特例子会社の設立手順|認定申請・必要書類を解説

特例子会社の設立手順|認定申請・必要書類・準備事項を解説

2017年12月24日 | 障害者雇用に関する法律・制度

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2026年8月2日更新

「特例子会社を設立するには、何から始めればよいのか」
「会社を登記すれば、特例子会社として認定されるのか」
「認定申請までに、業務や採用をどこまで準備する必要があるのか」

特例子会社の設立では、一般的な会社設立の手続きに加えて、特例子会社として認定を受けるための準備が必要です。

会社を登記しただけでは、特例子会社にはなりません。親会社との関係、障害者の雇用人数と割合、業務、職場環境、雇用管理を担う人材などを整え、認定要件を満たしたうえで申請します。

そのため、定款や登記書類から準備を始めるのではなく、最初に設立目的、事業、業務、人員、収支、親会社との役割を整理することが重要です。

また、認定要件や提出書類は企業の状況によって確認事項が異なります。申請直前ではなく、設立の検討段階からハローワークや労働局へ相談し、準備の進め方を確認しておく必要があります。

この記事でわかること

  • 特例子会社の検討から認定までの基本的な流れ
  • 会社設立と特例子会社の認定の違い
  • 設立前に整理しておきたい業務・人員・雇用管理
  • 認定申請に必要となる主な書類
  • 設立準備が止まりやすいポイント

特例子会社の設立には二つの準備がある

特例子会社を設立するには、大きく分けて二つの準備が必要です。

一つは、法人として子会社を設立するための手続きです。もう一つは、障害者雇用促進法上の特例子会社として認定を受けるための準備と申請です。

法人として子会社を設立する

一般的な会社設立では、定款、出資、役員、所在地、事業目的などを決め、法人設立登記を行います。

設立後は、税務、社会保険、労働保険、就業規則などの手続きも必要です。

ただし、これらは特例子会社に限った手続きではありません。記事では細かな登記方法までは扱わず、必要に応じて法務・税務・社会保険の専門家や関係機関へ確認してください。

特例子会社として認定を受ける

法人を設立しても、自動的に特例子会社になるわけではありません。

特例子会社として認定されるには、親会社との資本・人的関係、障害者の雇用人数と割合、施設・設備、指導や雇用管理の体制などについて、一定の要件を満たす必要があります。

認定申請では、基本となる申請書だけでなく、実際の雇用状況や職場環境を確認するための資料も求められます。

特例子会社の設立から認定までの基本的な流れ

企業によって準備の順序や期間は異なりますが、基本的には次のような流れで進めます。

ステップ1:設立目的を整理する

最初に確認するのは、会社名や所在地ではなく、なぜ特例子会社を設立するのかです。

設立目的としては、次のようなものがあります。

  • 障害者雇用を計画的に拡大する
  • グループ内の業務を集約する
  • 新たな職域を開発する
  • 採用や雇用管理のノウハウを蓄積する
  • 障害者社員の育成やキャリア形成を進める
  • 親会社やグループ会社へ障害者雇用の知見を還元する

法定雇用率への対応だけで設立を進めると、設立後に業務不足や役割の不明確さが生じる可能性があります。

設立によって何を実現するのかを、経営、人事、関係部門で共有することが必要です。

ステップ2:ハローワークや労働局へ相談する

特例子会社の認定要件や必要書類は、企業の資本関係、雇用状況、予定する事業などによって確認事項が異なります。

申請書を作成してから相談するのではなく、設立方針やスケジュールを検討する段階で、ハローワークや労働局へ相談しておくと進めやすくなります。

主に次の点を確認します。

  • 予定している親会社と子会社の関係
  • 認定要件の考え方
  • 障害者の採用人数と雇用時期
  • 認定申請の時期
  • 基本となる申請書類と追加確認資料
  • 利用できる採用・職場定着支援

ステップ3:設立プランを作成する

設立プランでは、会社を設立するための情報だけでなく、設立後に運営するための条件を整理します。

会社・事業について決めること

  • 設立目的と事業方針
  • 会社の事業内容
  • 親会社やグループ会社から受託する業務
  • 将来拡大する業務や職域
  • 所在地、施設、設備
  • 設立費用と運営費用
  • 売上・収支の見通し

採用・人材について決めること

  • 採用人数と採用時期
  • 担当してもらう業務
  • 雇用形態、労働時間、賃金
  • 管理職、業務指導者、雇用管理担当者の配置
  • 親会社から出向・派遣する人材
  • 採用後の育成、評価、役割拡大

雇用管理について決めること

  • 業務指示や進捗確認の方法
  • 本人の希望や困りごとの確認方法
  • 合理的配慮を検討・決定する流れ
  • 体調変化や相談があった場合の対応
  • 人事判断が必要な場合の連携先
  • 家族や支援機関との連携範囲

本人の要望をすべて受け入れたり、本人だけに判断を任せたりするのではありません。

本人の希望や困りごとを確認したうえで、会社側も実施可能な方法を整理し、本人と確認する体制を準備します。

ステップ4:社内の準備体制と役割分担を決める

特例子会社の設立は、人事部や障害者雇用担当者だけで進めるものではありません。

次のような部門が関係します。

  • 経営層
  • 人事・労務
  • 経営企画
  • 法務・財務
  • 情報システム
  • 施設・安全衛生
  • 業務を提供する部門
  • 採用や雇用管理を担う担当者

設立準備の段階で、誰が何を決めるのかを明確にします。

特に、業務の提供、費用の判断、人材配置、合理的配慮、人事上の問題について、親会社と特例子会社のどちらが判断するのかを整理する必要があります。

ステップ5:法人設立と職場環境の準備を進める

設立方針と社内承認が整ったら、法人設立と職場の準備を進めます。

主な準備事項は次のとおりです。

  • 法人設立登記
  • 事業所の確保
  • 施設・設備、バリアフリー、安全衛生
  • 就業規則、給与規程、労働条件
  • 業務手順と品質管理
  • パソコン、システム、情報管理
  • 休憩や相談のための環境

施設や設備だけを整えても、雇用管理が機能するとは限りません。

誰が仕事を教え、誰が業務上の判断をし、誰が相談を受けるのかまで含めて運用を整えます。

ステップ6:採用と雇用管理体制を整える

特例子会社の認定には、障害者を一定人数以上雇用していることなどの要件があります。

そのため、認定申請までに採用活動を進め、実際の雇用状況と、採用後に継続して働ける雇用管理体制を整える必要があります。

採用では、人数を確保することだけを目的にせず、次の点を確認します。

  • 担当してもらう具体的な業務があるか
  • 業務量と採用人数のバランスが取れているか
  • 業務を指導・管理する人材がいるか
  • 労働条件と担当業務が合っているか
  • 必要な配慮を実施できる体制があるか
  • 採用後の評価・育成まで考えられているか

採用活動や雇用管理体制の準備では、必要に応じて、ハローワーク、地域障害者職業センター、特別支援学校、就労移行支援事業所などの関係機関と連携します。

職場実習を活用し、実際の業務との適合、指示の伝わり方、働く環境、必要となる配慮などを、企業と本人の双方で確認する方法もあります。

職場実習は、本人の能力だけを一方的に見極める場ではありません。企業側にとっても、用意した業務が適切か、指示方法や受け入れ体制に改善すべき点がないかを確認する機会になります。

採用後の職場適応や業務指導については、職場適応援助者(ジョブコーチ)による支援を活用できる場合があります。ジョブコーチは、本人への支援だけでなく、企業側に対しても、業務の教え方、指示の出し方、職場内の役割分担などについて助言や支援を行います。

職場実習の位置づけや、ジョブコーチ支援の対象・利用条件は、地域や支援機関によって異なる場合があるため、事前に関係機関へ確認してください。

ステップ7:認定要件を確認して申請する

法人、雇用、業務、施設、雇用管理の準備が整ったら、認定要件を満たしているかを確認し、申請します。

基本となる申請書類は、次の二つです。

  • 子会社特例認定申請書
  • 親事業主及び子会社の概要

これに加えて、資本関係、雇用状況、就業規則、職場環境などを確認するための資料を提出します。

申請先や必要書類の詳細は、管轄のハローワークまたは労働局へ事前に確認してください。

特例子会社の認定申請で確認される主な書類

申請書以外に求められる資料は企業の状況によって異なりますが、主に次のようなものがあります。

親会社と子会社の関係を確認する資料

  • 有価証券報告書や附属明細書
  • 株主名簿や出資口数名簿
  • 親会社・子会社の定款
  • 登記事項証明書
  • 役員名簿

雇用状況を確認する資料

  • 障害者雇用状況報告書
  • 従業員名簿
  • 労働者名簿
  • 雇用条件を確認できる書類
  • 障害種別や等級を確認できる書類

個人情報を含む資料の取扱いについては、申請先の指示に従います。

雇用管理や職場環境を確認する資料

  • 就業規則、給与規程
  • 指導員や雇用管理担当者の配置状況
  • 障害者職業生活相談員の選任関係書類
  • 事業所の平面図、案内図
  • 勤務や実習の状況が分かる資料
  • 親会社からの業務発注状況が分かる資料

ここに挙げたものだけで申請が完了するとは限りません。最新の様式と必要資料は、必ず公式案内と申請先で確認してください。

設立前に確認したい4つの準備事項

継続的に確保できる業務があるか

設立時に仕事があっても、その業務が数年後まで継続するとは限りません。

業務の自動化、システム変更、組織再編なども踏まえ、雇用人数に見合う業務と、社員の成長に応じて広げられる職域を考えます。

経営・業務管理・雇用管理を担う人材がいるか

障害者支援の経験がある人だけを配置すればよいわけではありません。

会社を運営する経営人材、業務品質や生産性を管理する人材、人事・労務判断を行う人材が必要です。

親会社と特例子会社の役割を分けているか

次の事項について、誰が判断するのかを決めます。

  • 業務内容と業務量
  • 採用人数と人員配置
  • 費用と予算
  • 合理的配慮
  • 体調変化や人事上の問題
  • 評価、昇給、役割変更

採用後の評価・育成を考えているか

認定に必要な人数を採用することがゴールではありません。

業務に習熟した後に何を任せるのか、どのように評価するのか、役割や処遇をどう広げるのかまで考えておく必要があります。

特例子会社の設立準備で起こりやすい問題

会社設立の手続きが先行する

設立日や登記手続きが優先され、業務、人員、雇用管理の検討が遅れることがあります。

会社をつくる手続きと、運営できる体制をつくる準備を並行して進めることが重要です。

雇用人数を先に決め、業務が不足する

法定雇用率から必要人数を算出しても、その人数に見合う業務が自動的に生まれるわけではありません。

業務量、難易度、指導体制を確認してから採用計画を立てます。

設立準備を人事担当者だけで抱える

人事部だけでは、業務提供、事業収支、システム、安全衛生などを決められません。

経営や関係部門を早い段階から設立準備へ参加させる必要があります。

認定を受けることがゴールになる

認定は、特例子会社の運営が始まる地点です。

認定後も、業務、人員、評価、親会社との関係を継続的に見直す必要があります。

自社の状況を確認してみてください

自社では、認定申請に必要な書類だけでなく、設立後に必要となる業務、人員、費用、親会社との役割まで準備できているでしょうか。

設立スケジュールだけが先行し、業務設計や雇用管理が特定の担当者へ任されていないか確認することが大切です。

よくある質問

Q:特例子会社の設立には、どのくらいの期間がかかりますか

設立に必要な期間は、会社設立の社内承認、業務の準備、採用、施設整備、認定要件の確認状況によって異なります。

申請書類だけではなく、実際の雇用や雇用管理体制を整える必要があるため、具体的なスケジュールは早い段階でハローワークや労働局へ相談してください。

Q:会社を設立する前に、ハローワークへ相談できますか

はい。むしろ、法人設立や採用を進める前の段階で、予定している資本関係、雇用計画、認定要件、申請時期について相談しておくことが大切です。

Q:特例子会社の認定申請は、どこへ提出しますか

申請先や管轄については、親会社の所在地などに応じて確認が必要です。

最寄りのハローワークまたは労働局へ事前に問い合わせ、提出先と必要書類を確認してください。

Q:特例子会社の申請には、どのような書類が必要ですか

基本となる書類は、「子会社特例認定申請書」と「親事業主及び子会社の概要」です。

これに加えて、資本関係、従業員と障害者の雇用状況、就業規則、指導員、施設・設備、親会社からの発注状況などを確認する資料が必要になります。

Q:認定申請前に、障害者を雇用している必要がありますか

特例子会社の認定には、障害者を5人以上雇用していることや、従業員に占める障害者の割合などの要件があります。

申請時点の雇用状況について確認されるため、採用予定だけでなく、認定要件を満たす雇用体制を整えたうえで申請します。

すでに雇用している障害者によって認定要件を満たしている場合は、特例子会社の認定を受けるためだけに、別途新たな採用を行う必要はありません。

Q:親会社から社員を出向させる必要がありますか

特例子会社には、親会社との人的関係が緊密であることが求められます。

親会社からの役員選任や社員の派遣など、企業の状況に応じた関係が確認されます。具体的な体制が要件に該当するかは、申請先へ確認してください。

Q:設立準備は人事部だけで進められますか

人事部だけで進めることはおすすめできません。

業務、収支、施設、システム、人材配置などを決める必要があるため、経営、経営企画、財務、法務、業務提供部門などとの連携が必要です。

Q:認定後にも報告や確認は必要ですか

認定後も、障害者雇用状況報告などの手続きがあります。

特例子会社制度や関係会社特例を利用している場合は、親会社がグループ内各社の雇用状況と、グループ全体の状況を取りまとめて報告する取扱いがあります。提出対象、様式、期限は制度や年度によって確認が必要なため、最新の公式案内に従ってください。

また、親会社との関係や特例子会社の認定要件を満たさなくなった場合には、ハローワークへの連絡が必要です。最新の報告様式と提出方法を確認してください。

まとめ

特例子会社の設立は、会社を登記して認定申請書を提出するだけの手続きではありません。

設立目的、事業、業務、人員、労働条件、雇用管理、親会社との役割を整理し、実際に運営できる体制を整えたうえで認定申請へ進みます。

特に、設立後も継続できる業務があるか、経営・業務管理・雇用管理を担う人材を配置できるか、親会社がどのように関与するかを確認することが重要です。

まず全体計画をつくり、早い段階でハローワークや労働局へ相談しながら準備を進めてください。

特例子会社の申請書類を公式ページで確認する

特例子会社制度の概要、認定申請書、関係書類は、厚生労働省の公式ページで確認できます。

認定要件を確認するため、公式ページに掲載された様式以外の書類を求められる場合があります。具体的な準備や提出先については、最寄りのハローワークまたは労働局へお問い合わせください。

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