障害者雇用のテレワークを推進するために整備しておくべき項目とそのポイント

障害者が働く環境をテレワークや在宅勤務で提供する企業が増えています。テレワークを導入するにあたっては、整備しておくべき項目やポイントがあります。例えば、労務管理や環境整備などです。

また、職場で顔を合わせることがなく、基本的にIT機器等を通してのコミュニケーションが中心となってくるため、お互いに積極的にコミュニケーションを図ろうとする姿勢や、社員が健康管理のセルフコントロールを行えること、在宅で働く社員本人の心構えが大切になってきます。

ここでは、障害者雇用のテレワークを推進するために整備しておきたい項目やポイントについて見ていきます。

テレワークを推進するために検討すべき項目

在宅勤務などのテレワークを行うときにも、労働基準法などの労働関係法令を遵守することが求められます。テレワークを導入する場合には、就業規則などにテレワーク勤務に関して規定しておくことが必要です。

どのような規定が必要になるのでしょうか。例えば、テレワーク勤務については、就業規則にテレワーク勤務を命じることに関する規程、テレワーク勤務用の労働時間を設ける場合、その労働時間に関する規程、通信費などの負担に関する規程などです。

労務管理

テレワークを行うには、従業員が一般的なオフィスとは異なる環境で働くため、労働時間の管理方法や業務管理方法について確認し、ルールを決めておくことが必要です。また、障害者雇用を行うときには、生活介助や体調管理のための休憩時間、フレックスタイムなどの柔軟な時間管理も配慮できるでしょう。

合わせて、就業規則、就業場所、対象、休憩時間、時間外労働、出勤管理、賃金、費用負担、情報通信機器等の貸与などについても決めておくことができます。

在宅勤務等のテレワークを行う際には、労働時間の適切な管理が重要です。主な勤怠管理としては、次のようなツールを使うことができるでしょう。

【主な勤怠管理のツールと特徴】

電子メール

・使い慣れている
・業務の報告が同時に行える
・担当部署で情報を共有できる

電話

・使い慣れている
・時間がかからない
・コミュニケーションの時間が取れる

勤怠管理ツール

・一度にたくさんの人数を管理しやすい
・担当部署で情報を共有できる

仮想オフィスやグループウェアを活用し常時通信可能

・個別に報告する手間が省ける

仕事環境・IT環境の整備

仕事をする環境としては、勤務時に疲れない机や椅子、仕事に集中できる配置の確保、適切な明るさ、セキュリティの確保(家族から見られない、仕事をするための部屋を準備する、勤務時間中の家族の入室制限など)も整える必要があります。

在宅勤務の実施者は PC のディスプレイを見て仕事をすることが多いので、社員の心身の負担を軽減し、VDT 作業(ディスプレイ、キーボード等により構成されるVDT(Visual Display Terminals)機器を使用して、データの入力・検索・照合等、文章・画像等の作成・編集・修正等、プログラミング、監視等を行う作業)を支障なく行うことができる環境も必要になります。

事業者が検討すべき措置について示している「VDT 作業における労働衛生管理のためのガイドライン(厚生労働省)」などを参考にするとよいでしょう。

VDT 作業における労働衛生管理のためのガイドライン(厚生労働省)
具体的には、事業者は、在宅勤務する社員に、作業面について必要な照度を確保すること、室内の採光や照明は明暗の対照が著しくなく、また、まぶしさを生じさせないこと、換気、温度や湿度の調整などを適切に実施することなどについてアドバイスすることができます。

また、在宅勤務に関わる通信費や情報通信機器などの費用については、通常の勤務とは異なり、在宅勤務を行うほうが負担になることもあります。企業、社員のどちらが負担するのか、また、会社が負担する場合の上限や社員が請求する場合の請求方法などについても定めておく必要があります。

最近では自宅にもインターネットの使用の環境が整っていることが多いですが、個人の使用もできるため、個人と業務の使用を区別することは難しいことです。通信回線はすでに個人が私用に契約していることが多いため、通信回線の利用料を個人負担とするか、または一定額の手当を支払っているケースが多いようです。在宅勤務を行う社員が自宅にインターネット環境が整っていない場合に新たな回線を引いたり、工事費が必要になります。この場合には、この費用を会社で負担するのか、社員が負担するのかを決めておくことも必要になります。

テレワークを成功させるためのポイント

障害のある人が在宅で働くためには、企業や在宅で働く社員が気をつけるべきポイントがいくつかあります。

まず、在宅で働く場合には、上司や同僚がいない環境の中で仕事を進めなければならない環境になるため、意識的にコミュニケーションをとることが必要です。また、健康管理や仕事に対する姿勢などは、企業の働きかけも必要ですが、社員本人が自律的に行動することも大切です、

コミュニケーションを図る

職場で顔を合わせる機会がほとんどないため、社員の帰属意識を保つため、また孤立しないように会社のスケジュール表や行事予定を知らせたり、随時電話、メール、社内イントラネットなどを活用し、会社の情報が得られるようにすることができるでしょう。直属の上司だけでなく、人事担当者や障害者職業生活相談員などの役割を担う人に相談したり、アドバイスを求めるような場も設けられるかもしれません。

また、テレワークを実施している会社の多くは、年に数回全社員を集めて社員総会を開いたりして、事業報告や懇親会を通して多くの社員と接し、情報交換するような場を設けています。

健康管理のセルフコントロールを徹底する

基本的には、健康管理は社員本人が行う必要があります。自己管理ができることは、会社で働く上では最低限必要なことです。しかし、時には体調不良のこともあるでしょう。そのようなときは、早めに休みをとることも大事です。

また、場合によっては、柔軟な就業時間を設定したり、通院などの配慮もできるでしょう。

在宅で働く本人の心構えは大切

在宅で働くためには、企業が配慮することに加えて、在宅で働く本人の心構えが重要です。職場で顔や様子をみることができませんので、健康面に留意し自己管理を心がけること、相手の話す内容を確認するとともに自分の言いたいことをきちんと説明できるコミュニケーション能力を高めることは、必要なことです。

また、合わせて、業績評価や社員教育についても検討しておくとよいでしょう。仕事の成果をどのように図るのか、そして、どのように評価するのか、社内教育や研修制度に関することも決めておきましょう。

まとめ

障害者雇用のテレワークを推進するために整備しておきたい項目やポイントについて見てきました。

直接、同じ職場で仕事をしている中で気づくようなことが、テレワークや在宅勤務ではわかりにくい状況になります。そのため障害者社員も企業側もお互いに意識的にコミュニケーションをとることが必要となってきます。

在宅勤務では、上司や同僚がいない環境の中で仕事を行うため、企業の働きかけも必要ですが、社員本人が自律的に行動することも大切です。仕事に対する姿勢ももちろんですが、健康管理が行えること、自分のことをきちんと説明できるコミュニケーション能力を高めることが求められます。

とはいえ、これらは特別難しいことではありません。会社側もしっかりとテレワークのルールについて明確に示すとともに、社員が自律的に働く姿勢を持っていれば十分にできます。そのためにも導入するときには、整備しておくべき項目やポイントをおさえておきましょう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です