉です。

面接では良い人だと思った。
現場も最初は受け入れていた。
でも、数か月すると本人が辞めてしまう。
現場も疲弊し、「もう障害者雇用は難しい」と感じる。

こうした会社では、「本人との相性が悪かった」「障害特性が強かった」と考えられがちです。しかし、実際には、障害者雇用が続かない会社には共通点があります。

大切なのは、「誰を採用するか」だけではありません。採用した人が働き続けられる状態を、組織として作れているかどうかです。

障害者雇用が続かない会社に共通すること

採用がゴールになっている

障害者雇用が続かない会社では、採用そのものが目的になっていることがあります。
・法定雇用率を満たしたい。
・採用人数を確保したい。
・まずは雇用しなければならない。
こうした考え自体は間違いではありません。

 

ただ、「採用できたら終わり」になってしまうと、その後に必要な定着や育成まで考えられていないことがあります。
・どのような業務を任せるのか。
・どのような配慮が必要なのか。
・誰がフォローするのか。
・どのように成長していくのか。
こうしたことが整理されていないまま採用すると、本人も現場も戸惑いやすくなります。

障害者雇用は、採用することがゴールではありません。採用した人が働き続け、力を発揮できる状態をつくることが大切です。

本人に何を期待するかが曖昧

障害者雇用が続かない会社では、「本人に何を期待するのか」が曖昧なことも少なくありません。
・何を任せるのかが決まっていない。
・「できることをやってもらう」だけになっている。
・配慮ばかりが先にあり、役割が見えていない。
この状態では、本人も「自分は何を求められているのか」がわからなくなります。

たとえば、「無理をさせないように」と考えるあまり、簡単な作業だけをお願いし続けることがあります。

最初はそれでよくても、本人が「自分は必要とされていないのではないか」と感じたり、周囲も「何を任せればいいかわからない」と感じたりすることがあります。

 

障害者雇用で大切なのは、「何ができないか」だけを見ることではありません。
・どのような役割を期待するのか。
・何を任せ、どのように成長していくのか。
そして、その期待を、本人と共有できていることが大切です。

現場任せになっている

障害者雇用が続かない会社では、人事だけで採用を進め、配属後は現場任せになっていることがあります。

人事は採用まで関わる。でも、実際に一緒に働くのは現場。そのため、配属後は管理職が一人で抱え込んでしまうことがあります。

現場への説明や準備がないまま配属されると、管理職は、「どこまで配慮すればいいのか」「何を任せればいいのか」「困ったときは誰に相談すればいいのか」がわからないまま対応することになります。その結果、優しい人ほど抱え込み、疲弊していきます。

障害者雇用は、人事だけでも、現場だけでも進められるものではありません。
・採用前から現場と情報を共有すること。
・配属後も一人で抱え込ませないこと。
・困ったときに相談できる仕組みを作ること。
そうした準備があるかどうかで、障害者雇用が続くかどうかは大きく変わってきます。

続かない会社ほど「配慮」だけを考えている

困らせないことが優先されている

障害者雇用が続かない会社では、「本人に無理をさせないこと」「後から問題にならないようにすること」「波風を立てないこと」が優先されすぎていることがあります。

その結果、次のような対応をします。
・できるだけ負担を減らそうとする。
・苦手なことは外そうとする。
・本人が嫌がりそうなことは任せない。

 

もちろん、無理をさせないことは大切です。ただ、負担を減らすことばかりを考えていると、気づかないうちに本人に期待することまで減ってしまうことがあります。
たとえば、「電話対応は苦手だから外す」「人前で話すのは難しいからやらない」「ミスが出そうな仕事は任せない」としていくうちに、本人に任せる仕事が限られていく。
その結果、周囲が配慮することばかりが増え、本人が担う役割が見えにくくなります。

配慮は必要ですが、「何を外すか」だけではなく、「何ならできるか」「どうすればできるか」を考えることが大切です。

期待役割が曖昧になる

配慮ばかりを優先していると、本人への期待役割が曖昧になります。
・何をどこまで求めるのか。
・どのような役割を担ってもらうのか。
・どこまでできればよいのか。
こうしたことが見えていないと、本人も「自分は何を求められているのか」がわからなくなります。

 

最初は、「無理をさせないように」と思っていても、仕事の内容や期待が曖昧なままだと、本人も不安になります。
「自分は必要とされているのか」
「このままでいいのか」
「何を頑張ればいいのか」
そうした迷いが出てくることがあります。

 

また、周囲も「結局何をしている人なのか」が見えなくなります。配慮だけが先にあり、役割が見えていない状態では、本人も周囲も働きづらくなってしまいます。

結果として、本人も現場も苦しくなる

配慮だけを考えている状態が続くと、本人も現場も苦しくなります。本人は、「必要とされていない」「戦力として見られていない」と感じることがあります。

一方で、現場は「何を任せればいいのかわからない」と感じます。周囲は配慮をしているつもりでも、本人には「遠慮されている」「期待されていない」と伝わってしまうこともあります。すると、お互いに遠慮が増えていきます。

本人は相談しづらくなる。
現場も声をかけづらくなる。
少しずつ関係性がぎこちなくなっていく。

 

障害者雇用で大切なのは、無理をさせないことだけではありません。
・適切な配慮をしながらも、本人にどのような役割を期待するのか。
・どうすれば力を発揮できるのか。
そこまで考えられているかどうかで、障害者雇用が続くかどうかは大きく変わってきます。

障害者雇用が続く会社は、何が違うのか

採用前から「どう活躍してもらうか」を考えている

障害者雇用が続く会社は、採用する前から「どう活躍してもらうか」を考えています。
・どの業務を任せるのか。
・どんな配慮が必要か。
・誰がフォローするのか。
・どのようなキャリアアップを目指していくのか。
こうしたことを、採用前の段階から整理しています。

たとえば、「この人には入力作業を」だけではなく、「入力作業から始めて、慣れてきたら電話対応も少しずつ増やそう」といった形で、中長期的な役割まで考えている会社もあります。
また、どのような配慮が必要なのかだけではなく、「どのような強みがあるのか」「どのような環境なら力を発揮しやすいのか」まで見ています。
障害者雇用が続く会社は、採用時点で“できないこと”だけを見ていません。「どうすれば活躍できるか」を考えながら、仕事や配慮を設計しています。

本人への期待を伝えている

障害者雇用が続く会社では、本人への期待が明確です。
・何をしてほしいのか。
・どのような役割を担ってほしいのか。
・どこまでできればよいのか。
こうしたことを、本人にきちんと伝えています。

 

障害者雇用では、配慮の話ばかりになりがちです。もちろん、どのような配慮が必要なのかを共有することは大切です。ただ、それだけでは、本人も「自分は何を期待されているのか」が見えません。

雇用が続く会社は、「どこまでは配慮するか」と同時に、「何をしてほしいか」も伝えています。配慮だけではなく、役割もセットで伝える。そうすることで、本人も自分の役割や目標が見えやすくなるのです。

現場と人事が一緒に進めている

障害者雇用が続く会社は、人事だけでも、現場だけでも進めていません。採用前から現場とすり合わせをしています。
・どのような業務を任せるのか。
・現場は何に不安を感じているのか。
・どんなフォローが必要なのか。
そうしたことを、人事と現場が一緒に考えています。また、配属後も、現場の管理職だけに任せきりにはしません。

 

・定期的に状況を確認する。
・困ったときに相談できる。
・人事が間に入って調整する。
こうした仕組みがあることで、現場も一人で抱え込みにくくなります。

 

障害者雇用が続く会社は、特別なことをしているわけではありません。
・採用前から準備をすること。
・役割と配慮を整理すること。
・人事と現場が一緒に進めること。
こうした基本的なことを、丁寧に積み重ねています。

障害者雇用が続かない会社は、“判断”が曖昧になっている

どこまで配慮するのかが決まっていない

障害者雇用が続かない会社では、「どこまで配慮するのか」が決まっていないことがあります。ある担当者は積極的に配慮する。別の担当者は「そこまでは難しい」と考える。本人の希望を優先する人もいれば、現場の負担を優先する人もいる。その結果、担当者ごとに対応が変わります。

本人からすると、「前は認められていたのに」「部署が変わったら急に難しくなった」と感じることがあります。
現場も、「今回はどこまで認めていいのか」「他の人とのバランスはどうするのか」と毎回迷うことになります。

こうした状態が続くと、障害者雇用そのものが属人的になっていきます。障害者雇用が続く会社は、「何を基準に、どこまで配慮するのか」が共有されています。

誰が判断するのかが曖昧

障害者雇用が続かない会社では、「誰が判断するのか」も曖昧です。

現場は、「自分だけで決めていいのかわからない」と感じている。人事に相談すると、「現場で判断してください」と言われる。人事は人事で、「実際の状況は現場にしかわからない」と感じている。その結果、現場だけで抱え込むことになります。

誰かが決めるのではなく、「とりあえず様子を見る」「もう少し話し合う」となり、判断が先送りになります。障害者雇用で大切なのは、正解を出すことではありません。

 

・誰が、どこまで判断するのか。
・迷ったときは、誰に相談するのか。
そのルートが決まっているだけでも、現場はかなり動きやすくなります。

 

必要なのは“支援”ではなく“判断設計”

障害者雇用が続かない会社では、「支援すること」ばかりが増えていきます。
・相談に乗る。
・配慮をする。
・困ったら話を聞く。
もちろん、それ自体は大切です。ただ、支援だけでは、長く続きません。必要なのは、「誰が、何を基準に、どこまで判断するのか」を決めることです。

 

たとえば、
・現場判断でよいこと
・人事に相談すること
・管理職が判断すること
・支援機関や産業医につなぐこと
こうした役割分担があるだけでも、現場は抱え込みにくくなります。

 

また、どのような配慮をしたのか。なぜその判断をしたのか。何がうまくいき、何が難しかったのか。そうした判断履歴を残すことも大切です。
担当者が変わっても運用できる状態をつくること。それが、障害者雇用を続けるために必要な“判断設計”です。

まとめ

障害者雇用が続かない会社では、本人の特性や相性だけが問題だと思われがちです。
「この人には難しかった」
「現場との相性が悪かった」
「障害特性が強かった」
そう考えられることも少なくありません。

 

しかし、実際には、
・採用がゴールになっている
・本人への期待が曖昧
・現場任せになっている
・配慮だけで役割が見えていない
・誰が何を判断するのかが決まっていない
こうした組織側の状態が影響していることも少なくありません。

 

障害者雇用を続けるために必要なのは、優しい人に頼ることではありません。
・本人が安心して働けること。
・現場が無理なく回ること。
その両方を成り立たせるための“判断の仕組み”を作ることです。

 

「採用はできるが定着しない」
「現場だけが疲弊している」
「何を任せればいいのかわからない」
「担当者ごとに対応が変わる」

そんな状態がある場合は、一度、障害者雇用の進め方を整理してみませんか。

 

30分の相談では、
・どこでつまずいているのか
・現場にどんな負担がかかっているのか
・本人への期待役割をどう整理するか
・誰が何を判断するべきか
を一緒に整理します。

 

「採用はできる。でも続かない」
そんな状態を変えたい場合は、一度ご相談ください。

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