【中小企業】働きやすい会社を目指したら、障害者にも働きやすい職場に

【中小企業の障害者雇用】社員が働きやすい会社を目指したら、障害者にも働きやすい職場ができていた

2021年04月1日 | 障害者雇用に関する法律・制度

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中小企業では、障害者雇用に取り組むことが難しいと言われることがあります。実際に障害者の雇用状況の結果を見ても、大企業に比べると障害者雇用が進んでいない中小企業が多いことがわかります。

しかし、そんな中で、静岡県藤枝市にある株式会社共立アイコム(事業内容:印刷、WEB事業、動画、イベントの企画立案、コンサルなど)では、障害者雇用率が5.15%を達成し、障害者の社員の方は、フルタイムで就労、写真の画像処理や切り抜き業務、Macでのデザイン作成やWebサイト構築、工場での仕上加工業務と、幅広い業務で活躍しています。

中小企業の障害者雇用がなかなか進まないと言われる中で、どのような取り組みをされているのかを執行役員人事部長の鈴木聖子様にお話をお聞きしました。

株式会社共立アイコム 

事業内容:情報価値創造業(印刷、WEB事業、動画、イベントの企画立案、コンサルティング等)

従業員145名、障害のある方 6人(身体、知的、精神)

【障害者雇用の取り組み】
・障がい者雇用の推進で知事褒賞(令和1年9月9日、静岡県より、障がい者の雇用を推進し、活躍の場を広げている事業所の一つとして、知事褒賞を授与)
・静岡県障害者就労応援団登録証(平成26年6月)
・第9回「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞(主催 人を大切にする経営学会、「日本でいちばん大切にしたい会社」)にて審査委員会特別賞を受賞

会社概要

Q:共立アイコムさんの事業内容をお聞かせください。

A:創業から68年を迎えた印刷、情報サービスの会社になります。もともとは、The印刷会社で印刷がメインでしたが、時代の流れとともに、紙媒体だけではなく、さまざまな媒体がWEBやSNSなどに変わってきている中で脱印刷業に取り組み、今は、情報価値創造業として活動しています。

印刷の工場もあるので印刷も大きな柱となっていますが、プラスして、WEB事業、動画、イベントの企画立案、コンサルなど、幅広い分野で情報に価値を与えるということを切り口に事業展開をしています。また、事業内容に合わせたものにするために、社名も2011年に共立印刷から、共立アイコムに社名変更しています。

現在の障害者雇用は5.15%、仕事は適材適所で考える

Q:現在の障害者雇用状況について、お聞かせください。

A:現在の障害者雇用は、5.15%です。ただ、雇用率は高いのですが、障害者雇用をすごく意識して行っているわけではありません。

私が入社したときにも、既に聴覚の障害の社員が働いていました。社内では、障害者雇用に対するハードルのようなものは感じたことがなく、他の社員も同じように、障害者雇用に対して、それほど特別なことをしているという印象はなかったと思います。

現在、障害者の社員は6人いますが、そのうちの2人は中途で、働いている中で障害者手帳を取得しています。障害者の方を積極的に受け入れてきたというよりは、たまたま募集したときや、話をいただいたときに、この人だったら合うかなという感じで、適材適所で一人ずつ増えていった感じです。

Q:障害者社員の方は、どのような仕事をされていらっしゃるのでしょうか。

A:私が入社したときにすでにいた社員は、印刷会社なので写真をスキャンしてデータの切り抜きをしています。聴覚の障害がありますが、一人で作業できるものも多く黙々とやっています。また、細かな指示が必要な時は筆談で打合せをしています。実は、定年になったのですが、再雇用という形で、今も活躍してくれています。

社内には、いろんな仕事があるので、障害者だけを集めて仕事をしているというよりも、各部署、バラバラに配置して、適材適所の部署で仕事をしてもらっています。他の社員は、WEBシステムのシステムエンジニアや、データ管理や加工、デザイナー職、印刷工場の製造最終工程の仕上げなど、さまざまな部門で働いています。

ある社員は、精神障害がありますが、専門性もあって、環境が整えば、障害があることを周囲の人が忘れてしまうくらいです。働く環境の影響も大きいのではないかと感じています。

(障害者雇用の推進で知事褒賞を受賞されていますが、受賞理由の1つとして、全員がフルタイムで就労、写真の画僧処理や切り抜き業務、Macでのデザイン作成やWebサイト構築、工場での仕上加工業務と、幅広い業務で活躍していることが上げられています。)

社員の働きやすさが、障害者社員の働きやすさにつながっている

Q:社員の方の働きやすさに取り組まれてきたとお聞きしましたが、どのようなことを意識されてこられたのでしょうか。

A:印刷業は、あまり人気がある業種、職種ではないこともあり、人の雇用については、募集しても採用が厳しい状況もあったので、働きやすい職場を作ることには意識して取り組んできました。

また、社長自らが、働きやすい職場づくりを大切にしていて、社長自身がやりたいと思わないことは社員にもさせたくないという考えをもっています。例えば、夜勤や、無理な姿勢で作業するようなことなどをなくすことをしてきました。夜勤は、家族にも巻き込んで、影響がでますし、無理な姿勢で作業すると体にも影響がでるので、機械を導入したり、作業のしやすさなどを考えて、取り入れています。

加えて、仕事の見える化、作業を習得しやすいように動画で学べるようにすること、目標を設定するときに、大きな目標ではなく、小さなストレッチ目標を立てたり、業務習熟表など、1つ1つ目標を立ててクリアしていくことなどをしています。

これらは、障害者雇用のためというよりも、社員の誰にとっても仕事がしやすいようにおこなってきたことですが、これらの全社共通の取り組みは、結果的に障害者の社員にとっても働きやすくなっていることにつながっています。

Q:社員の方の働きやすさが、障害者社員の方の仕事をしやすい環境に貢献しているんですね。障害者の社員の方に対して、特に意識されてきたことはありますか。

A:全社的に、業務を効率化しましょうとか、仕事を見える化する、みんなで情報共有するというのは、仕事のしやすさや、働きがいにも影響していると思いますが、そういう取り組みを普段からしているので、特に障害者社員に対する配慮という意味で意識していることは少ないかもしれません。

私は、職場の環境や人間関係が良ければ、そんなに心配することはないのではと、感じています。一緒に仕事をする仲間としての気遣いとかが日々できていれば、時には、何か問題がでてきたり、何か落ち込んでいるような状況にあったときにも、それはそれで、精神の人の特性として受けとめて、その大きな揺れを起こさないようにするなどの配慮はしますが、そんなに特別なことではないと思います。

社内全体がそういう雰囲気なので、現場の方でも、一緒にお昼を食べたりしてコミュニケーションをはかるとか、苦手なことに関しては無理にやってもらうのではなく他の人が手伝うということは、自然におこなっています。

電話に出るときには「緊張してしまって、一度に2つのことができない」と言われれば、「それはこちらでやるよ」いうように、部署の中で対応しています。会社全体が働きやすいことを意識しているので、そういう配慮に対しても、社員が、すごく頑張ってやっているというよりも、自然にしている感じですね。

採用では、理念共有を重視

Q:本当に社員の方の働きやすさや、仕事をしやすい環境をつくるということに、積極的に取り組まれているんですね。採用はどのようにおこなわれていますか。

A:採用は、主にハローワーク、ハローワーク主催の合同面接会を活用することが多いです。精神の方の採用もおこなってきましたが、入社までにアルバイト期間を設定して、最初の何ヶ月間かは短時間勤務にするなどの配慮をしています。

また、特別支援学校からの新卒の採用も行っています。特別支援学校からの採用は、職場実習をおこなって入社してもらっています。

新入社員研修では、他の社員と一緒に研修を受けてもらいました。知的障害があるので、もちろんところどころで範囲を限定したり、フォローはしますが、同期同士のつながりもでき、楽しそうにしていました。

最近は、募集はかけていなくてもハローワークや障害者支援の関係者から、こんな人がいるんですけれどというような問い合わせをいただくことも増えています。

Q:今後も採用は増やしていかれる予定はありますか。

A:最近は、会社全体の方針として、中途の採用よりも新卒の採用に力を入れているので、最初から人材を育成していくことをしていきたいと思っていますが、障害のある無しというよりも経験やスキル、経験がマッチする人材であれば、中途も採用していくかもしれません。

採用では、理念共有型採用を取り入れています。うちの会社で大切にしたいことに共感してくれる人であれば、同じ方向を見て動いていけると思っているので、理念共有を大事にしています。当社では、共立フィロソフィー手帳というのがあって、朝礼のときにその手帳の読み合わせを習慣化しています。

社内の理念共有の場は、朝礼と朝礼プレゼン

Q:朝礼で理念共有をはかられているんですね。どのように朝礼をされていらっしゃるんですか。

A:朝礼は、週に1回10~15分くらいの時間でおこないます。朝礼当番の社員が、フィロソフィー手帳の好きなところを読んで感想をいいます。その後、社長からの話があって、その後、「ほめシール制度」というものをしています。

「ほめシール制度」は、1週間の仕事をする中で、社員の誰に対してでもいいのですが、ある行為に対して「ありがとう」を伝えるものです。各社員が表に記入していき、翌週の朝礼で社長が読み上げる仕組みになっています。

例えば、「採用イベントに、他の部署の○○さんがこんな形で手伝ってくれました」というような感じです。これが社内に根付いています。社内では他の拠点や部署といろんな仕事をしているので、誰がどんなことをしているのかについては、なかなか分かりずらいですが、そのほめシール制度を通して、「あっ、そんなことをやっているんだ」とか、「この人、すごいね」とか「大変だったね」いうのがわかるようになっているんです。

以前は、部門長やグループリーダーなどの管理職が上げるものでしたが、今は社員誰もが上げられるようになっています。他の人の仕事が見えてくると、声もかけやすいですし、他の人を気遣うことにも役立っていると思います。

また、ドライブで共有できるようになっているので、聴覚に障害のある社員や、朝礼に参加できない社員でも確認することができます。朝礼の時間は、「ほめシール制度」の量によって変わってくるんです。

Q:社員の方たちがコミュニケーションを取りやすくなる、とてもいい取り組みですね。他にも社内の理念共有を意識された取り組みがありますか。

A:隔週くらいの頻度で、朝礼プレゼンをしています。これは全社に知っておいてほしいと思う内容や取り組みを担当者からプレゼンしてもらうというものです。社員全体の前で発表する機会がない社員も多いので、資料を作成したり、話す機会を作ることも意図しています。

私は執行役員をしているので、社内の情報は入ってくる立場にいますが、それでも社内の中でそんな取り組みがされているんだって、気づくことも多いんです。朝礼の「ほめシール制度」でもっと聞きたいと思うことを、朝礼プレゼンで発表してもらうようにしています。社内で共有したほうがよいものについては、積極的に見つけて、情報発信することを心がけています。

Q:今までのお話を聞いていると、さまざまな取組は会社全体、社員全体の働きやすさを考えられて行なわれて、その結果、障害者の方にも働きやすくなっているということでしょうか。

A:そうですね。理念共有や、仕事のしやすさは、意識して取り組んでいます。また、見える化や情報の共有をしており、皆自分のパソコンから必要な情報を見れる状況にしており、どのように活用するのかについては、各部やチームのリーダーが工夫しています。

今は、コロナで、拠点を超えてのリアルの打ち合わせは少なくなりましたが、本社が2年半前にリノベーションをしたときに、仕事をするフロアは、壁をなくして、ワンフロアーの作りにしました。何か相談したいなと思ったときに、部署のメンバーだけでなく、となりの島には、他の部署があるので、部署を超えた打ち合わせやアイデアが生まれやすい環境ができました。

コロナ禍で、テレワークが進化

Q:テレワークにも取り組まれていらっしゃるんですか。

A:東京の拠点のメンバーだけでなく、どこの事業所でも普通に取り入れています。

テレワークは、もともとあまり採用がうまくできていなかったときに、主婦や、結婚して子どもができた人向けに取り組んできた経緯があります。せっかく専門の知識や能力があるのに、子どもが小さいから、時間の制約があるからと活かせないのはもったいないということで、育児休暇の制度と、テレワークの制度に取り組んできていました。そのため、コロナ時にも対応できています。

コロナ前は、育児、介護で必要な社員のためと限定的なものでしたが、コロナになって、限定的だと使い勝手も悪いし、もっと使いやすいようにと手を入れました。会社にいなくても仕事に支障がなければ、場所にこだわらない働き方ができるようにしています。工場で機械を動かす仕事はできませんが、それ以外の部分については、ほぼテレワークできると考えています。

Q:テレワークでも、朝礼は継続的にされているんですか。テレワークになって、会社の帰属意識が薄れてきているのではないかと言われていることの影響は、あまり感じられていないということでしょうか。

A:はい、そうですね。テレワークでも、もちろん成果は求められますし、何をやっているのかがわからないと仕事ができなくなりますので、部門長や各グループのリーダーが意識して行っていることも大きいと思います。

また、もともと社員の中には、契約社員やアルバイトもいます。勤務時間が短い人たちは、朝礼がオンタイムで参加できないので、他の時間でも朝礼が見れるようにしてあり、情報が共有できるような仕組みが取れていますので、テレワーク下でも影響は感じていません。

Q:普段から取り組んでこられた働きやすさや、見える化によって、非常時でもスムーズにテレワークに移行できたという感じでしょうか。

A:はい、むしろコロナで加速した感じですね。今までは、そうはいっても、やはり集まってということも多かったのですが、コロナになってからは、ムダなことはやめよう、会社に来なくてもできる体制を作ろうという意識が強くなっています。もともとできるベースはあったものの、会社の中でさらに効率化も含めて進んでいったように感じます。

障害者だから・・・のイメージを外すと新たな可能性が見えてくる

Q:最後に、仕事の切り出しが難しいと感じている中小企業の方にアドバイスがあればお願いいたします。

A:特別支援学校の先生が来られたときに、「この仕事は(障害者の方にも)できます」とか、「この部分を違った形で切り替えることによってできます」と言われたことがありました。そのときに、「障害者の人には、この仕事は難しいよね」と、勝手にイメージを作っていたことがあるかもしれないと感じることがありました。

そのようなイメージを外したほうが(仕事を見つける上でも)いいと思うので、雇用率が達成できていないのであれば、特別支援学校などに積極的にコンタクトをとって、自分の会社の仕事を見てもらって、アドバイスもらうのも1つの方法としていいと思います。担当者の感覚で思い込んでいた部分や制限をかけていたりすることもあるかもしれません。

まとめ

共立アイコムさんの障害者雇用についてお聞かせいただきました。

障害者の配慮に取り組んだら、一般の社員も働きやすくなったという話を耳にすることはありましたが、その逆で、すでに取り組んでいることが、障害者も含めた社員の方が働きやすい職場になっているという話はあまり聞いたことがなかったので、とても興味深くお話を聞かせていただきました。

障害者雇用のためというよりも、社員誰にとっても仕事がしやすいようにおこなってきたことが、結果的に、障害者の社員にとっても働きやすくなっていることにつながっているということを実践されている事例は、多くの企業にとって参考になると思います。また、働きやすさを考えながら取り組んでいたテレワークが、今回のコロナを通して、さらに進化していることをお聞きすることができました。

業務の切り出しが難しいと感じるのであれば、外部の意見を参考にしながら業務を見直してみると、新たな可能性が見えてくるかもしれません。

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