知的障害者がワインづくりをするココ・ファームとは

知的障害者がワインづくりをするココ・ファームとは

2018年11月13日 | 障害関連の情報

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足利市にココ・ファームというワイナリーがあります。ここは、山の斜面が平均38度と、とても急なところで葡萄が栽培され、その葡萄でワインを作っています。ここのワインは、九州・沖縄サミットや北海道洞爺湖サミットでも、使われとても有名になりました。また、同時にこのワインを知的障害者が作っていることでも有名です。

ここでは、なぜココ・ファームが作られたのか、その経緯や11月の第3週の週末に開催される収穫祭について説明していきます。

サミットでも使用されたワイン

ココ・ファームのワインが注目されるようになったのは、2000年に開催された九州・沖縄サミットの晩さん会です。スパークリングワインが食前酒として使われたことで一躍有名になりました。その後も、2008年北海道洞爺湖サミット、2016年G7広島外相会合で使われています。

また、JALのファーストクラスで採用されてもいます。サミットやファーストクラスで使用されるワインということからも、ココ・ファームで作られているワインの質が一流であることがわかります。

そして、このワインの製造を担っているのは、知的障害者です。栃木県足利市には、「こころみ学園」と「ココ・ファーム・ワイナリー」があり、知的な障害を持つ人たちの自立を目的として葡萄畑が作られてきた歴史があります。

ココ・ファームの歴史

地元の公立中で知的障害のある生徒を受け持っていた教員の川田昇先生が、1958年(昭和38年)に「生徒たちがイキイキと活躍できる環境を作れないものか」と考え、「障害を持つ人が活躍しにくい社会環境」に対する「挑戦(こころみ)」がスタートしました。

はじめは2年かけて、知的障害の子供たちが中心となり、3ヘクタールを開墾しました。農作業をしていくうちに、生徒たちの体も、徐々にたくましくなっていったそうです。急斜面の葡萄畑は、スキーのジャンプ台と同じ位の斜面になります。

この急斜面は、日当たり、水はけが良い点では葡萄栽培には向いている反面、農機や重機などの機械を入れることができないため、人手をつかって畑作りや栽培の作業が行われてきました。また、園生も頑張りましたが、川田先生と職員の方たちも作業小屋で生活しながら、国、県、市の補助を受けずに、自分たちで生活と仕事を作ってきました。

栽培したブドウに付加価値をつけるためにワインづくりを検討しますが、福祉施設での酒造は許可されていませんでした。そこで、別会社の設立計画を進めていきます。

1980年(昭和55年)にこころみ学園の考えに賛同する保護者たちの出資により有限会社「ココ・ファーム・ワイナリー」を設立し、1984年(昭和59年)に酒造許可が下り、ワインづくりを開始します。その後も、アメリカからワインづくりで有名なブルース氏を招いたりと様々な取り組みをしてきました。

知的障害が活躍するための場作り

ココ・ファーム・ワイナリーの東の急斜面の葡萄畑は、知的障害者の園生と川田先生、川田先生に賛同する仲間によって開墾されました。この葡萄畑は平均斜度38度という急斜面にあります。どうしてこんな山奥の急斜面に葡萄畑を開墾したのかというと、資金面から開墾しやすい平らな土地を手に入れることができなかったからです。

しかし、この葡萄畑は、南西向きで陽あたりがよく、急斜面のため水はけがよくて、葡萄を育てるのには良い条件となっていました。また、この急斜面は葡萄を育てるのにも適していましたが、ここで働く知的障害者にもよい影響を与えたようです。それまで、障害があるということで必要以上に過保護にされて、なにか役割をもつということをすることもなかった知的障害のある子どもたちの心身を鍛える大切な役割を果たしてきたからです。

葡萄畑の南側から草刈りをして、葡萄畑の北側が刈り終わる頃には、また南側の草が茂っています。また南側から草を刈りだして、葡萄畑の北側が刈り終わる頃には、また南側の草が茂ってきます。繰り返しの作業を真面目にコツコツといとわずにやってきた子どもたちのおかげで、この葡萄畑は開墾以来60年間、除草剤を撒いたことがないそうです。

除草剤を撒かない葡萄畑には、いろいろな草花が茂り、その草花にはたくさんの虫が集まってきます。たくさんの虫が集まってくると、その虫を求めてたくさんの鳥たちがやってきます。そうするとその鳥を追い払うために、朝から晩までカンをたたくという仕事がうまれます。このような草刈りをはじめ、葡萄を育てていくためのいろいろな仕事が生まれて、その役割を担う園生たちが活躍してきました。

ワインづくりでも彼らの能力が活かされています。ワインは澱を出すために決まった時間に決まった角度で回すと、おいしいワインができるそうです。自閉症の時間や細かなことにこだわりのある園生がこの役割を果たしています。彼らの几帳面さが活かされておいしいワインを生み出しています。

60年間の歴史は長く、その取組には、園生たちが活躍することの場作りが大きな基盤となっています。そして、そのプロセスの中には、ワインへの品質のこだわり、社会的な意義、関わってきた方たちの深い思いがあることがわかります。

障害者雇用は、企業という組織の中で行なうため、ココ・ファームのように新たに仕事を作ることは難しいかもしれません。しかし、業務プロセスを見直すことや、今あるやり方を変えることでも新たに活躍の場を作ることは十分可能です。

ココ・ファームのイベント

収穫祭(HARVEST FESTIVAL)

ココ・ファーム・ワイナリーでは、毎年11月に収穫祭が行われています。とても人気のフェスで、毎年数万人が訪れる人気のお祭りとなっています。収穫祭当日は、できたてワインの他、スパークリングワインからデザートワインまで各種ワインを楽しむことができます。

開催日

11月の第3日曜日とその前日の土曜日

場所

ココ・ファーム・ワイナリー 足利市田島町 

【電車】
・JR両毛線「足利駅」下車 タクシーで約18分
・東武伊勢崎線「足利市駅」下車 タクシーで約20分
【バス】
・あしバスアッシー行道線で「ココ・ファーム入口」下車 徒歩で約7分
【車】
・北関東自動車道「足利インターチェンジ」下車 約10分

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