【2024年度版】障害者雇用が進んでいる企業のランキング発表

【2024年度版】障害者雇用が進んでいる企業のランキング発表

2024年12月9日 | 障害関連の情報

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東洋経済から、「障害者の雇用」に積極的な企業ランキング100が発表されました。対象はCSR企業総覧(雇用・人材活用編)2024年版に掲載された1714社のうち、2022年度に障害者を3人以上雇用している企業1198社が対象となっています。

どのような企業が、障害者雇用に積極的なのか、見ていきたいと思います。

障害者雇用に積極的な企業ランキングが発表

まずは、障害者雇用に積極的な企業の1位~10位までの企業名と雇用率、人数を見ていきます。

順位 社名 雇用率(前年) 雇用人数(前年)
1位 ゼネラルパートナーズ 16.60%(15.55%) 35人(41人)
2位 ハウスコム 16.07%(3.38%) 21人(29人)
3位 エフピコ 12.50%(12.60%) 365人(365人)
4位 ジットグループ 10.82%(10.45%) 48人(40人)
5位 エイチーム 8.87%(0.10%) 5人(5人)
6位 キトー 7.03%(6.89%) 36人(35人)
7位 JSP 5.48%(5.78%) 47人(49人)
8位 AOKIホールディングズ 4.95%(4.89%) 6人(6人)
9位 ファーストリテイリング 4.92%(4.6%) 1167人(1111人)
10位 白鳩 4.90%(4.59%) 7人(7人)

障害者雇用に積極的な企業の事業内容とは

1位 ゼネラルパートナーズ

1位のゼネラルパートナーズでは、雇用率が16.6%、雇用人数は35人です。7年連続で1位となっています。

障害者の雇用サービスを提供している企業で、障害者の総合就職・転職サービス、就労移行支援事業、就労定着支援事業などを手掛けています。精神障害者の雇用創出のために、菌床シイタケ生産販売事業所を運営していたり、障害者の経済的自立と安定就業へのサポート、一般企業への就職や復帰のためのリハビリテーションの場を作っています。

また、障害者雇用に関する調査・研究やダイバーシティ関連情報に特化したオウンドメディアを複数運営したり、子会社でシングルマザー支援事業を行うなど、社会課題解決型の事業を広く展開しているようです。



2位 ハウスコム

2位のハウスコムは、大東建託傘下の賃貸仲介専門会社の会社で東京証券取引所 スタンダード市場に上場しています。雇用率は6.07%、障害雇用者数は21人です。

社内プロジェクトとして、「障害者共働プロジェクト」を発足させ、障害者と健常者がともにいきいきと働くことができる職場をつくることを目的として活動しています。コミュニティサイトの作成や本社内におけるユニバーサル自動販売機の導入など、障害者に配慮した職場環境の構築、改善が行われています。

採用に関しては、自社ホームページでの募集や、大学の就職課等のイベントなどで募集しており、昇給・昇格体系については、健常者と障害者との区別はしていないそうです。障害者雇用支援会社運営の農業運営にも参画していることがHPに記載されています。

3位 エフピコ

3位は食品トレーや弁当・総菜容器最大手のエフピコで、雇用率が12.5%、障害雇用者数は365人です。こちらのランキングには、昨年に引き続きランクインしています。

スーパーやコンビニなどで使用される食品トレー容器のリーディングカンパニーで、食品トレー、弁当・総菜容器最大手です。障害者は、基幹業務である「食品トレー容器の生産」と「リサイクル」の仕事を中心に活躍しています。

食品トレー容器の生産事業では、食品トレー容器の成形・組立加工や検品、包装を担当し、リサイクル事業では、使用済みトレーの選別業務を行っています。活躍の場の拡大として、グループ内で一般就労へのステップアップなど、グループでキャリア形成促進にも積極的に取り組んでいます。

また、特例子会社のエフピコダックス(5ヶ所)や、就労継続支援A型事業のエフピコ愛パック(11ヶ所)などを中心に全国16カ所の事業所で取り組んでいます。また、事業提携先、業務請負先がそれぞれ2ヶ所ずつあります。工場見学なども積極的に実施しています。

4位 ジットグループ

4位のジットグループは、リサイクル事業、医療・ヘルスケア事業、リユース事業、保育園事業など多角的に展開しており、雇用率が10.82%(グループ4法人の合算値)、障害者雇用数は48人です。

リサイクルインク事業を中心に文具、家電ベンダー事業を行っており、冠婚葬祭事業、障害福祉事業、食品事業、保育園事業、医療ヘルスケア事業、観光業、農業など、事業内容は多岐にわたっています。拠点は山梨、東京です。

継続した障害者雇用と働きやすい環境整備のため、南アルプス市自立支援協議会の権利擁護部会と連携し、ジットグループ全体を対象とした研修会を実施するなどして「合理的配慮」の取り組みを推進しています。

5位 エイチーム

5位はスマホゲーム、比較・情報サイト、ECを3本柱とするエイチームで障害者雇用率が8.87%、障害雇用数は5人です。障害者雇用促進の一環として、ヘルスキーパーとして視覚障害者を雇用しています。
国籍や人種、性別や年齢を限定することなく人材を採用・登用されています。中でも、特に外国人が多く所属するエンターテインメント事業本部では、ゲームのグローバル展開に向けて、海外人材を積極的に採用・登用しています。

6位 キトー

6位のキトーは、工場用搬送機器メーカーで雇用率が7.03%、障害者雇用数は36人です。こちらのランキングには、昨年に引き続きランクインしています。

5カ年計画に基づいた障害者雇用を推進しており、山梨本社工場で設備のバリアフリー化や、聴覚障害者向けの手話通訳派遣や支援機器導入にも取り組んでいます。雇用の定着を重視し、サポートできる範囲で実習受け入れから採用を行うことや、障害に合わせた職場環境の配慮など、誰もが働きやすい職場環境の構築に力が注がれています。

また、平成 29 年度の「障害者雇用優良事業所等の厚生労働大臣表彰」で、障害者雇用職場改善好事例の最優秀賞(厚生労働大臣賞)を受賞しています。

聴覚障害者・肢体不自由者の雇用管理上の課題を分析した上で、手話ボードや自動ドア・ スロープの設置など障害特性に応じた支援が個別かつ体系的になされている点、および、「障害者雇 用マスタープラン」の策定や、障害のある社員を含めた推進委員会の開催等により、相互のコミュニ ケーションやキャリアアップに向けた取組を充実させるなど、企業の組織的・継続的な対応がなされていることが評価されています。

7位 JSP

7位は樹脂発泡素材の専業大手のJSPで、障害者雇用率は5.48%、障害雇用者数は47名です。特例子会社JSPモールディングも含まれており、特例子会社を中心に障害者雇用に取り組んでいます。

JSPモールディングでは、複数サポーターによる業務指導や、得意・不得意の把握、ジョブローテーションを実施することで、適材適所の配置を実現しています。

「平成27年度優先発注企業等の厚生労働大臣表彰」の受賞者に選ばれました。この表彰は、障害者就労施設等が供給する物品及び役務について、長年にわたり積極的な発注に取り組んでいる企業を表彰するものとなっています。

JSPモールディング株式会社は、平成16年から過去10年以上に渡り、障害者就労施設である社会福祉法人「希望の家」に自動車部品二次加工業務(役務)をはじめ様々な業務発注等を実施していることが評価されました。

8位 AOKIホールディングス

8位は紳士服のAOKIホールディングスで、障害者雇用率は4.95%、障害雇用者数が6人となっています。昨年と同様に8位でした。障害者雇用率5.0%を目標に掲げ、積極的に障害者雇用に取り組んでいます。

AOKIグループのファッション事業では、全国5か所ある障害者雇用専門オフィスにおいて店舗運営をサポートする業務を行っています。また、アニヴェルセル・ブライダル事業およびエンターテイメント事業では、店舗内外の清掃業務を行っています。

AOKIでは、障害者雇用が決してうまくいっていたわけではありません。不足人数が増大し、労働局から特別指導を受け、常用雇用人数が年500 人以上増加が続いていたこともありました。年間数人の障害者採用では不足人員解消に至らず、不足人員が30数人となった2013年に「あと半年以内にこれを解消できなければ企業名公表」というところまできたそうです。しかし、そこから社内で50人が従事できる業務を切り出し、神奈川・埼玉・愛知の拠点で障害者を雇用する職場をつくり、2013年12月に法定雇用率を達成しています。

【株式会社 AOKI 障害者雇用事例ご紹介】には、障害者雇用の軌跡が書かれています。

9位 ファーストリテイリング

9位はファーストリテイリングで、障害者雇用率は4.92%、障害雇用者数が1167人となっています。昨年と同様に9位でした。

「1店舗1人以上の障害者雇用を目指す」という目標が掲げられていて、雇用障害者数が多いのが特徴です。店舗での受け入れを進めているため、店長・地域正社員を中心に障害者の受け入れ研修を実施しています。国内だけでなく、グローバルでも障害のあるスタッフが働いています。

障害者雇用を始めたのは1994年からで、本格的に採用するようになったのは2001年以降です。障害者雇用が促進するきっかけは、ある店舗で障害のある方を採用したところ、従業員が自主的にその方をサポートするようになり、店舗全体のコミュニケーションが活発化し仕事の効率も上がったことでした。そこで、柳井正社長の方針で「各店舗に1人以上採用する」という目標を掲げるようになったそうです。

障害者が社会、ビジネス、経済における潜在的な価値を発揮できるような改革をビジネスリーダーが主導していくという趣旨に賛同し、「The Valuable 500」にも加盟しています。
次のような5つのコミットメントを定めて、障害者雇用をはじめとするダイバーシティ&インクルージョンに取り組んでいます。
1.障害者の雇用と受け入れ研修の実施
2.お客様や従業員の声を反映した、商品・サービスと売り場づくり
ユニクロ日本では、かぶりの衣服が脱ぎ着しづらいお客様の声から生まれた、「前あきインナー」をオンラインストアと一部店舗で販売しています。この商品は、商品部門の担当者が、医療機関や施設を訪問したり、入院や通院が必要な方や乳がん手術後の方、障害者やご高齢の方々の声を聴き、開発されています。脱ぎ着のしやすさ、快適な着心地、手頃な価格にこだわり、メンズ、ウィメンズ、キッズでも展開されています。
3.ダイバーシティ&インクルージョン専用ウェブサイトの開設
2020年3月に、グループのダイバーシティ&インクルージョンに関する情報をグローバルに発信するための専用ウェブサイトを開設しています。経営陣によるメッセージに加え、障害者支援、ジェンダー、グローバル・ワンチーム、LGBTQ+といった、ファーストリテイリンググループの重点テーマと各種取り組み、活躍する従業員の紹介などがされています。
4.障害者スポーツの支援
知的障害者にスポーツの機会を提供する「スペシャルオリンピックス日本」のナショナルパートナーを2002年から務めており、ユニフォームの寄贈や運営支援も行っています。
また、2014年から、国際テニス連盟(ITF)が主催する車いすテニスツアーのタイトルスポンサーとして、「ユニクロ車いすテニスツアー」の世界40か国以上で開催される年間150を超える大会に協賛しています。加えてダブルスの主要大会である「ユニクロ車いすテニスダブルスマスターズ」のタイトルスポンサーも継続しています。
5.地域コミュニティにおける障害者支援
コミュニティ活動の一環として、世界各地でさまざまな障害者支援に取り組んでいます。韓国では2019年に、脳性まひによる障害のある人を対象に、一人ひとりの身体特性に合わせて脱ぎ着しやすいようリフォームしたユニクロの服を寄贈する取り組みをしています。これまでに、約1,200人に約6,000着を寄贈しています。
シンガポールでは2017年から、知的障害のある学生のための職業訓練施設「APSNデルタ・シニアスクール」を支援し、ユニクロの仮想店舗をスクール内に設置し、学生が店舗での仕事を学び、体験する機会を提供しています。

10位 白鳩

10位は女性中心の下着のネット通販会社の白鳩で、障害者雇用率は4.9%、障害雇用者数は7人です。昨年に引き続き、10位にラインクインしています。障害者社員の業務は他の従業員と同様に発送商品の梱包作業を行っています。他の社員と同様に一人で作業を完結する通常プロセスの業務に携わっています。

中小企業で障害者雇用が進んでいる理由は、わざわざ業務を切り出すのではなく通常の業務プロセスの中で、特性にあった業務をマッチングできたことを雇用が進んだ要因と捉えています。また、他の社員と同じ仕事を行うことがやりがいにつながっているようです。

『CSR企業総覧(ランキング&集計編)』2024年版には同ランキング上位800社まで掲載。

電子書籍『東洋経済CSRデータeBook2024 障害者雇用取り組み編』には、障害者雇用率だけでなく、特例子会社の有無、各社の障害者雇用への取り組み情報などを1653社について掲載されている。

まとめ

障害者雇用に積極的な企業について見てきました。障害者雇用は大企業のほうが進んでいることが多いですが、ランキングには中小企業でも上がっている企業がありました。企業の規模に関わらず、障害者雇用が進められることを示す事例となっています。

9位にランクインしたファーストリテイリングの障害者雇用人数は1167人と人数も多いですが、人数だけにとどまらず、その幅広い取り組みはまさに事業と連動したものとなっています。ユニクロの障害者雇用で有名な「各店舗に1人以上採用する」という方針が取り入れられるようになったきっかけが、ある店舗での障害者雇用がきっかけとなり、一緒に働く従業員や店舗全体のコミュニケーションの活性化、仕事の効率などにつながったというエピソードは、障害者雇用に取り組む企業にとっても励みや新たな視点に気づかせてくれるものとなるでしょう。

障害者雇用率は定期的に引き上げられており、今年2024年度に2.5%、2026年度には2.7%となることが方針として公表されています。障害者雇用率の引き上げに伴い、企業と障害者がうまくマッチングし、より雇用が促進されるような仕組みが求められています。

一方で、障害者にしてもらう業務が見つからないという声もよく聞きます。このような業務が見つからない原因は、「障害者にできる業務」を探してしまっているからです。障害者雇用は「雇用」です。組織に必要とされる業務から障害者雇用を考えていくことが大切です。障害者雇用率が上がる中で、数合わせの障害者雇用をしていると組織が疲弊してしまいます。それを回避するためには、障害者雇用の質を上げていく、つまり組織に貢献する業務を担ってもらい、適性に合う人材を採用することが求められています。

経営環境や働き方が大きく変化する中で、時代やニーズ、企業組織に合わせた障害者雇用を進めていくことが、今まで以上に必要となっています。「障害者を雇用する」という小さな枠組みだけで考えるのではなく、組織や人材活用という点から障害者雇用を捉えることが大切です。そうすることで、組織で障害者雇用に取り組む意義や価値が見えてきます。

参考

「障害者雇用率が高い会社」ランキングTOP100社(東洋経済オンライン)

障がい者の活躍推進に取り組む国際イニシアチブ「The Valuable 500」に加盟しました(FAST RETAILING)

FAST RETAILING DIVERSITY & INCLUSION

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