職場で新型コロナ感染者がでたときに会社はどのように対応すべきなのか

2020年04月12日 | 障害関連の情報

新型コロナウイルスの感染者が日々、増えてきています。今までは予防やテレワークなどの働き方について考えていく必要がありましたが、今後は職場で新型コロナ感染者がでた場合の対応も増えてきそうです。

実際に職場で新型コロナウイルス感染者がいた場合に、どのような対処が必要になるのでしょうか。情報をまとめました。

新型コロナウイルス感染者および濃厚接触者への対応

感染者や濃厚接触者が発生した場合には、保健所もしくは医療機関の指示に従うことが原則となりますが、保健所や医療機関からの具体的な指示が得られにくい状況になるため、会社が独自に対応手順を予め定めておくとよいでしょう。

社員が感染した場合

社員が感染した場合には、次のような対応が必要になります。

・感染が確認された社員は、医療機関の指示に従い一定期間の入院治療が必要になる。
・退院時には他人への感染性は極めて低いものの、退院後に新型コロナウイルスが再度陽性となる場合があるので、退院後少なくても 4 週間は一般的な衛生対策に加え健康観察が求められる。
・主治医からアドバイスを受けたうえで、退院後 1 週間程度は自宅療養を行い、飛沫感染を予防するためにマスク着用を義務付け、体調を確認しながら復帰させること。 復帰する社員が医療機関に「陰性証明や治癒証明」を求めたり、復帰する社員に「陰性証明や 治癒証明」の提出を指示してはいけない。診療に過剰な負担がかかり、医療機能が低下することを 避けなければならない。
・社員に対して自宅待機などを命じる場合には、感染症法、労働基準法、労働安全衛生法や 就業規則等に基づいた対応を行うこと。

 

出典:新型コロナウイルス情報 企業と個人に求められる対策(日本渡航医学会 産業保健委員会、日本産業衛生学会 海外勤務健康管理研究会)

社員が濃厚接触者となった場合

社員が濃厚接触者となった場合には、次のような対応が必要になります。

・保健所が実施する積極的疫学調査により、社員が濃厚接触者と判断された場合は、保健所の指示に従い感染防止の措置を講じること。保健所からは 14 日間の健康観察が求められる。
・ 保健所の指示に加えて、会社が独自に濃厚接触者対して自宅待機などを命じる場合には、感染症法、労働基準法、労働安全衛生法や就業規則等に基づいた対応を行うこと。

・濃厚接触者と判断されるケースは、次のようなケースがある。

ケース1

社員 A は 2/7 より発熱を認め 2/10 に新型コロナウイルス感染症と診断された。
社員 B は翌日 2/8 に社員 A と二人きりで 1 時間の打ち合わせを行った。
その際の両者の距離は 1.5m 程度であった。
社員 B を濃厚接触者と判断される可能性が高い。

ケース2

社員 C は 2/15 勤務中に具合が悪くなり、社員 D に付き添われて同日夕方に医療機関を受診した。
翌日 2/16 に検査結果が出て、新型コロナウイルス感染症と診断され入院となった。
付き添いの際に社員 D はマスクを着用していなかった。
社員 D を濃厚接触者と判断される可能性が高い。

 

出典:新型コロナウイルス情報 企業と個人に求められる対策(日本渡航医学会 産業保健委員会、日本産業衛生学会 海外勤務健康管理研究会)

なお、新型コロナウイルス感染者および濃厚接触者への対応に関する情報の参照元【新型コロナウイルス情報 企業と個人に求められる対策】(日本渡航医学会 産業保健委員会、日本産業衛生学会 海外勤務健康管理研究会)の作成は、3月31日となっており、緊急事態宣言の出される前の状況のものとなっています。

職場の感染予防

一般的な環境の消毒

職場の消毒は、次のことが推奨されています。

・ドアノブ、階段の手すり、エレベーターの操作盤などを定期的に消毒(清拭)する。
・アルコール消毒液(70%〜80%)もしくは次亜塩素酸ナトリウム(0.05%)を用いる。
・消毒の際は適切な個人保護具(マスク、手袋等)を用いること。

 

出典:新型コロナウイルス情報 企業と個人に求められる対策(日本渡航医学会 産業保健委員会、日本産業衛生学会 海外勤務健康管理研究会)



発熱者が発生した場合

発熱者が発生した場合は、次のことが推奨されています。

・(発熱の原因を問わず)発熱者の執務エリア(机・椅子など)の消毒(清拭)を行う。
・消毒範囲の目安は、発熱者の執務エリアの半径 2m程度、トイレ等の使用があった場合は該当エリアの消毒を行う。

 

出典:新型コロナウイルス情報 企業と個人に求められる対策(日本渡航医学会 産業保健委員会、日本産業衛生学会 海外勤務健康管理研究会)

濃厚感染者が職場に出た場合

新型コロナの感染者が見つかると、保健所は行動履歴などから濃厚接触者が特定されます。そして、濃厚接触者がいる会社は、都道府県や保健所などから通知を受けます。濃厚接触者は14日間の健康観察が求められ、感染症法や労働安全衛生法によって自宅待機になるケースが多いようです。

濃厚感染者が職場に出た場合の対応策は、以下のようになっています。

・保健所から発生の通達
・濃厚接触者の特定
・消毒除菌作業の要請→業者の指定は無く、各社で対応との事
・営業の停止
・コロナ消毒業者による消毒or10日~14日程度の営業停止
・営業再開

 

出典:濃厚接触者が職場で発生!新型コロナ対処方法とは?(日本特殊清掃隊)

濃厚接触者が発生した場合には、企業には以下の2つの選択があるようです。
・操業を自粛する
・コロナウイルス消毒業者を入れて、消毒後速やかに営業再開

陽性反応者が発生した場合

陽性反応者が発生してしまった場合は、有無を言わさず消毒を行う企業が多いようです。陽性反応者が発生した場合の対応の流れは、次のようになっているそうです。

1.お問い合わせを頂き、発生状況や、施設の概要を確認
2.概算金額打ち合わせ
3.オゾン燻蒸(作業員の入室前の除染を行う)
4.アルコール拭き取りによる消毒作業
5.オゾン燻蒸
6.バイオ散布
7.お引渡し

 

出典:濃厚接触者が職場で発生!新型コロナ対処方法とは?(日本特殊清掃隊)

多くの企業で発生した場合の対応が難しい場合も考えられるので、ある程度対応可能な業者を選んでおくとよいでしょう。

どの時点で、業者に依頼するかですが、PCR検査を受ける時点で依頼しておくことがよいようです。

PCR検査の陽性が判明したときではなく、検査を受けた時点ですぐに専門業者に依頼するのがコツだ。クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の消毒に携わったリスクベネフィットの担当者が言う。

 

「検査結果が出るまで大体1日かかります。検査を受けた時点でご依頼をいただくと、濃厚接触者などの発生状況、オフィスの概要などを確認。陽性判定が出たら、速やかに消毒作業に取り掛かることができます」

 

出典:会社の消毒は?濃厚接触者は…社員感染で知っておきたい「10の疑問」(日刊ゲンダイ2020.4.11)

なお、消毒にかかる期間は、オフィスの広さにもよりますが、十分な人員配置で、1、2日で作業が終わることがほとんどだそうです。業者によっては、夜間も対応するところもあるようです。

新型コロナウイルス消毒方法

米国立衛生研究所などによると、新型コロナはエアロゾル(空気中に浮遊する5マイクロメートル未満の粒子)による感染リスクが指摘されているため、消毒作業前の室内空間洗浄(オゾン薫蒸)されているようです。

そして、そのあとに、薬剤によるふき取りが行われます。薬剤を用いて、手が触れるであろうドアノブ、手すりなど様々な物体に散布して清掃を行う方法です。

使われる消毒剤は次亜塩素酸(500PPM以上)若しくはエタノール(消毒用70%)が推奨されています。同じ製品名でも希釈率や濃度が違えば効果は得られないようです。

また、床のカーペットにも薬剤を散布して消毒したり、飲食店や一流ホテルなどで使われている空間除菌剤で仕上げたり、バイオ散布が行われています。

「オゾンの消毒力は、塩素系消毒剤の6倍以上といわれます。新型コロナについてはデータがありませんが、従来のコロナはもちろん、SARSやMERSのコロナには有効な消毒法。

 

1時間ほどオゾンを発生させ、浮遊するウイルスを不活化させてから作業員が入室します。作業員は防護服を着て、マスクとゴーグルを装着。手袋は二重につけて作業します。

 

具体的には、次亜塩素酸(500ppm以上)かエタノール(濃度70%以上)による拭き取りで、陽性者の机の周りやキーボード、マウスなどを中心に行動範囲の手すりやドアノブなど共用部分までくまなく消毒します」

 

出典:会社の消毒は?濃厚接触者は…社員感染で知っておきたい「10の疑問」(日刊ゲンダイ2020.4.11)

希釈せずにそのまま使える次亜塩素酸水、除菌水ジーア

社内外への情報発信について検討する

感染者のプライバシー保護を前提として、周囲の不安解消に努めることがポイントとなります。

必ず行なうべきことは、社内へのアナウンス、ビル管理者や職場に出入りしている業者等への連絡です。

ホームページ等での公表は推奨されていますが、各社の状況に応じて検討してください。知らないうちに感染者発生情報がSNSに掲載される事例も発生しているので、注意が必要です。

参考: 新型コロナウイルス感染症対策ガイド― 企業が対策を実施する上でのポイント ―(SOMPOリスクマネジメント株式会社)

新型コロナウイルスに関する心のケア

患者を非難したり謝罪を求めるのは間違い

新型コロナウイルスの感染者を「たたく」声が上がり、感染した著名人が謝罪を発表するような状況が起きていますが、このようなことを感染症専門医の岩田健太郎神戸大学教授は、「感染をむしろ広めかねない」と警鐘を鳴らしています。

岩田教授によると感染した患者を非難したり謝罪を求めたりするのは、二重の意味で間違っているそうです。

第一に、感染したこと自体は非難の対象にはなりえません。いま俗に言う「3密(密閉、密集、密接)」を避けて、感染を防ごうとしていますが、集まっていなくてもうつる人はいます。ウイルス側には、うつろうと思ってうつるような人格などありません。単に感染しやすいところで感染しているだけです。

 

第二の理由はもっと重要で、感染者をたたく風潮が広がると、感染経路を追えなくなる可能性が出てくるからです。つまり、夜の街に出た、パーティーに出たという情報で叩かれるようになると、陽性患者は自分の寄った場所や会った人などの感染経路を隠蔽してしまう。そうなると、感染経路が追跡できなくなるのです。これは感染防止対策にとってきわめて問題です。

 

出典:感染者たたき、感染者の謝罪は自分たちの首を絞める 岩田教授に聞く「誰でも感染する」怖さ(Yahoo!ニュース 特集2020.4.11)

職場でも新型コロナウイルスにかかった社員を排除することのないように、正しい情報や知識を提供することが必要です。

ストレスやトラウマに対する情報提供

感染の集団発生は国際的には災害の一つとされ、テロや戦争、自然災害と同様にこころの問題を引き起こすことが知られています。また、長期間に渡る隔離や自宅待機、テレワークなどで、ストレスやトラウマ等心の悩みを抱える人も増えています。

感染拡大防止のためにやむを得ない面はありますが、行動の自由を制限されると、喜怒哀楽の感情が失われたり、強い不安を感じたり、周りの状況が他人事のように感じられたり、自分がいじめられ、疎外されている気持ちが生じる「拘禁反応」と呼ばれる特有の心理状態が生じることがあります。

 

また、親しい関係の一人が感染のため隔離されると、残された人が引き離された不安や抑うつを感じることがあります。

 

出典:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関するこころのケアについて(筑波大学)

業務がとどこらないような情報とともに、社員の心のケアも含めたフォローも大切です。産業カウンセラーから情報発信されている「新型コロナウイルスによる不安やストレスなどの心の問題に対処するために」では、新型コロナウィルスに関連した心身の健康をどう維持していくか、対処法や留意点についてのアドバイスが載せられています。

参考:新型コロナウイルスによる不安やストレスなどの心の問題に対処するために(一般社団法人日本産業カウンセラー協会)

資料

新型コロナウイルス情報 企業と個人に求められる対策(日本渡航医学会 産業保健委員会、日本産業衛生学会 海外勤務健康管理研究会)

会社の消毒は?濃厚接触者は…社員感染で知っておきたい「10の疑問」(日刊ゲンダイ2020.4.11)

新型コロナウイルス感染症対策ガイド― 企業が対策を実施する上でのポイント ―(SOMPOリスクマネジメント株式会社)

感染者たたき、感染者の謝罪は自分たちの首を絞める 岩田教授に聞く「誰でも感染する」怖さ(Yahoo!ニュース 特集2020.4.11)

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関するこころのケアについて(筑波大学)

新型コロナウイルスによる不安やストレスなどの心の問題に対処するために(一般社団法人日本産業カウンセラー協会)

新型コロナウィルスの国内感染発生をふまえた職場における感染症予防/拡大防止のポイント(神奈川産業保健総合支援センター)

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