発達障害があってもよい人間関係を築くためのコミュニケーション術

発達障害があってもよい人間関係を築くためのコミュニケーション術

2018年03月28日 | 障害者枠で働く

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発達障害の人は、他人とのコミュニケーションが苦手なことが多くみられます。しかし、苦手だからといっても、会社で働くときに、コミュニケーションは必要です。自分の特徴を正しく理解し、少し工夫をすることで、より良い人間関係を築くやすくすることができます。

どのようなコミュニケーションをとるように心がけるとよいのか、プライベートや職場で気をつけたいことを伝えていきます。また、いくつか想定されるシーンを紹介して、どのような考え方や対応ができるのかをお伝えします。

発達障害とコミュニケーション

発達障害にはいくつかの特性がありますが、コミュニケーションの課題は社会生活を送る上で特に大きな問題となることがあります。特に、周りの人との関係がうまくいかないのは、発達障害の人がそのことに気づかないことが影響しているケースも少なくありません。

他の人と気まずい関係にならないように付き合える方法を覚えることが、発達障害の人がコミュニケーションの問題で失敗を少なくするためには良い方法です。しかし、1つのことを学んで、それを応用するようなイメージすることが苦手なこともあり、このやり方がうまくいったから、それに似たやり方を試してみようとはあまりならないようです。そのため、具体的なやり方を一つ一つ試し、うまくいったノウハウを自分の中に蓄えていくことをしていく必要があります。

プライベートと職場それぞれの使えるヒント

プライベートと職場の対人関係について、意識しておくと良い点は、次のことです。

プライベートの対人関係で意識するべきこと

・相手の長所を見つけて、話題にする。
・愛想よく、笑顔で接する。
・話す時は、適当な距離(同性30センチ、異性50センチ程度)を心がける。
・挨拶やお礼、お詫びなどはすぐに行う。
・判断がつかない時は、わかっていそうな人に尋ねる。

職場の対人関係で意識するべきこと

・職場には暗黙のルールがあることを覚える。
・あらかじめ自分の得意、不得意を理解してもらう。
・困った時は、迷わず同僚などにサポートを頼む。
・独りよがりにならず、上司・同僚等の確認を求める。
・相談や会話では、相手の都合を聞く。

プライベートや職場での対人関係を築くときに気がついたこのような小さなコツ書き出してみましょう。そして、いつも目につくところに貼っておき、確認するようにすれば、少しずつ身につき、他人とのコミュニケーションが取りやすくなっていきます。

他者とのコミュニケーションのポイント

発達障害の特性は、もって生まれたものですので、基本は変わりません。そのため自分で気をつけて改善していくことにより、少しずつ周りの人と良い関係が築けていくことができるようになります。逆に、コミュニケーションの課題があっても、それを自分で意識して解決していこうとしないのであれば、ある場所ではたまたま良い関係を築けても、他の場所ではそうでないこともあります。

社会生活を送るときには、場所や付き合う人を選ぶことができないことも多いので、どのような対応をすると良い人間関係や対人関係を築けるのかを知っておくとよいでしょう。

友達とうまくコミュニケーションをとる

・相手の長所を話題に選ぶ
・わからないときは、人に尋ねる

職場でうまくコミュニケーションをとる

・あらかじめ得意、不得意を理解してもらう
・困ったことは、サポートを頼む

このように、少し意識したり、工夫をすると、他の人とのコミュニケーションが取りやすくなります。職場では、どのようなことに気をつけるとよいのかについて見ていきます。

事例1:具体的な指示書のおかげでトラブルを減らす

30代の秋山さんは、企業の研究所で研究員をしています。専門職として、研究課題を与えられて、3ヶ月程度の期間でまとめるという仕事です。誰かと共同で仕事することも少なく、部下やアシスタントはいません。

このような仕事の仕方は、どちらかというと発達障害の弱点が目立たない職種の一つです。しかし、そんな仕事の中でも、悩みがありました。それは、毎週提出しなければならない業務報告書の書き方がわかりにくかったということです。

業務報告書にやったことを記入することはできたのですが、上司にその後の計画やスケジュールを記載するように言われたときに、どのように書いてよいかわからず、「先のことはわかりません」と答えてしまったのです。上司からは、にらまれてしまいました。

しかし、その上司は秋山さんが発達障害だと知り、すぐに配慮を示してくれました。それは、業務報告書の記載形式について、具体的な指示書を作成してくれ、何をどのように書くのかを示してくれたのです。

指示書に基づいて業務報告を書くようになってから、トラブルもなく、調査報告書の作成も順調になりました。また、上司からも、具体的な指示が書面で出されるようになりました。仕事の効率もよくなりました。

事例2:理解してもらうことで自分の居場所を広げる

安田さんは20代の後半のサラリーマンです。職場の人には、礼儀正しく挨拶したり、いつも笑顔でいるというようなことを心がけています。

しかし、日々の人間関係で特に気をつけているのは、つきあう相手を限定することです。友人づき合いは、本当に自分を理解してくれる人に限定しています。つき合う人数は極端に少なくなりますが、その分気持ちが安定するからです。

例えば、家族がゴミ出しのルールを守らないことにイライラして、安田さんが思わず怒鳴ってしまっても、家族は安田さんがイライラした理由を理解しているので、問題はありません。同じように、発達障害の特性から人と違う行動とってしまうことがあったとしても、友人たちが発達障害や安田さんのことを理解していれば、それほどそのことがネックになることはありません。

安田さんは、変な目で見られたり、苦労したりするのは、理解者ではない人たちと接するときだということを理解しています。もちろん、もっと多くの人たちに理解してもらって、つき合いを広げていくことも大切ですが、無理をしない、ありのままの自分でつき合える人ということは気持ちが落ち着くことができます。理解してもらえると人と付き合うと、自分でも無理をしなくても良いので楽になります。

事例3:あるものを使って人との距離感を覚える

清水さんは、20代前半の営業マンです。営業先で熱心なのはいいけど、少し強引で威圧的だと注意されることが度々あります。

清水さんによると、なぜか話し相手に距離をとられてしまうとのこと。話していると避けられたり、立ち話などでは途中で1歩さがられてしまうこともあるそうです。話に夢中になって、気がついたら相手との顔が目の前にあったということもありました。そのことを病院で相談してみたところ、人間には心地よいと感じられる距離感があることを教えてもらいました。

具体的にどれぐらいの距離がよいのかと聞いたら、男性なら肘から指先くらい、女性相手では手を伸ばしたくらい離れた方がいいと教えてもらいました。その方法を実践してからは、新規の営業のときでもしっかり話を聞いてもらえることが増えたそうです。

学生時代から、馴れ馴れしい奴だと言われることが多かったのですが、人との距離感が分からなくてついつい近寄りすぎていたせいだったと納得できました。話をするときには、相手の対応を確認しながら、適度な間隔をとって進めることが大切です。

近づきすぎることによって、相手を困らせたり、不快な思いをさせてしまうときには、具体的なものや数字などで示すことによって改善することができます。

動画の解説はこちらから

まとめ

発達障害の人は、他人とのコミュニケーションが苦手なことが多いですが、その特徴を正しく理解し、ちょっとした工夫をすることで、より良い人間関係を築くことができるようになります。ここでは、発達障害の人のためのコミュニケーション術について見てきました。

周りの人との関係がうまくいかないのは、発達障害の人が気づかないうちに、一般的にはNGとされているコミュニケーションや対人関係を知らないうちに行ってしまっているからかもしれません。他の人と気まずくならずに付き合えるやり方を覚えることが、発達障害の人がコミュニケーションの問題で失敗しなくなるための秘訣です。

発達障害の人は、人に尋ねるということを忘れがちな人が多いようです。慣れるまでは、困ったら人に聞くというメモを貼っておくのもおすすめです。意識して実践していくことによって、少しずつ自然とできるようになります。

コミュニケーションの基本を学ぶことは、働きやすい職場にすることや、人間関係を築いていくにも役立ちます。
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