発達障害者支援センターとは?相談内容・就労支援・利用方法

発達障害者支援センターとは?相談できること・就労支援・利用方法を解説

2018年01月11日 | 障害関連の情報

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2026年8月31日更新

発達障害について困っているとき、「発達障害者支援センター」という名前を見かけることがあります。しかし、「診断がなくても相談できるの?」「仕事のことも相談できる?」「会社から相談することはできる?」「病院やハローワークとは何が違う?」など、具体的に何をしている場所なのか分かりにくいと感じる人もいるでしょう。

発達障害者支援センターは、発達障害のある本人や家族などからの相談に応じ、必要に応じて保健・医療・福祉・教育・労働などの関係機関と連携する専門的な支援機関です。

就労に関する相談も支援内容の一つで、状況によっては就労先を訪問し、仕事の進め方や環境調整について助言することもあります。

一方で、発達障害者支援センターへ相談すれば、診断、就職、職場での配置や評価など、すべての答えが出るわけではありません。

発達障害者支援センターは「すべてを解決する場所」というより、発達障害に関する困りごとを整理し、必要な支援や地域の関係機関へつなぐ専門的な相談拠点として捉えると分かりやすいでしょう。

この記事では、発達障害者支援センターの役割、相談できること、就労支援、利用するときに確認したいことを整理します。

この記事でわかること
  • 発達障害者支援センターとはどのような機関か
  • 相談支援・発達支援・就労支援・研修の内容
  • 仕事や職場について相談できること
  • 診断や障害者手帳がない場合の考え方
  • 他の就労支援機関との役割の違い

発達障害者支援センターとは?

発達障害者支援センターは、発達障害のある人への支援を総合的に行うことを目的とした専門的な機関です。

都道府県・指定都市が自ら運営する場合のほか、指定された社会福祉法人やNPO法人などが運営している場合もあります。

本人や家族からの相談に応じるだけでなく、保健、医療、福祉、教育、労働などの関係機関と連携しながら、地域の支援ネットワークをつくることも大きな役割です。

そのため、発達障害者支援センターだけですべての支援を行うわけではありません。相談内容によっては医療機関へつながったり、就労についてはハローワークや地域障害者職業センターなど別の機関と連携したりします。

また、地域の人口規模や既存の支援機関などによって、各センターが実際に行っている事業には違いがあります。

「発達障害者支援センターなら全国どこでも同じ支援を受けられる」と考えず、自分の地域を担当するセンターで利用方法や支援内容を確認することが大切です。

発達障害者支援センターには4つの主な役割がある

国立障害者リハビリテーションセンターの発達障害情報・支援センターでは、発達障害者支援センターの事業を、大きく4つに整理しています。

相談支援|生活・学校・職場などの困りごとを相談する

本人や家族、関係機関等から、日常生活で生じているさまざまな相談に応じます。コミュニケーションや行動面で気になることだけでなく、学校や職場で困っていることも相談の対象です。

相談内容によっては、福祉制度について情報提供したり、保健・医療・福祉・教育・労働などの関係機関を紹介したりします。

つまり、「センターで全部対応する」というより、困りごとを整理したうえで、必要な支援へつなぐ役割も持っています。

発達支援|本人に合う支援方法を考える

発達支援では、本人や家族、周囲の人からの相談に応じ、発達や生活上の課題について支援方法を考えます。

状況によって、生活スキルなどに関する検査を行ったり、本人の特性に応じた支援方法について助言したりする場合もあります。

ただし、各センターが行っている具体的な支援内容は地域によって異なります。そのため、「この検査を必ず受けられる」「この支援を必ず実施している」と一律に考えず、担当センターへ確認します。

就労支援|仕事に関する相談や関係機関との連携を行う

発達障害者支援センターでは、就労に関する相談も行っています。就職を希望している本人から相談を受けるほか、必要に応じてハローワーク、地域障害者職業センター、障害者就業・生活支援センターなどの労働関係機関と連携して情報提供を行います。

状況によっては、センターのスタッフが学校や就労先を訪問し、本人の特性や就業上の課題について助言したり、作業工程や環境の調整について一緒に検討したりすることもあります。

発達障害者支援センターは「生活や発達だけの相談機関」ではなく、仕事に関する相談も重要な役割の一つです。

普及啓発・研修|地域や支援者へ発達障害の理解を広げる

発達障害者支援センターの仕事は、本人への個別支援だけではありません。

セミナーや勉強会の開催、発達障害について理解するための資料作成、関係機関の職員などを対象とした研修なども行います。発達障害への理解や支援方法を地域全体へ広げることも、センターの役割です。

仕事について、どのようなことを相談できる?

仕事について困っている場合にも、発達障害者支援センターへ相談できることがあります。例えば、「仕事が長く続かない」「同じような職場でのつまずきを繰り返す」「職場でのコミュニケーションがうまくいかない」「どの就労支援機関へ相談すればよいのか分からない」といった状況です。

ただし、相談したからといって、「あなたにはこの職種が向いています」と診断名から仕事を決めてもらう場所ではありません。本人がどのような場面で困っているのかを整理し、必要に応じて別の就労支援機関へつないだり、職場でどのような工夫が考えられるかを検討したりします。

例えば、作業工程を分かりやすくする、本人にとって負担になっている環境について確認するなど、実際の仕事との関係から助言を受けられる場合があります。

一方、就職先そのものを探したい場合には、ハローワークなど別の機関が中心になることがあります。「仕事について相談したい」という場合でも、何について困っているのかによって適した支援機関は変わります。

企業側から相談する場合は、まず担当センターへ確認する

発達障害者支援センターでは、本人・家族だけでなく、関係機関等からの相談にも対応しています。

また、就労支援では必要に応じてスタッフが就労先を訪問し、仕事や環境について助言することも公式に示されています。

そのため、企業側が発達障害のある社員の職場対応について外部支援を必要とするときに、発達障害者支援センターが関係することもあります。ただし、企業からの直接相談をどのような形で受けるか、職場訪問に対応しているかなど、具体的な支援範囲は地域によって異なります。

企業側で相談したい場合には、「企業も相談できるはず」と決めつけず、所在地を担当する発達障害者支援センターへ、相談内容と対応可能な範囲を確認するのがよいでしょう。

また、センターから助言を受けたとしても、実際にどの仕事を任せるか、配置をどうするか、どの水準を評価基準にするかといった雇用上の判断は企業側に残ります。

外部支援機関に相談することと、会社のマネジメント判断を任せることは別です。

発達障害者支援センターは「診断する場所」ではない

「自分は発達障害かもしれない」と感じて、発達障害者支援センターへ相談する人もいます。ただし、発達障害者支援センターは、医学的な診断を行うための医療機関ではありません。

相談を通じて、本人がどのようなことで困っているのかを整理し、必要な場合には医療機関などへつなげることがあります。「診断を受けるべきかまだ分からない」「どこへ相談すればよいのか分からない」という段階で、相談先を探す入口になる場合もありえます。

医学的な診断そのものが必要な場合には、成人の発達障害の診療に対応している医療機関へ相談します。

診断や障害者手帳がなくても相談できる?

発達障害者支援センターについて調べると、「診断書や障害者手帳が必要なのではないか」と心配する人もいるかもしれません。

国立障害者リハビリテーションセンターの現在の公式情報では、全国すべての発達障害者支援センターについて「診断書や障害者手帳がなければ相談できない」という一律の利用条件は示されていません。

一方で、各地域の支援体制やセンターの事業内容には違いがあります。そのため、診断の有無を含めて、自分が相談対象になるか、どのような方法で相談するのかについては、担当センターへ直接確認するのが確実です。

「診断がないから相談できない」と自分で判断して諦めるのではなく、まず地域のセンターへ問い合わせてみるとよいでしょう。

発達障害者支援センターと他の就労支援機関は何が違う?

障害者雇用や就労については、発達障害者支援センター以外にもさまざまな支援機関があります。

例えばハローワークでは職業相談や職業紹介、地域障害者職業センターでは職業評価や職業準備支援、職場適応援助などの専門的な職業リハビリテーションを行っています。

障害者就業・生活支援センターでは、仕事だけでなく、就業に伴う生活面を含めた支援を行っています。

発達障害者支援センターは、こうした労働関係機関とも連携しながら、発達障害に関する専門的な相談・支援を行います。

どの機関が一番よいということではなく、相談したい内容によって役割が違います。「どこへ相談すべきか分からない」という場合には、最初に相談した機関から適切な機関へつないでもらうという考え方もあります。

支援機関へ相談しても、会社の判断まで任せるわけではない

企業が発達障害のある社員への対応で困ったとき、専門的な支援機関から助言を得ることは有効です。一方で、「専門機関が言ったから」という理由だけで、配置や仕事内容、評価、役割分担を決めることはできません。

支援機関が把握しているのは、本人の特性や支援上の情報の一部です。企業側には、実際の仕事内容、求めている成果、周囲の人員配置、職場全体への影響など、会社だからこそ把握できる情報があります。

例えば、支援機関から「指示を具体的にするとよい」という助言があったとしても、誰が指示を出すのか、どの業務まで本人に任せるのか、どの時点で確認するのかは職場で決める必要があります。

外部支援を活用することと、会社としての判断を外部へ任せることは違います。本人、職場、支援機関それぞれが持っている情報や役割を分けながら、必要な連携を考えることが重要です。

利用するときは、自分の地域を担当するセンターを確認する

発達障害者支援センターを利用したい場合は、まず自分の地域を担当するセンターを確認します。

国立障害者リハビリテーションセンターの公式サイトには、全国の発達障害者支援センターと支所等の所在地・連絡先が掲載されています。センターによって相談方法や事業内容は異なるため、初めて利用するときには、事前に電話や公式サイトなどで利用方法を確認するとよいでしょう。

相談する前に整理しておくとよいこと
  • 本人・家族・企業など、どの立場から相談したいのか
  • 生活・仕事・就職など、今どの場面で困っているのか
  • 診断について相談したいのか、支援や就労について相談したいのか
  • 現在、医療・福祉・就労支援など他の機関を利用しているか
  • 自分の地域を担当するセンターの利用方法を確認したか
すべてを整理してから相談する必要はありません。何を相談すればよいか分からないこと自体を含めて、まず問い合わせることもできます。
自分の地域の発達障害者支援センターを確認する
発達障害者支援センターは、地域によって事業内容や利用方法が異なります。初めて相談する場合には、国立障害者リハビリテーションセンターが公開している全国一覧から、自分の地域を担当するセンターを確認してください。
相談したい内容をうまく整理できていなくても、まず利用方法や相談できる内容を問い合わせることができます。

発達障害者支援センターについてよくある質問

Q:発達障害の診断がなくても相談できますか

全国一律に「診断がなければ相談できない」という案内にはなっていません。

ただし、センターによって事業内容や相談方法が異なるため、診断の有無を含め、自分が相談対象になるかどうかは地域を担当するセンターへ確認してください。

診断がないという理由だけで、自分で利用できないと決める必要はありません。

Q:発達障害者支援センターで診断してもらえますか

発達障害者支援センターは、医学的な診断を行う医療機関ではありません。

発達障害に関する困りごとについて相談し、必要に応じて医療機関などの関係機関へつなぐ役割があります。

診断について詳しく知りたい場合には、成人の発達障害の診療に対応する医療機関への相談を検討します。

Q:仕事の相談もできますか

就労支援は、発達障害者支援センターの主要な事業の一つです。

就労についての相談に応じ、必要に応じてハローワーク、地域障害者職業センター、障害者就業・生活支援センターなどと連携します。状況によっては就労先への訪問や、作業工程・環境調整への助言が行われることもあります。

具体的にどのような支援を受けられるかは、担当センターへ確認してください。

Q:会社から相談することもできますか

発達障害者支援センターは関係機関等からの相談にも対応し、就労先への訪問や職場への助言を行う場合があります。

ただし、企業からの直接相談をどのような形で受けるかは地域によって異なる可能性があります。

会社として相談したい場合には、本人との関係や相談したい内容を整理したうえで、担当センターに対応可能か確認するとよいでしょう。

Q:どこの発達障害者支援センターへ相談すればよいですか

初めて利用する場合には、原則として自分の住んでいる地域を担当する発達障害者支援センターを確認します。

全国のセンターと支所等は、国立障害者リハビリテーションセンターの公式サイトに掲載されています。

地域によって支援内容が異なるため、利用前に担当センターへ問い合わせてください。

まとめ|発達障害者支援センターは、困りごとと必要な支援をつなぐ相談拠点

発達障害者支援センターは、発達障害について相談できる専門的な支援機関です。

相談支援、発達支援、就労支援、普及啓発・研修という4つの役割を持ち、本人や家族からの相談だけでなく、必要に応じて医療、福祉、教育、労働などの関係機関と連携します。

仕事についても相談でき、状況によっては就労先での作業工程や環境調整について助言を受けられる場合があります。

一方で、センターが医学的な診断をしたり、本人の就職先や企業の配置・評価をすべて決めたりするわけではありません。

また、地域によって事業内容や利用方法が異なります。

発達障害者支援センターは、「ここへ行けばすべての答えが出る場所」ではなく、今ある困りごとを整理し、必要な支援や地域の関係機関へつなげる相談拠点として活用することが大切です。

企業の場合も、支援機関の専門性を活用しながら、実際の仕事・配置・評価・役割については、自社で判断する必要があります。

外部支援と企業の役割を分けて考えることで、本人にも職場にも必要な支援につなげやすくなります。

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発達障害者支援センターを利用する目的は、本人側と企業側で異なることがあります。相談・受診、会社での対応、他の支援機関との役割を分けて確認すると、自分に必要な次の情報を探しやすくなります。
「自分は発達障害かもしれない」と感じたときに、相談先や医療機関の探し方、診断をどう考えればよいのかを整理したい方へ。

社員について「発達障害かもしれない」と感じている管理職・人事が、診断名を推測するのではなく、会社として何を確認すればよいのかを知りたい場合に確認したい記事です。

ハローワーク、地域障害者職業センター、障害者就業・生活支援センターなど、障害者雇用で利用できる支援機関全体の役割を確認したい方へ。

外部支援だけでは職場の問題が解決しないときに、仕事・配置・情報共有・判断・役割まで含めて発達障害雇用全体を見直したい方へ。

参考資料・一次情報

発達障害者支援センターとは(発達障害情報・支援センター)
発達障害者支援センターの事業内容(発達障害情報・支援センター)

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