コロナ禍の障害者雇用の状況や、この中で雇用率0.1%引き上げの背景、これらの企業の障害者雇用について書いた電子書籍を出版しました。
新型コロナウィルスにより、私たちの生活は大きく変化しています。テレワークが一気に広がり、これからの企業のあり方、働き方が確実に変わりつつあります。それでも、現時点では未だに収束する見込みがたたず、その影響で起こることも不確定要素が多く、なかなか先が見通せません。今後しばらくこのような状況が続く可能性があります。
このような変化の中で、障害者雇用の現状や、これから障害者雇用に求められることについて度々考える機会があり、それらをまとめました。
これからの障害者雇用はどうなるのかコロナ禍の影響と今後に向けて企業が行なうべき事
コロナと障害者雇用
今まで、障害者雇用は、景気の影響をほとんど受けないと言われていました。しかし、今回のコロナは、障害者雇用へもその影響をジワジワと押し寄せています。
働き方の変化やテレワークが広く受け入れられる中で、障害者雇用のあり方も変化を求められているように感じています。
コロナ禍では、企業のさまざまな支援策が講じられる中、障害者雇用率アップに関しては、当初の予定よりは2ヶ月遅れたものの、年度内に実施されることになりました。このような障害者雇用の現状と課題について見ていくとともに、障害者雇用率が引き上げられる背景や、これからの障害者雇用に向けて求められること、準備しておくべきことについて考えていきたいと思いました。
緊急事態宣言下は、その少し前まで、誰も想像できないような状況であったものの、もう少し対応の方法が考えられたのではないかと思われる話を見聞きすることがありました。その時よりは、準備や対応ができているとは思いますが、目の前の起こっていることに振り回されるのではなく、なぜそのような変化が求められているのかを考え、それに対処していくことが必要になっていると感じています。
まえがきより
2020年はじめから話題になり始めた新型コロナウィルス、中国で大変なことが起こった・・・と思っていたのが、あっという間にアジアから世界中に広がり、日本でも緊急事態宣言が出され、これを書いている12月末では、第三波がきており、新規感染者数が最高数を更新しています。
4月の緊急事態宣言時点のような緊迫した状況は脱したとはいえ、まだまだ収束する見込みが見えていません。この状況があと1年なのか、それとも2年なのか・・・、どれくらいの期間になるのかは、現時点では見えていませんが、それでも多くの人が感じているのは、コロナの前と後では、世の中が変わってくるだろうということです。
すでに、多くの企業では、リモートワークや在宅勤務が取り入れられています。東京近郊では、2020年のオリンピックに向けて数年前からリモートワークが推奨されてきましたが、ほとんど進んでいない状況が一変しました。
また、経済、経営が悪化して雇用状況が厳しくなる中、今まで障害者雇用は景気などの影響を受けにくいと言われてきましたが、今回はそのように言えない状況も見られはじめています。このような働き方や仕事内容が大きく変化する中で、障害者雇用も変化が求められていると感じます。
本書では、コロナ禍で見えてきた障害者雇用の現状と課題について見ていくとともに、多くの企業支援がおこなわれる中で予定通りに年度内に障害者雇用率が引き上げられる背景や、これからの障害者雇用に向けて求められること、準備しておくべきことについて考えていきます。少しでも障害者雇用を進める上でのヒントになればうれしく思います。
目次
はじめに
第1章 障害者雇用率が0.1%アップの背景にあるもの
障害者雇用アップの経緯とは
コロナ禍の中でも雇用率があがり続ける障害者雇用の現状
今後の障害者雇用はどうなっていくのか
第2章 コロナ禍で見えてきた障害者雇用の現状と課題
コロナ禍における障害者雇用の状況
コロナ禍における障害者雇用の企業対応
・緊急事態宣言下
・緊急事態宣言後
・テレワーク
障害枠で働く人たち、就職活動している人たちへの影響
・障害者枠で働く人たちへの影響
・障害者枠で就職活動している人への影響
・職場における心配ごとは人間関係
第3章 障害福祉施策の経緯と障害者雇用の関係
障害福祉における障害者就労支援施策の変遷
障害者福祉サービスの概要
障害者雇用との関連性が高い就労系障害福祉サービス
・就労移行支援事業所
・就労継続支援(A型=雇用型、B型=非雇用型)
・就労定着支援
第4章 これからの障害者雇用で企業に求められること
コロナ禍を経験して、雇用し続けるために求められること
・企業経営の継続
・障害者社員の生活サポート体制の構築
・適切な時期に説明し、不安を取り除く
持続的な障害者雇用を進めるために必要なこと
・時代に合わせた仕事内容や働き方を意識する
・会社に貢献する仕事を創り出す
・マネジメントに配慮を加える
・コミュニケーションをとり、信頼関係を築く
・自律的な仕事ができる人材育成をおこなう
あとがき
0コメント