障害者福祉サービスにおける相談支援サービスとは?

2020年02月12日 | 障害者雇用に関する法律・制度

障害者自立支援法から、障害者が地域で生活することに重点がおかれてきました。地域でその人らしく生活していくには、支援や福祉サービスはなくてはならない存在です。しかし、一人ひとり状況や困難が違う障害のある人にとって、自分自身でニーズに合ったサービスの情報を探し、利用するための手続きをし、支援を受け続けるのは大変なことです。

そこで、国は障害者総合支援法に基づき相談支援制度を設け、障害者が相談を受けるための仕組みをつくりました。置かれている状況や不安、悩みを相談し、その人に合う支援サービスの利用に繋げることが重要だと考えているからです。

しかし、困っているけれど、どんな支援があるのかわからわない、どこで支援を受ければいいのかわからないという人もいるかもしれません。ここでは、相談支援事業とはどのようなもので、どんな相談ができるのか、相談するためにはどこに行けばいいのかについて説明しています。

相談支援事業

障害者総合支援法における相談支援事業は、個別給付で提供される相談支援と地域生活支援事業により実施される相談支援(実施主体は市町村、適切な一般相談支援事業者又は特定相談支援事業者へ委託可能)となっています。

2012(平成24)年4月の支給決定プロセスの見直しがおこなわれた際には、計画相談支援の対象が原則として障害福祉サービスを申請した障害者等へと大幅に拡大されました。また、地域移行・地域定着支援の個別給付化が図られています。

地域における相談支援の拠点として、基幹相談支援センターを市町村が設置できることとなり、相談支援体制の強化が行われました。さらに、地域支援体制づくりに重要な役割を果たす自立支援協議会が法律上位置づけられました。

出典:障害者総合支援法における相談支援事業の体系(厚生労働省)

個別給付で提供される相談支援

個別給付で提供される相談支援には、地域相談支援と計画相談支援、障害児相談支援があります。それぞれがどのような相談支援内容を提供しているのかを見ていきたいと思います。

地域相談支援

・地域移行支援 障害者支援施設、精神科病院、保護施設、矯正施設等を退所する障害者、児童福祉施設を利用する18歳以上の者等を対象として、地域移行支援計画の作成、相談による不安解消、外出へ の同行支援、住居確保、関係機関との調整等を行います。

・地域定着支援 居宅において単身で生活している障害者等を対象に常時の連絡体制を確保し、緊急時には必要な支援を行います。

計画相談支援

・サービス利用支援 障害福祉サービス等の申請に係る支給決定前に、サービス等利用計画案を作成し、支給決定後に、サービス事業者等との連絡調整等を行うとともに、サービス等利用計画の作成を行います。

・継続サービス利用支援 支給決定されたサービス等の利用状況の検証(モニタリング) を行い、サービス事業者等との連絡調整などを行います。

障害児相談支援(児童福祉法)

・障害児支援利用援助 障害児通所支援の申請に係る支給決定前に、障害児支援利用 計画案を作成し、支給決定後に、サービス事業者等との連絡調 整等を行うとともに、障害児支援利用計画の作成を行います。

・継続障害児支援利用援助 支給決定されたサービス等の利用状況の検証(モニタリング) を行い、サービス事業者等との連絡調整などを行います。

※障害児の居宅サービスについては、指定特定相談支援事業者がサービス利用支 援・継続サービス利用支援を行います。障害児の入所サービスについては、児 童相談所が専門的な判断を行うため、障害児相談支援の対象とはなりません。

地域生活支援事業により実施される相談支援

2012(平成24)年4月の支給決定プロセスの見直しがおこなわれた際に、地域における相談支援の拠点として、基幹相談支援センターを市町村が設置され、相談支援体制の強化が行われています。

基幹相談支援センターとは

基幹相談支援センターは、地域の相談支援の拠点として総合的な相談業務(身体障害・知的障害・ 精神障害)及び成年後見制度利用支援事業を実施し、地域の実情に応じた次のような業務を行っています。

・総合相談・専門相談
・地域移行・地域定着
・地域の相談支援体制の強化の取組
・権利擁護・虐待防止

市町村における相談支援体制は地域格差があったり、多様化・複雑化する生活課題に適切に対応するための人員体制が不足しがちですが、基幹相談支援センターを設置することにより身近な地域において、重層的な相談支援体制を確保する目的もあります。

障害の種別にかかわらず、相談支援事業所等で対応が困難な事例への対応や権利擁護(虐待防止等)、地域移行・定着に係る支援など、地域のセーフティーネットとして総合的な相談支援を行う役割を担っています。また、基幹相談支援センターには地域の課題を把握し、地域ネットワークの強化を図ることや社会資 源を創設していくことでその課題を解決していく、地域づくりの役割もあります。

出典:基幹相談支援センターの役割のイメージ(厚生労働省)

相談支援を受けるときの窓口

相談支援事業については、地域の状況に応じた柔軟な事業形態をとれることになっています。窓口としては、相談内容によって、以下のように決められていますが、詳細については、最寄りの市町村窓口の障害福祉課などに問い合わせるとよいでしょう。

・障害福祉サービス等の利用計画の作成(計画相談支援・障害児相談支援)
→ 市町村(指定特定相談支援事業者、指定障害児相談支援事業者)
・地域生活への移行に向けた支援(地域移行支援・地域定着支援)
→ 指定一般相談支援事業者
・一般的な相談をしたい場合(障害者相談支援事業)
→ 市町村(又は市町村から委託された指定特定相談支援事業者、指定一般相談支援事業者
・一般住宅に入居して生活したい場合(住宅入居等支援事業(居住サポート事業))
→ 市町村(又は市町村から委託された指定特定相談支援事業者、指定一般相談支援事業者)
・障害者本人で障害福祉サービスの利用契約等ができない場合(成年後見制度利用支援事業)
→ 市町村(基幹相談支援センター)

参考:障害のある人に対する相談支援について(厚生労働省)

サービス利用までの流れ

サービスを利用したいときには、まず、最寄りの市町村窓口の障害福祉課などに問い合わせましょう。

サービス利用までの流れは以下のようになります。

(1) サービスの利用を希望する方は、市町村の窓口に申請し障害支援区分の認定を受けます。
(2) 市町村は、サービスの利用の申請をした方(利用者)に、「指定特定相談支援事業者」が作成する 「サービス等利用計画案」の提出を求めます。 利用者は「サービス等利用計画案」を「指定特定相談支援事業者」で作成し、市町村に提出します。
(3) 市町村は、提出された計画案や勘案すべき事項を踏まえ、支給決定します。
(4)「指定特定相談支援事業者」は、支給決定された後にサービス担当者会議を開催します。
(5) サービス事業者等との連絡調整を行い、実際に利用する「サービス等利用計画」を作成します。
(6) サービス利用が開始されます。

サービス利用に関する留意事項 ( 障害児を対象としたサービス)

障害児については、居宅サービスの利用にあたっては、障害者総 合支援法に基づく「指定特定相談支援事業者」が「サービス等利用 計画案」を作成し、通所サービスの利用にあたっては、児童福祉法 に基づく「指定障害児相談支援事業者」が「障害児支援利用計画 案」を作成します。 障害児の入所サービスについては、児童相談所が専門的な判断を 行うため障害児支援利用計画の作成は必要ありません。

サービス等利用計画について

2015(平成27)年度以前において、地域に指定特定相談支援事業者がない場合等、サービス等利用計画の作成は必須ではありま せんでしたが、2015(平成27)年度より必須となりました。 指定特定相談支援事業者が身近な地域にない場合等、それ以外の者が作成したサービス等利用計画案(セルフプラン)を提出することもできます。

出典:障害福祉サービスの 利用について (全国社会福祉協議会)

まとめ

障害者福祉サービスにおける相談支援サービスとはどのようなものなのかについて、説明してきました。

障害者自立支援法から、障害者が地域で生活することに重点がおかれてきました。地域でその人らしく生活していくには、支援や福祉サービスはなくてはならない存在となっています。しかし、一人ひとり状況や困難が違う障害のある人にとって、自分自身でニーズに合ったサービスの情報を探し、利用するための手続きをし、支援を受け続けるのは大変なことです。相談支援制度を活用しながら、その人に合う支援サービスの利用に繋げていくことは大切なことです。

また、最近では課題があるときに、障害だけの問題ではなく、複合的な問題を抱えている場合も少なくありません。基幹相談支援センターなども設置されるようになりましたので、適切な機関と連携していくのにも役立つと思われます。

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