障害者雇用で就労支援機関との連携をとっておくほうがよい理由

障害者雇用で就労支援機関との連携をとっておくほうがよい理由

2021年11月26日 | 企業の障害者雇用

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障害者雇用をどのように進めたらよいかわからないという方や、はじめて障害者雇用に取り組むという方に知っていただきたいのが、就労支援機関という存在です。障害者雇用は、法律で定められたものであり、それを遵守できるように国ではいろいろな施策を講じています。

求人はハローワーク経由で行なうので、わざわざ就労支援機関を活用しなくてもよいという考え方もありますが、就労支援機関では、障害者が定期的に通って訓練を受けていたり、事前に面談などを行っているので、企業が実習や面接で知る以上の情報を持っていることが多いのです。

就労支援機関の役割や連携を取ることのメリットについて、見ていきたいと思います。

就労支援機関の役割

障害者雇用を進めていくときに活用したいのが、障害者雇用に関わる支援機関です。障害者就労支援機関には、いろいろな種類があります。公的な機関として運営されているものもあれば、民間によって運営されているものもあります。また、関わり方も機関によって若干異なります。

ただ、共通しているのは、障害者の一般就労の機会を広げ、安心して働き続けられるために、就労面と生活面の支援を一体的に行うことを目的に活動しているということです。

次のような支援機関があります。

就労移行支援事業所

就労移行支援事業所では、就労を希望する障害者に対し、必要な知識や技術を身に付けるための訓練を行うところです。「障害者総合支援法」に定められた障害福祉サービスのひとつとして位置づけられています。

就職してから半年は定着支援をおこないますが、それ以降の定着支援は、定着支援事業所に引き継がれることになります(最長3年間)。

障害者就業・生活支援センター(なかぽつ)

障害者就業・生活支援センターは、障害の身近な地域において、障害者の就業面と生活面をサポートする一体的な相談・支援を行っています。

就労移行支援事業所や職場定着事業所の定着支援期間が終了したあとや、特別支援学校のフォローが終わった後も、引き続き就労継続のために支援を行なう機関になります。

地域障害者職業センター

全都道府県に配置されているセンターで、障害者に対する専門的なリハビリサービスと事業主への雇用管理に関する相談、援助を行います。最近では、精神障害者の職場復帰となるリワーク支援に力を入れています。

また、障害者職業センターには、配置型ジョブコーチも在籍しており、障害者が職場になじめるような具体的な支援や、障害者を雇用する事業主に対しても教育の場や具体的なノウハウを提供しています。

特別支援学校

特別支援学校高等部を卒業した障害者を対象に、進路指導の教員が職場定着支援をおこないます。地域や学校によってフォローする年限は異なりますが、3年程度行なうところが多いようです。

就労支援機関との連携をとっておくほうがよい3つの理由

障害者対応の役割分担をすることができる

企業にとって、採用した障害者の安定就業・職場定着を実現させることは、障害者雇用を促進する上で大切なことです。しかし、せっかく採用しても定着しないで、離職・退職に至ってしまうことがあります。どうして、このような問題が起こるのでしょうか。

雇用して、仕事に関するマネジメントを行なうことや、企業が雇用している労働者とコミュニケーションの機会を持つことは、企業がおこなうべきことですが、障害者雇用の場合、職場で企業が対応できることばかりではありません。

例えば、身だしなみや清潔感の課題がでてきた、消費者金融から会社に連絡がきた、生活費に困っているようだ、家族関係がうまくいっていないようだ・・・などの問題です。本人が解決できることばかりでないことも多く、家族からの支援も難しいといった状況も出てくることがあります。

企業では、このような個人的なことに介入することが難しいことがあります。しかし、就労支援機関と協力することによって、企業としてできること、福祉などの支援機関としてできることと役割を分けることができます。

障害者採用(求人)に関する情報を得やすい

就労支援機関の中には、訓練を行っていたり、面談などを行って就職希望者の登録を行っているので、働きたい障害者の情報を持っています。

また、就労移行支援事業所や特別支援学校であれば、日々、障害者本人と接していますので、得意なことや苦手なこと、特性やどのような方法だと理解しやすいのかなど、具体的な接し方などを知っています。

そのため、障害者雇用の求人で仕事内容や勤務時間などが決まったら、このような機関に声をかけることで、自社で採用したい障害者に出会える機会を増やすことができます。

問題や課題がおこったときのアドバイスがもらえる

支援機関では、日々、障害者と接していますので、いろいろな問題や課題などにどのように対処したらよいのか、また、問題を大きくしないためにできることなどの知識や情報を持っています。

特に、障害者就業・生活支援センターや地域障害者職業センターには、経験があり、地域の障害者雇用の情報を把握している職員が多くいますので、何かあるときには社内で悩んでいるよりも相談することをおすすめします。

動画の解説はこちらから

まとめ

なぜ、障害者雇用を行なうときに、就労支援機関との連携をとっておくとよいのか、その理由について考えてきました。

長く、安定的に働いてもらうためには、現場でのマネジメントや健康管理、必要な配慮の提供などのサポートが必要となってきます。しかし、場合によっては、企業が対応することが難しい場合もあります。そんな時に活用したいのが、企業と連携して障害者を支えてくれる支援機関です。

採用のときはもちろんですが、職場定着するサポート期間が終了した後の引き継ぎなどもしておくとよいでしょう。しかし、支援機関としても、今までの情報を持っていない障害者の相談を急にされても、一般的な回答しかできません。また、問題や課題が大きくなると、それを解決するまでに時間もかかることになります。

何か問題や課題があった時に、すぐ相談したり、協力を得られるようにするためには、日ごろから情報交換したり、連携や相談できる体制を作っておくことが重要です。特に最近は、障害者雇用を行なう企業が増えており、支援機関でもその対応でかなり忙しくなっていますので、普段からの関係づくりを心がけてください。

参考

【まとめ】障害者雇用の支援機関、どのように企業の採用に活用できるか

障害者採用に活用できる就労移行支援事業所とは?

障害者職業センターと障害者就業・生活支援センターの違いとは?

2018年からスタートした就労定着支援サービスとは?

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