改正障害者雇用促進法(2020年4月)の新制度とは?

改正障害者雇用促進法(2020年4月)の新制度とは?

2020年06月17日 | 障害者雇用に関する法律・制度

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2019年6月に、「障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律案」が可決・成立しました。そして、段階的に改正法が施行されることが決定し、2020年4月1日から、民間企業に対して、事業主に対する特例給付制度と優良事業主としての認定制度の創設が定められています。

これらの制度は、どのようなものなのかについてみていきたいと思います。

短時間障害者雇用の特例給付金制度

特例給付金制度は、短い時間であれば働くことができる障害者である労働者を雇用する事業主に対する支援として、新たに作られた給付金制度です。週10~20時間未満で働く障害者を雇用する事業主は、令和2年度の雇用実績について、令和3年度から申請することができます。

支給対象者

支給対象となる障害者は、次の条件を満たすことが必要です。
・障害者手帳等を保持する障害者

身体障害者 ・身体障害者手帳
・都道府県知事が指定する医師又は産業医による診断書・意見書
知的障害者 ・療育手帳(都道府県により別の名称を用いる場合があります。)
・児童相談所、知的障害者更生相談所、精神保健福祉センター、精神保健指定医若し くは障害者職業センターによる判定書
精神障害者 精神障害者保健福祉手帳

 

・1年を超えて雇用される障害者(見込みを含む)
・週所定労働時間が10時間以上20時間未満の障害者

※ 週所定労働時間が10時間以上20時間未満であっても、実労働時間が10時間未満であった障害者は対象障害者に含まれません。週所定労働時間が20時間以上であっても、実労働時間が10時間以上20時間未満であった障害者は対象障害者に含まれます(障害者雇用納付金の申告申請において雇用障害者としてはカウントできません。)。

支給額

支給額は、週所定労働時間20時間以上の労働者の総数に応じて、下記のように設定されています。

100人超えの事業主 対象障害者1人あたり月額 7,000円
100人以下の事業主 対象障害者1人あたり月額 5,000円

 

なお、重度障害者であってもダブルカウントせず、実人数でカウントされます。また、「100人超事業主において納付金の未納付がある事業主」「申請書に記載のあった障害者に対する適切な雇用管理の措置を欠いたことによる労働関係法令の違反により送検処分をされた事業主」には、特例給付金は支給されません。

申請から支給までの流れ

申請対象期間

毎年度1年間 (4月から翌3月)

申請期間

・100人超事業主 :翌4月1日~5月15日
・100人以下事業主:翌4月1日~7月31日

支給時期

10月 ~ 12月

申請書提出先

独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構へ提出します。

方法としては、以下の2通りがあります。
・機構のホームページから電子申請をおこなう。
・機構都道府県支部へ郵送又は持参する。

申請書の様式や申請の詳細な案内は令和2年度以降に案内があるようです。

参考資料:週10~20時間未満で働く障害者を 雇用する事業主の皆様への給付金のご案内(独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構)

優良事業主の認定制度

中小企業の障害者雇用はなかなか進んでおらず、障害者が0人と全く雇用していない企業も多く、障害者雇用が停滞している状況が見られます。このような現状を打破しようと、2020年4月施行の障害者雇用促進法改正の内容には、障害者雇用に関する優良な中小事業主認定制度の創設が盛り込まれました。

認定事業主となることのメリット

次のようなメリットがあります。

障害者雇用優良中小事業主認定マークが使用できる

障害者雇用優良中小事業主は、次のような商品などに「障害者雇用優良中小事業主認定マーク」をつけることができます。

・商品
・役務の提供の用に供する物
・商品、役務又は事業主の広告
・商品又は役務の取引に用いる書類又は電磁気的記録
・事業主の営業所、事務所その他の事業場
・インターネットを利用する方法により公衆の閲覧に供する情報
・労働者の募集の用に供する広告又は文書

日本政策金融公庫の低利融資対象となる

障害者雇用優良中小事業主は、日本政策金融公庫の「働き方改革推進支援資金」における低利融資の対象となります。

※詳しくは日本政策金融公庫にお問い合わせください。

厚生労働省・都道府県労働局・ハローワークによる周知広報の対象となる

障害者雇用優良中小事業主の情報は、厚生労働省及び都道府県労働局のホームページに掲載され、社会的認知度を高めることができます。また、ハローワークの求人票に認定マークを表示するなど、積極的に周知広報がされるようです。

障害者雇用優良中小事業主に限定した合同面接会等も企画することもあるようです。詳しくは最寄りの都道府県労働局又はハローワークにお問い合わせください。

公共調達等における加点評価を受けられる場合がある

障害者雇用優良中小事業主は、地方公共団体の公共調達及び国及び地方公共団体の補助事業において加点評価を受けることができる場合があります。詳しくは公共調達等を実施している地方公共団体等にお問い合わせください。

※障害者雇用促進法第7条の2第1項に基づく障害者活躍推進計画作成指針(令和元年厚生労働省告示第198号)等において、地方公共団体に対して公共調達等における加点評価の実施が勧奨されています。

認定基準

次のような項目があります。

・障害者雇用への取組(アウトプット)、取組の成果(アウトカム)、それらの情報開示(ディスクロージャー)の3項目について、各項目ごとの合格最低点に達しつつ、合計で50点中20点(特例子会社は35点)以上を獲得すること

・雇用率制度の対象障害者を法定雇用障害者数以上雇用していること
(特例子会社制度、関係会社特例制度、関係子会社特例制度又は事業協同組合特例制度を利用している親事業主又は事業協同組合等が申請する場合は、これらの制度を適用せずとも、当該親事業主又は事業協同組合等において雇用率制度の対象障害差を法定雇用障害者数以上に雇用していることが必要です。また、特例子会社が申請する場合は、特例子会社制度又は関係会社特例制度により、親事業主も雇用率制度の対象障害者を法定雇用障害者数以上に雇用していることが必要です。)

・指定就労支援A型の利用者を除き、雇用率制度の対象障害者を1名以上雇用していること

・過去に認定を取り消された場合、取消しの日から起算して3年以上経過していること

・暴力団関係事業主でないこと

・風俗営業等関係事業主でないこと

・雇用関係助成金の不支給措置を受けていないこと

・重大な労働関係法令違反を行っていないこと

制度)(厚生労働省)

認定企業となるための手続き

認定の申請に当たっては、下記の必要書類を添付して、事業所を管轄する都道府県労働局に提出します。

●基準適合事業主認定申請書
●認定基準確認申立書(申請書別紙1)
●評価基準自己採点表(申請書別紙2)
●評価要素該当申告書(申請書別紙3)
●就労支援機関等による評価基準該当証明書(申請書別紙4)
●障害者雇用状況報告書

審査の結果、認定基準を全て満たしていることが確認された場合は、各都道府県労働局から認定通知書が交付されます。認定審査までには3か月ほど時間がかかります。

動画で解説

まとめ

2020年4月に改正された障害者雇用促進法の概要について、短時間雇用障害者の特例給付金制度と、優良事業主の認定制度について見てきました。

今回の法改正は、国の行政機関が障害者雇用を水増ししていた問題が発端となっています。現行法に基づく「障害者雇用率制度」は、一定割合以上の障害者を雇うよう企業に義務付けていましたが、中央省庁は長期にわたって対象外の職員を不適切に算入していました。

再発防止や民間事業主への取り組みを促進するため、 2019年6月に可決した改正法案では公的機関に雇用時の確認を厳しく規定するとともに、民間企業に対しては、ご紹介してきたような短時間雇用障害者の特例給付金制度と、優良事業主の認定制度が創設されることになっています。

参考

週20時間以下の障害者雇用のための助成金特例給付金制度とは

【2020年障害者雇用促進法改正】障害者雇用の取組が優良な中小事業主を認定する制度とは

障害者雇用に関する優良な中小事業主に対する認定制度

もにす認定制度のメリットと中小企業の障害者雇用の関係

障害者雇用に関する優良な中小事業主に対する認定制度(厚生労働省)

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