【電子書籍】障害者枠で働きたい人が知っておくべき就活の基本

平成30年度にハローワークに新規で求職の申込みをした障害者の数は21万1,271件、ハローワークを通じた障害者の就職件数は10万2,318件に上り、過去最高となりました。就職率(就職件数/新規求職申込件数)も48.4%と10年連続で上昇しています。

一方で、障害者雇用は進んでいるものの、離職も増えています。例えば、行政機関による障害者雇用の水増しは18年8月に発覚し、採用は順調に進んだように見えました。実際に、各官公庁には、18年10月から19年6月までに計3444人を採用しています。しかし、職場環境になじめなかったり、体調が悪化したりするなどの理由で既に161人が離職しました。

この原因は何でしょうか。個々に合った仕事が割り振られていないということもあるでしょうし、職場で上司や同僚に悩みなどを相談しやすい環境が原因かもしれません。

しかし、企業や行政などの職場のせいにしていても何も始まりません。障害者当事者からも職場で働きやすくなるために自分でできることをおこなう必要があるのです。どんなことをしなければ行けないのかをわかりやすくまとめました。

障害者雇用アドバイザーが教える障害者枠で働きたい人が知っておくべき就活の基本

本書を執筆した理由

障害者雇用は、一般の雇用とは違う、何か特別のことと思っている管理部や人事担当者の方にお会いすることがあります。

しかし、障害者雇用や特別支援教育に十数年携わってきた私から見ると、障害者雇用も一般の雇用もほとんど大きな差はないと感じています。必要なのは、どのように組織をマネジメントできるのか、人材を活かすことができるのか、ちょっとした配慮やコミュニケーションができるかどうかです。

それでも、障害者雇用をおこなう上で知っておいたほうがよいこともありますし、ちょっとしたコツのようなものもあります。私は、障害者雇用に携わる人事担当者の人へ伝えたいと思っていることをWEBサイトのホームページで情報発信しています。

情報発信をしている中で、もちろん障害者雇用に携わっている企業の方たちにも読んでいただいていることはわかったのですが、それとともに障害者枠で働こうと思っている障害者の当事者の方たちからも見ていただいていることがわかりました。そして、なぜかコメントをいただく方は、障害当事者の方が多かったりします。

悩みの多くは職場の理解がないこと

その多くは、障害者雇用で働いているのに職場でなかなか理解してもらえない、人間関係がうまくいっていないという内容のものです。私は、当事者の方からの情報だけしか入ってこないので、それらに対する答えは持ち合わせていませんが、一つ感じていることがあります。

それは、障害者枠で働こうと感じている多くの人が、障害者雇用で働くことに対して企業に対して過大な期待や配慮をしていることが多いということです。そこで、企業の障害者雇用の現場を数多くみてきた経験から現実についてお伝えしておいたほうがよいと感じたことをまとめました。

障害者枠で働くということは、もちろん企業に配慮を示してもらう権利はあるものの、関わっているのは人間同士です。お互いが受け入れやすくするために、お互いの状況を知ることは助けになるのではないかと感じています。

また、企業では合理的配慮を示すことが求められていますが、その合理的配慮は、まず障害者から発信する必要があります。ただ、障害者だから特別にしてほしいと主張するだけでは、周囲の理解や協力は得られにくいでしょう。

お互いが気持ちよく働けるためにどうしたらよいのか、どのように伝えればよいのかのヒントを伝える必要があると感じています。

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障害者枠で働きたい人が知っておくべき就活の基本の内容

【もくじ】
第1章 就職活動をするにあたって知っておくべき基礎基本
障害者雇用と一般雇用の違い
障害者雇用の状況
日本における障害者雇用の経緯
精神障害者の雇用が増えている理由

第2章 企業の障害者雇用の現場からみた現実
企業の担当者も障害者雇用に戸惑っている
「障害者雇用をしている会社は障害者に理解がある」は間違い
なぜ、障害者枠で雇用されているのに理解がないのか
「障害者だから配慮してほしい」では、真意は伝わらない

第3章 知っておきたい合理的配慮
企業に求められている合理的配慮とは
合理的配慮を受けるために必要なこと
障害に対する理解はコミュニケーションから始まる

第4章 安定的な就労を続けるために
企業は支援機関とのつながりを重視している
あなたに合う職場を見つける
会社の評価を受けとめる

おわりに

【著者プロフィール】
障害者雇用アドバイザー 松井優子

大学卒業後、民間の教育機関にて、知的障害、発達障害者の教育・就職支援に携わる。送り出した学生たちが就職してもしばらくすると戻ってきてしまう現実を見て、企業の受け入れ体制や障害者理解の必要性を実感する。

その後、特例子会社1社の勤務を経て、特例子会社の設立に関わる。ゼロからのスタートで、社内の理解促進、業務の切り出し、障害者やスタッフの採用・人材育成、職場定着、新規事業など、多岐にわたる業務を経験する。特別支援教育の研究所の主任研究員を経て、現在、障害者雇用ドットコムを運営。

障害者雇用を送り出す側、受け入れる側、また研究者として関わった経験を活かし、障害者雇用や障害者雇用を視野に入れた新規事業開発や人材育成、組織活性化のコンサルティング及び研修講師を務める。研修企画・講師の実績多数。

その他の活動としては、聖学院大学人間福祉学部非常勤講師(平成29年度)や東京情報大学看護学部非常勤講師(平成30年~)、公益財団法人東京しごと財団「障害者雇用実務講座」の実践演習コース研修講師(平成25年度~平成30年度)、横浜市障害者就労推進委員(平成27年度)などがある。

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