職場に障害のことが知らされていないときに、どのように対応すればよいか?

職場に障害のことが知らされていないときに、どのように対応すればよいか?

2019年07月22日 | 障害者枠で働く

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障害者枠で採用されているにもかかわらず、「障害に関する配慮がされない」、「一緒に働く職場の同僚が障害に関して理解を示してくれない」という意見を障害当事者の方からよく聞きます。

職場定着するには、職場の理解が必要と言われており、採用面接のときに、自分の障害特性や配慮してほしいことを伝えているはずなのに・・・。しかし、実際には、管理職にしか伝わっておらず、働く現場の職場での対応に戸惑ってしまう人も少なくありません。

このようなときには、どのように対応すればよいのでしょうか。

障害者枠で採用されたはずなのに・・・

障害者枠で採用されたある精神障害者手帳をもつAさんは、事務補助職で入社しました。その場に応じた対応が求められる仕事については不安があり、そのことを採用面接にも伝えており、それに合わせた対応をとってもらえるということでした。

そのため電話対応については免除されてきたのですが、同じ職場で働く同僚の中には、Aさんの障害について知らない人も多く、電話に出るように言われることもあります。実は、採用時に配属された直属の上司だけにしか、Aさんの障害について知らないということがわかりました。

なぜ、職場で障害のことが理解されていないのか

採用された障害者の障害や配慮について、職場で理解されていないことがよくあります。そのような状況が起きてしまう理由がいくつか考えられます。

まず、考えられるのが、厚生労働省が策定している「プライバシーに配慮した障害者の把握・確認ガイドライン」で示されている「情報を管理する者の範囲を必要最小限に限定する」という言葉をどのように解釈するのかということです。

「プライバシーに配慮した障害者の把握・確認ガイドライン」では、情報管理者の守秘義務等に関して、次のように示されています。

個人情報の保存に当たっては、情報を管理する者の範囲を必要最小限に限定したうえで、これを従業員にわかるように明確化すること〔雇用管理指針第三の三(一)(二)〕や、情報管理者の守秘義務等を定めた個人情報の取扱いに関する内部規定を整備すること〔雇用管理指針第三の三(一)(二)〕、個人情報保護法意識の向上、安全性・正確性の確保のための研修を実施すること〔雇用管理指針第三の三(五)〕、個人情報を取り扱う従業者に対する監督を行うこと〔個法 21〕等の措置を講じなければなりません。

出所:プライバシーに配慮した障害者の把握・確認ガイドライン(厚生労働省)

確かにガイドラインには、「情報を管理する者の範囲を必要最小限に限定する」と記載されてはいるのですが、それを「従業員にわかるように明確にすること」も求めています。しかし、このようなセンシティブな話は、会社からはなかなか話しにくい状況があります。そのため職場の理解がない、このような状況を変えたいと考えているのであれば、本人から職場の上司や同僚に話すことができます。

このようなことを伝えるときに大切なことは、障害があるから何かを免除してほしいという訴えをするのではなく、自分が働く上でどのような配慮があるとわかりやすいのか、働きやすいのかを具体的に示すことです。

企業側は従業員に障害について伝えるべきか

企業側としても、職場で一緒に働く人たちが障害について知らないと、示すべき配慮がわからずにトラブルになってしまうこともあるので、上司だけでなく一緒に働く社員にも伝えた方がよいことを認識しておく必要があります。しかし、これらのこと、どこまで誰に開示するか、どのような内容を伝えるのかについては、事前によく話し合っておく必要があります。

障害についての当事者ご本人の考え方は、障害種別や手帳にかかわらず、個人の考えが大きく異なるからです。また、職場の環境や人間関係は、職場ごとによって違いますので、これらのことを考慮しながら個別に考えていく必要があります。基本的には、ご本人の気持ちを確認し尊重したうえで、 判断するようにするとよいでしょう。

職場に伝えたほうがよいことは、障害特性と対応方法(例えば、仕事を覚えるのに時間がかかるが、 真面目に取り組むことができ、長い目で指導してほしい等)です。また、勤務状態、通院時の対応や残業の取り扱いなどについても伝えておいたほうがよいでしょう。

このようなことを一緒に働く職場の人が理解していないと、「なぜあの人は残業しないのか」とか「定期的に休むのはなぜか」といった他の従業員からの不満などにつながることもあるからです。

いつ、誰に職場に伝えるのが効果的か

一緒に働く同僚などに障害のことを伝える場合、どのようなタイミングで伝えるのがよいのでしょうか。

多くの職を見てきましたが、私個人としては、職場配属する部門には事前に伝えておいたほうがよいと思います。問題や課題が起きてから行っても関係を修復することが難しい場合が多いからです。

また、障害者雇用を初めて取り組む企業では、社内全体にも周知しておいてもらうほうが、社員全体に理解してもらう機会となりやすく、それが働きやすさにつながることも多いように感じます。

もちろん状況は企業によって、また障害当事者の方の意思によっても異なりますので、企業の担当者の方や支援機関のスタッフなどの関係者と、よく相談して行うようにしてください。また、直接、自分から話すことは、緊張する、障害を明らかにするには抵抗があるという場合には、その点に関してもフォローしてもらったり、紙面で伝えることもできるでしょう。

大事なのは、周りの人はわかってくれるだろうと期待するだけでなく、実際に自分から行動することです。働きやすい職場にするためには、自らが動くことが必要なこともあります。

まとめ

障害者雇用を続けるためには、職場の理解が必要と言われています。しかし、採用面接のときに、自分の障害特性や配慮してほしいことを伝えているにもかかわらず、管理職にしか障害について知っておらず、会社と働く現場の職場での対応に戸惑ってしまう人も少なくありません。そのようなときに、どのように対応すればよいかについて、考えてきました。

まず、大事なのは、あなたが企業の担当者がしっかりとコミュニケーションをとることです。センシティブな話は、会社からはなかなか話しにくいこともありますし、すでに同じ障害種別の当事者の方がいる場合には、その先例に習うこともよくあります。

しかし、障害の程度や、希望する配慮や対応は、個々に違いますし、働きやすい職場にするためには、あなた自身が意思表示することが必要です。合理的配慮は、自分自身から発信することが求められるからです。

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