障害者雇用の優良中小事業主認定制度(もにす)とは?

障害者雇用の優良中小事業主認定制度(もにす)とは?

2020年10月28日 | 障害関連の情報

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中小企業の障害者雇用が進まない現状を打破しようと、2020年4月施行の障害者雇用促進法改正の内容には、障害者雇用に関する優良な中小事業主認定制度の創設が盛り込まれました。

そして、この制度の初めての認定企業が3社誕生しています。

ここでは、障害者雇用の優良中小事業主認定制度(もにす)とはどのような制度なのか、また今回認定された企業についてみていきます。

障害者雇用の優良中小事業主認定制度(もにす)とは?

「もにす認定制度」とは、障害者雇用の促進および雇用の安定に関する取り組みの実施状況などが優良な中小事業主を厚生労働大臣が認定する制度で、2020年4月から実施しています。

この認定制度は、認定企業が障害者雇用における身近なロールモデルとして認知されることや、地域における障害者雇用の取り組みの一層の推進を期待して作られています。

認定されると、自社の商品・サービス・広告などに「認定マーク」を表示することができ、日本政策金融公庫の低利融資対象となるほか、厚生労働省ホームページへの掲載など、周知広報の対象となるなどのメリットがあります。

もにす認定企業はどのような会社?

「もにす認定」第1号事業主が、令和2年10月21日に認定されています。認定された企業は、次のとおりです。

・株式会社OKBパートナーズ(特例子会社) 岐阜県大垣市
・はーとふる川内株式会社(特例子会社) 徳島県板野郡
・有限会社 利通 福島県会津若松市

株式会社OKBパートナーズ(特例子会社)

親会社:大垣共立銀行
従業員数:45 人(出向社員を含む)
事業概要:伝票保管・調査、約定書管理、スキャン、イメージファイリング、物品発 送、印刷、文書作成、DM封入・紙細工作成(OKB工房)

OKBパートナーズの概要

・職場実習や支援機関との連携により、個々の障害者の能力・適性を把握し、適切な担当業務のマッチングを検討。昨年度は、県内の特別支援学校5校から職場実習を計 18
名受け入れ、うち2名を新卒として採用。

・親会社・グループ会社の業務も含め、障害者が活躍できる職務を選定し、新たに「スキャン業務」および「名刺印刷業務」を開始。

・各種取り組みの成果として、100%を超える実雇用率、90%を超える1年以内定着率といった量的側面のみならず、仕事の満足度で 8 割を超え、3年以上前から雇用して
いる障害者の平均年収が1割以上上昇するといった、質的側面の基準も達成。

・特例子会社として認定される以前から勤務している障害者社員について、本人の希望などを踏まえ、アシスタントから無期雇用の嘱託職員、さらには正社員へと転換し、
障害当事者でありながら、支援者としての役割も果たしている。

はーとふる川内株式会社(特例子会社)

親会社:大塚製薬
従業員数:64 人(出向社員を含む)
事業概要:名刺等の印刷事業、ホームページ作成等の IT 事業、オフィスサポート事業、医薬品工場での原材料搬送等の生産サポート事業、トマトを栽培するアグリ事業
ホームページ

はーとふる川内の概要

・ 障害者雇用農園(アグリ事業部)を立ち上げ、障害者による新事業を創出するとともに新たな職域を開発。

・アグリ事業部で働く知的障害者のため、現地での実地指導に加え、図式したわかりやすい作業マニュアルを用いて指導・支援。本社では、多岐にわたる全ての業務をマニ
ュアル化し、ミスなく、誰でも均一な成果が出せるように工夫。ミスを犯すとメンタル低下につながる精神障害者の業務遂行に役立てている。

・体調不良に陥りやすい障害者のために、年次有給休暇とは別に通院・入院休暇を設定。なお、年次有給休暇は 1 時間単位で取得可能。また、遠方に転居した従業員のた
めに在宅勤務制度・フレックスタイム制度を整備するともに、会社近傍に社宅を整備し通勤困難者にも配慮。

・資格取得等助成制度を設け社員のスキルアップ・仕事へのモチベーション向上に活
用。また、障害者を含め正規社員は皆人事考課規程によって評価され、昇給・昇格・役職任命が行われる。これらの結果、平均年収が 3 年前から 1 割以上上昇。また、
2020 年 1 月には 12 名を非正規社員から正規社員に転換、また、6 名を役職任命。

有限会社 利通

従業員数:約 34 人
事業概要:弱電部品・電子機器等組み立て及びにモールド成型品の検査等
ホームページ

利通の概要

・法定雇用率制度において障害者の雇用義務が生じない事業所にも関わらず、法定雇用率の6倍以上という高い雇用率を維持している。

・従業員に対し障害・障害者理解促進のための講演会を開催したり、障害者と共に働くための心構えを記した「社員全員が皆なかま」を作成し全社員に配布するなど、障害
区分の隔たりなく、共に働ける環境づくりに努めている。

・障害者だからこそ持つ優れた能力を必要とし、その能力を最大限に活かすという観点でワークシェアリングを実施。また、就労支援 A 型事業所「株式会社ワークアイアイ利通」を創設し、計 10 名の障害者雇用を創出している。

・例えば、異なる障害をもつ者同士の連携や、外国人による指導を行うことで作業効率がアップした。その他、各障害者のやるべき仕事をわかりやすく視覚化した図、写真を作業現場に貼り付け、障害者が作業で混乱しないよう工夫している。

・ 障害者の職場定着のために、企業としてやるべきこと、外部関係機関と連携すべきことの役割分担を明確にし、また、親を交えての会議や手話通訳者を依頼しての定期的な相談を実施し、障害者へのサポート体制を確立している。これらの効果もあり、過去3年間に採用した障害者の就職1年後の定着率 100%。

出典:認定企業各社の取り組み(厚生労働省)

まとめ

改正障害者雇用促進法(2020年4月)の新制度として誕生した障害者雇用に関する優良な中小事業主認定制度(もにす)とはどのようなものなのか、第1回目に認定された企業3社についてみてきました。

今回は、認定された企業3社のうち2社が特例子会社でした。また、特例子会社でない企業でもA型事業所があるようですから、障害者の雇用の経験や実績がある会社であることがうかがえます。

OKBパートナーズは、特例子会社認定されたのは最近ですが、障害者雇用としての取り組みは長いようです。

仕事の満足度で 8 割を超え、3年以上前から雇用している障害者の平均年収が1割以上上昇するといった、質的側面の基準も達成。

この辺の取り組みについて、もう少し知りたいなと感じました。

参考

障害者雇用が優良な中小事業主を認定する制度(もにす)とは?

労働政策審議会で議論されてきた障害者雇用の取組が優良な中小事業主を認定する制度とはどのようなものなのか、その背景や認定基準について解説しています。

改正障害者雇用促進法(2020年4月)の新制度とは?

短時間障害者雇用の特例給付金制度、障害者雇用に関する優良な中小事業主に対する認定制度(もにす)の申請方法を解説しています。

「もにす認定制度」で初の認定事業主が誕生しました(厚生労働省)

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