障害者と一緒に働く職場の上司や同僚の理解を得るためにできること

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2023年01月30日 | 企業の障害者雇用

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企業が障害者雇用を進めていくためには、「障害者を雇用していく」という組織で決めること、そして、実際に現場の職場で、障害のある社員を受け入れ、指導役や同僚となる一緒に働く社員の協力が必要になります。

これらができていないと、障害者の職場適応や定着することが難しく、採用しても退職に至ることが少なくありません。特に障害者と働くことがはじめての場合には、一緒に働く社員が不安に感じています。障害者を配属する前に一緒に働く上司や同僚にどのようなことを伝えておくと良いのか、理解を得るためのポイントについて見ていきます。

障害者雇用に取り組む社内の方針を伝える

障害者雇用に関わることの多い人事部の人にとっては、障害者を雇用することは法律で定められたものであり、組織としてすべき当たり前のものと感じているかもしれません。しかし、普段、あまりこのような情報に接していない社員にとっては、なぜ、障害者雇用をしなければならないのか、会社が障害者雇用をどのように捉えて、どのように進めようとしているのかを理解していないことがあります。

そのため、まず、障害者雇用の現状や法令順守に関すること、障害者雇用促進法があり障害者雇用を行う責任があることや、行政への報告義務など企業の障害者雇用に対する社会における一般的な企業の責任があることを社員に伝えることが必要です。

そして、このようなことに基づき組織としてどのような理念や姿勢で障害者雇用を進めるのかについて伝えていく必要があります。障害者雇用は一部の担当部門、担当者だけの業務ではなく、会社全体として取り組む姿勢を示します。合わせて、自社の障害者雇用を推進する方向性も伝えるとよいでしょう。

例えば、ある企業では、地域の障害者の雇用を生み出すことで、地域の社会貢献したいと思っているかもしれません。また、多様な人材を受入れることにより、新たな層の人材育成や社内の活性化につなげようと考えている企業もあるでしょう。

会社の方針を明確に伝えることによって、社員は自社が障害者雇用に取り組むことを認識します。社会的に一企業として障害者雇用を行うことが求められていることを示したうえで、自社として障害者雇用をどのように推進していくかを社員に伝えるようにしてください。

障害の特性や他の企業でどのように仕事をしているのかを知る

普段、障害者と接したことのない人は、障害者がどのようなことで困ったり、苦手さを感じているのかを知る機会がほとんどありません。そのため、知らないことや経験したことがない分野の仕事をいきなり振られると不安を感じてしまいます。また、接し方がわからないために、どのように接したらよいのかと悩んでしまうこともあるでしょう。このような状態で障害者が配属されてしまうと、障害者にとっても、一緒に働く社員にとっても負担になります。

そこで、障害についてや、他の企業では障害者雇用をどのように取り組んでいるのかを知る機会をつくるとよいでしょう。障害の特性や接し方の基本を学ぶことで、障害の基本的な特性や、どのような接し方をするとよいのかなどのイメージが湧きやすくなります。

一緒に働く予定の障害者の特性を知っておくと、相手を理解しやすくなります。場合によっては、障害者本人から一緒に働く同僚に、障害の特性や配慮してほしいことなどを伝えることができます。障害者本人から一緒に働く人に理解して欲しいので、自分の障害について伝えたいと言われることも少なくありません。もちろんこのように個別の話をする時には、本人の意思をしっかり確認し、了承を得て行なうことが必要です。

例えば、障害特性によっては、コミュニケーションがあまり得意でないこともあります。自分から質問したりすることが苦手なことを理解しないと、課題がでてきてから、「なぜ、質問できないのか?」と感じてしまうかもしれません。しかし、事前にこのようなことを知っていれば、質問できる時間を設けるなどの対応をすることで、当事者は質問しやすくなるかもしれません。

得意なことと苦手なことの差が激しいこともよくあります。特定のことには障害があるとは感じさせないくらいのスピードで仕事ができるかもしれませんが、苦手な分野では、全く仕事にならないレベルの出来かもしれません。でも、得意なことと苦手なことがあり、その差が大きいということを知っておくことで、周囲の人は怠けていたり、手を抜いているわけではないと理解しているだけで、評価が変わってくることもあります。

また、障害によっては、薬の服用のために眠くなったり、だるくなったりすることもあります。このようなことを知らないと、仕事のやる気がない、怠惰だと感じてしまうかもしれませんが、事前に薬のせいでそのような状態になることがわかっていれば、休憩を促したり、違った対応ができるでしょう。

障害についての理解があるとないとでは、捉え方や接し方が大きく変わってきます。一緒に働く社員が理解や配慮を示すことができるように、障害者雇用の基本についてや、障害特性、接し方などを学ぶ機会を作ってください。

障害者雇用に取り組んでいる企業はたくさんあります。自社だけが頑張っているのではなく、他の企業でも取り組んでいる事例を知ることで役立つこともありますので、障害者雇用をしている企業を見学してみることもおすすめです。

参考

【初めての人でもわかる】障害者雇用促進法の概要をわかりやすく解説

はじめて障害者雇用担当者になったら知っておくべき基本とは

2023年(令和5年)からの障害者雇用率の引き上げ、どうなる?

令和4年障害者雇用状況の集計結果からみた今後の障害者雇用とは

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