岡山県総社市の障害者1000人雇用の取り組み

障害者雇用は企業や行政などの雇用することが多いですが、行政が障害者雇用に力を注いでいるところもあります。

岡山県総社市では、市独自の政策として、働くことができる全ての障害者を支援するために、平成23年4月から「障がい者千人雇用事業」に取り組んできました。そして、平成29年5月に目標だった1000人を達成しています。

岡山県総社市の障害者雇用の経緯や取り組み、今後の展望について見ていきたいと思います。

「障がい者千人雇用事業」の経緯

総社市は新設の県立支援学校誘致のため、市有地(約2万㎡)を無償提供予定をしていましたが、最終的には倉敷市に建設が決まりました。そこで、総社市は「支援学校を卒業した後の、働く場所は総社市が担う」という考えにシフトし、平成23年度から平成27年度までの5年間で、障がい者1,000人の雇用を目指すという一大プロジェクトを実施することになりました。

どのように「1,000人」という数字が定められたのでしょうか。

それは、平成23年4月時点での市内の障害者数に由来しているそうです。当時、市内で、身体、知的、精神障害者のうち、一般的な就労年齢といわれる「18歳以上65歳未満」の人数が約1,200人だったことにより、そこから「1,000人」の雇用を目標となりました。

出所:「障がい者千人雇用事業」 1000人達成記念セレモニ-(総社市)

1000人のカウント基準

1000人のカウント基準は、次のようになっているそうです。

1.総社市内の事業所において就労している障がい者
2.総社市外の事業所において就労している総社市民の障がい者
3.就労支援ルームを通じて就労するなど、総社市の取組に基づき就労している障がい者

取り組みを始めたときの就労者はわずか180人だったそうですが、就労者数は日々増加し、平成29年5月には、1003人となり、1000人を達成しました。

出所:「障がい者千人雇用事業」 1000人達成記念セレモニ-(総社市)

また、1000人が達成された後も、障害者雇用の促進と就労の安定化を深化・推進していくために、引き続いて官民協働で取り組んでおり、新たな目標数値を1500人としました。そして、この目標を達成するため、市や事業主の責務、市民の役割といった基本的事項を定め「障がい者千五百人雇用推進条例」を定めています。

「障がい者千五百人雇用」の目標達成に向けて、障害者の就労数は現在も更新されています。

出所:障がい者の就労者数データ(総社市)

「千人雇用に向けた取組」

「千人雇用に向けた取組」として、次のようなことが実施されています。

「障がい者千人雇用委員会」の設置

障害者雇用を促進し、市民全体の社会福祉が向上するようにと、「総社市障がい者千人雇用委員会」が平成23年5月に発足しています。ここでは、必ずしも雇用だけではなく、福祉的就労といったような事業に従事している人について社市の社会福祉を向上するという観点から、その環境もあわせて整備していく取り組みも行われました。

委員会は、障害者関係団体をはじめ、特別支援学校やハローワーク、市内の企業、岡山県立大学などの代表者ら16人で構成されました。また、平成23年7月に開かれた第2回委員会で「基本理念」「支援制度研究」「就労創出」の3つの専門部会を設置することが決まり、専門部会が誕生しています。

幅広い広報活動を行う

市の広報紙「広報そうじゃ」において表紙・特集など障害者雇用に関連するものを前面に出してアピールしてきたそうです。また、障害者雇用などに関するシンポジウムを開催し、市民と企業への啓発に努めてきました。

商工会議所との協定締結

会員企業に対し、助成制度の周知やセミナー、雇用意向調査、福祉的事業所の見学等を実施しています。

就職面接会の実施

障害者対象の就職面接会を市が主催し、ハローワークが共催して、障害者と企業の出会いの場を提供しています。

また、福祉就労から一般就労へ移行し6ヶ月以上経過下人に就労支援金10万円を支給したそうです。これは市独自の施策となっています。

障害者雇用事業の体制整備

ハローワーク総社との連携による就労支援ルームの運営(平成23年7月より)や市役所とハローワークの協働で「福祉から就労」に向けたワンストップの支援を行なってきました。

さらに「総社市障がい者千人雇用センターの設置」(平成24年4月より)をし、働きたい障害者と、雇用したい企業との間に入り、支援を行ってきました。また、定期的に職場を訪問し、アフターケアも手掛けています。障害者就業・生活支援センターと同じ機能をもつセンターとして活動しています。

出所:「障がい者千人雇用事業」 1000人達成記念セレモニ-(総社市)

まとめ

岡山県総社市では、市独自の政策として、働くことができる全ての障害者を支援するために、平成23年4月から「障がい者千人雇用事業」に取り組んできました。そして、平成29年5月に目標だった1000人を達成したあとは、「障がい者千五百人雇用」を目指して活動中です。

障害者雇用は企業で進みつつありますが、行政でこのような障害者雇用の創出に向けた取り組みを行っている行政はまだ少ないと思います。

2018年4月から職場定着サービスも始まっていますが、障害者の職場定着には仕事の支援とともに生活の支援が不可欠になってきます。この辺をサポートし続けられるのは、やはり行政からのサポートになります。このようなサポートの取り組みがあると、企業としても障害者雇用を安心して取り組むことができそうですね。

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