平成30年障害者雇用状況の集計結果からみた今後の障害者雇用とは

平成30年障害者雇用状況の集計結果からみた今後の障害者雇用とは

2019年04月18日 | 障害関連の情報

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厚生労働省が、民間企業で働く障害者が昨年6月1日時点で53万4,769人となり、15年連続で過去最多を更新したことを発表しました。前年比7.9%(約3万9,000人)増と大幅に伸び、対象企業の従業員に占める割合である雇用率も2.05%と過去最高を更新しています。

国の機関の雇用率については厚労省が昨年12月に、6月時点で1.22%(法定率2.5%)だったことが発表されていました。例年、企業分の障害者雇用の雇用率についても発表されていましたが、データ入力作業で不具合が生じ、遅れていました。

平成30年度の障害者雇用率についての状況について見ていきます。

平成30年の障害者雇用状況について

厚生労働省が、民間企業で働く障害者が昨年6月1日時点で53万4,769人となり、15年連続で過去最多を更新したことを発表しました。

平成30年 障害者雇用状況の集計結果(厚生労働省)

雇用障害者数、実雇用率ともに過去最高を更新しており、雇用障害者数は53 万4,769.5 人、対前年7.9%で、3万8,974.5 人増加しています。実雇用率は2.05%となり、対前年比0.08 ポイント上昇しています。障害者の雇用が大幅に増えたのは、法定雇用率が昨年4月に2.0%から0.2ポイント引き上げられて2.2%になったことや、企業の意識の高まりが要因とみられています。

障害別にみると、身体が34万6,208人(前年比3・8%増)、知的が12万1,166人(前年比7.9%増)、精神が6万7,395人(前年比34.7%増)でした。ここ数年、精神障害の雇用数が増加していますが、今年度も増加が見られました。精神障害者の大幅な増加は、昨年4月に雇用義務化の対象に加えられたことや、企業が積極的に採用していることが理由と考えられています。

また、障害者雇用の傾向として、障害者雇用のマーケットの中で、働ける身体障害者は既に働いており、知的障害も一定数はいるものの売り手市場で特別支援学校卒業時に就職が決まっている場合も多く、障害者雇用として採用をかけたときに精神手帳をもつ方の応募は多くなっていることもあります。この傾向は、今後も続くでしょう。

障害者雇用が義務付けられる対象は、従業員45.5人(短時間労働者は0.5人で計算)以上の企業となっており、法定雇用率達成企業の割合は 45.9%(対前年比4.1 ポイント減少)でした。法定率を未達成の企業は全体の54.1%に当たる5万4,369社で、このうち障害者を一人も雇用していない企業は3万1,439社でした。

企業規模別の状況

企業規模別にみると、雇用されている障害者の数は、45.5~50人未満規模企業で4,252.5人、50~100人未満規模企業で50,674.5人(前年は45,689.5人)、100~300人未満で106,521.5人(前年は99,028.0人)、300~500人未満で46,877.0人(前年は44,482.0人)、500~1,000人未満で62,408.0人(前年は58,912.0人)、1,000人以上で264,036.0人(前年は247,683.5人)と、全ての企業規模で前年より増加しました。

実雇用率は、45.5~50人未満規模企業で1.69%、50~100人未満で1.68%(前年は1.60%)、100~300人未満で1.91%(前年は1.81%)、300~500人未満で1.90%(前年は1.82%)、500~1,000人未満で2.05%(前年は1.97%)、1,000人以上で2.25%(前年は2.16%)となっています。

民間企業全体の実雇用率2.05%(前年は1.97%)と比較すると、500~1,000人未満及び1,000人以上規模企業が実雇用率以上となっており、大規模な企業ほど障害者雇用率が達成されていることがわかります。

法定雇用率達成企業の割合は、45.5人~50人未満規模企業で34.0%、50~100人未満で45.4%(前年は46.5%)、100~300人未満で50.1%(前年は54.1%)、300~500人未満で40.1%(前年は45.8%)、500~1,000人未満で40.1%(前年は48.6%)、1,000人以上で47.8%(前年は62.0%)となり、全ての規模の区分で前年より減少しています。

【企業規模別実雇用率】

【企業規模別達成企業割合】

出所:厚生労働省

特例子会社の状況

平成30年6月1日現在で特例子会社の認定を受けている企業は486社(前年より22社増)で、雇用されている障害者の数は、32,518.0人でした。特例子会社とは、親会社の実雇用率に算入できる、障害者の雇用に特別の配慮をした子会社のことです。

特例子会社で雇用されている内訳をみると、身体障害者は11,478.5人、知的障害者は16,211.0人、精神障害者は4,828.5人でした。特例子会社は知的障害者を雇用する割合が高く、今年度もその傾向が見られています。

障害者雇用率達成指導の状況

実雇用率の低い事業主は、障害者雇用の実雇用率の低い企業は、毎年6月1日の障害者雇用状況報告にもとづいて、雇入れ計画命令が出され、2年間で障害者雇用を達成できるように指導されます。この計画書は、2年で障害者雇用を達成するための計画書であり、ちょうど事業計画書を作成するように、障害者雇用を達成するための時期や方法を記載していきます。

そして、この雇入れ計画書にもとづき、ハローワークから指導が入ります。計画の1年目の終わり頃には雇入れ計画が計画通りに進捗しているか確認され、できていないと雇入入れ計画の適正実施勧告がなされます。また、雇用状況の改善が特に遅れている企業に対しては、計画期間終了後に9か月間、社名公表を前提として特別指導が実施されます。そして、改善が見られない場合には、企業名の公表となります。

出所:厚生労働省

平成29年度の実績としては、次のようになっています。

「障害者雇入れ計画作成命令」の発出 ・・・ 179社
障害者雇入れ計画の「適正実施勧告」 ・・・ 51社
「特別指導」の実施 ・・・ 23社

障害者雇入れ計画を実施中の企業 ・・・ 294社(29年度)

まとめ

厚生労働省が、平成30年の障害者雇用状況について発表しました。民間企業で働く障害者は、昨年6月1日時点で53万4,769人となり、15年連続で過去最多を更新しました。前年比7.9%(約3万9,000人)増と大幅に伸び、対象企業の従業員に占める割合である雇用率も2.05%と過去最高を更新しています。

雇用障害者数、実雇用率ともに過去最高を更新しており、雇用障害者数は53 万4,769.5 人、対前年7.9%で、3万8,974.5 人増加しています。実雇用率は2.05%となり、対前年比0.08 ポイント上昇しています。障害者の雇用が大幅に増えたのは、法定雇用率が昨年4月に2.0%から0.2ポイント引き上げられて2.2%になったことや、企業の意識の高まりが要因とみられています。

一方で、民間企業全体の実雇用率2.05%(前年は1.97%)を達成しているのは、500~1,000人未満及び1,000人以上規模企業であり、大規模な企業ほど障害者雇用率が達成されていることがわかります。中小企業の障害者雇用は大企業に比べると進んでおらず、障害者雇用に対応することを早急に行う必要があるといえるでしょう。

また、昨年8月に発覚した中央省庁の障害者雇用水増し問題を受け、2月には初めての障害者雇用が行なわれて、国や自治体が障害者の採用を進めている状況が見られています。このため急激な雇用を進めることが、企業への障害者雇用にも影響を与えるのではないかと懸念する声もあります。

今回の調査では、昨年6月時点の調査のため、どのような影響があったのかわかりませんが、今後は公務員試験に合格して民間企業を辞めた人数などの影響が見られるかもしれません。

参考

精神障害者の職場定着は本当に難しいのか?

特例子会社を設立することのメリット・デメリットとは

企業が障害者雇用を行う理由~担当者がおそれる社名公表とは~

なぜ、企業は障害者雇用をしなければならないのか

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