企業在籍型職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修とは、企業在籍型職場適応援助者を養成するため、職場適応援助者(ジョブコーチ)に必要となる専門的知識及び支援技術を修得するための研修のことです。
ここでは、企業在籍型職場適応援助者の養成研修の受講資格や内容などについて説明していきます。
企業在籍型職場適応援助者養成研修の対象者
企業在籍型職場適応援助者養成研修の対象者は次のような人たちとなります。
・障害者を雇用している又は雇用しようとしている事業主に雇用されている。
・助成金を活用した企業在籍型職場適応援助を予定している。
・障害者の雇用管理等に関する業務を担当している、または担当する予定がある。
・障害者の雇用管理等をより効果的に行うために研修受講が必要である。
企業在籍型職場適応援助者助成金の受給資格認定申請には、事前に企業在籍型職場適応援助者養成研修を修了していることが必要です。
障害者雇用の助成金、企業在籍型職場適応援助者助成金とは
対象労働者は、身体、知的、精神、発達障害、難治性疾患、高次脳機能障害、地域センターが作成する職業リハビリテーション計画において、職場適応援助者による支援が必要であると認められた障害者です。このような障害者の方が、職場適応するために受給できる助成金です。支援内容については、高齢・障害・求職者雇用支援機構地域障害者職業センターが必要と認められることが求められます。
対象労働者の職場適応を図るための支援計画(最長6か月)に基づいて、以下のような支援を行ったサポートに対して助成金が支払われます。
・対象労働者および家族に対する支援
・事業所内の職場適応体制の確立に向けた調整
・関係機関との調整
・その他の支援(地域センターが特に必要と認めて支援計画に含めた支援)
企業在籍型職場適応援助者養成研修の日程
年に数回開催され、集合研修は千葉(幕張)と大阪で、実技研修は各地域の職業センターが設定した場所で行われます。
日程などの詳細については、独立行政法人高齢・障害・求職者支援機構のホームページから確認ください。
企業在籍型職場適応援助者養成研修の内容
企業在籍型職場適応援助者養成研修は、集合研修と実技研修の2つのパートから構成されています。
企業在籍型職場適応援助者養成研修の集合研修
集合研修は、東日本、西日本にわかれて受講者が集まり、職業リハビリテーションの理論や職場適応援助者の役割についての講義、作業指導の演習などが行われます。集合研修では、次のようなことを学びます。
・職業リハビリテーションの理念
・就労支援のプロセス
・企業在籍型職場適応援助者の役割
・障害特性と職業的課題Ⅰ(知的障害・発達障害
・障害特性と職業的課題Ⅱ(精神障害)
・障害特性と職業的課題Ⅲ(身体障害・高次脳機能障害・難病)
・労働関係法規の概要
・課題分析の理論
・作業指導の実際Ⅰ
・職場における雇用管理の実際【企業在籍型】
・事業所内における調整
・障害者福祉と就労支援
・ケースマネージメントと職場定着のための生活・家族支援
・支援記録の作成Ⅰ
・ケースから学ぶジョブコーチ支援の実際Ⅰ
企業在籍型職場適応援助者養成研修の実技研修
実技研修は、それぞれの地域において、各地域障害者職業センターが行う研修です。企業での実習やケーススタディなど、地域の実情に沿った内容になっています。実技研修では、次のようなことを学びます。
・地域における関係機関の役割とネットワークの活用
・アセスメントの視点と支援計画に関する理解
・作業指導の実際Ⅱ
・事業所における職場適応援助者の支援の実際
・支援記録の作成Ⅱ
・ケースから学ぶジョブコーチ支援の実際Ⅱ
企業在籍型職場適応援助者養成研修の申込方法
「企業在籍型職場適応援助者養成研修受講申請書」に必要事項を記入し、申請受付期間内に、事業所の責任者から、受講希望者の所属部署が所在する都道府県の地域障害者職業センターあてへ郵送で申込みます。
なお、受講決定の通知は、申請受付期間終了後、地域障害者職業センターが受講要件及び受講の優先順位を確認し、職業リハビリテーション部長又は大阪障害者職業センター所長あてに申請書を送付し、そのあと、受講申込のあった各事業所の長あてへ通知されます。通知は、研修初日のおおよそ5週間前に行われるようです。実技研修の日程については、地域障害者職業センターから通知されます。
企業在籍型職場適応援助者養成研修の受講料
養成研修の受講料は無料です。会場までの交通費や研修期間中の宿泊費等は、受講者負担となります。
企業在籍型職場適応援助者養成研修に関するよくある質問
訪問型職場適応援助者養成研修と企業在籍型職場適応援助者養成研修の違いはどのような点か
訪問型職場適応援助者養成研修と企業在籍型職場適応援助者養成研修の違いは、受講者がどこに所属しているのかにより異なります。それは、同じ職場適応援助者であっても、支援する障害者との接する立場が異なるからです。
訪問型職場適応援助者は福祉機関等の職員は、援助を必要とする障害者(所属する施設の利用者を含む)の就職や就職後の定着ができるよう、それぞれの企業に訪問して支援することを目的としています。一方、企業在籍型職場適応援助者は自分の所属する企業や団体の従業員である障害者の定着を支援します。そのため訪問型職場適応援助者養成研修と企業在籍型職場適応援助者養成研修では受講要件も異なります。
申し込んだら必ず、受講できるのか
実技研修は、障害者が雇用されている企業の見学や作業指導を体験するなど、少人数の実習を中心としたカリキュラムで構成されています。そのため、実技研修が適切に実施できる人数の範囲を超えた場合は、「受講の優先順位」に基づいて受講が決定されます。受講要件に該当しない場合や書類に不備がある場合、定員を超えた場合などは、受講できないことがあります。
企業在籍型職場適応援助者養成研修の他にも専門的なことを学べる研修はあるか
企業在籍型職場適応援助者養成研修修了者で、ジョブコーチとしての支援スキルの向上を目指す人を対象に、職場適応援助者支援スキル向上研修が年に4回開催されています。
精神・発達障害者のアセスメントや支援方法、意見交換、ケーススタディ等について、経験のあるジョブコーチ同士で意見交換を行ったりすることで、ジョブコーチの実践力を高める機会になります。
動画の解説はこちらから
参考
企業在籍型職場適応援助者(ジョブコーチ)養成研修(独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構)
職場におけるジョブコーチ(職場適応援助者)に関する助成金について
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