仕事の悩みとして常に上位にあがる理由の一つが「人間関係」です。職場にいる苦手な人や、合わない人がいると、会社に行くことだけで、気分が重くなってしまいます。それが、身近にいる上司だったり、同僚だったりすると、なおさらそのように感じてしまうことでしょう。
そもそも人間は、それぞれの個性をもっており、そのためにいろいろな軋轢やストレスを感じるものです。ここでは、職場で苦手な人と感じたときにどのように考えたり、接することをすればよいのかについて考えていきます。
苦手な人を避けても問題は解決しない
苦手な人がいると、極力接触することを避けて、コミュニケーションを最小限にし、一緒に行動することを避けがちです。しかし、その結果、その人との関係が改善することは、まずありません。それどころか、ますます溝が深まってしまいがちです。その結果、職場を辞めるという選択をする人も少なくありません。
そもそも人間のそれぞれの個性やもっているバックグラウンドは異なるものですし、いろいろな人が集まってくるので、そのためにいろいろな軋轢やストレスを感じることは珍しいことではありません。しかし、そこで違った考え方を受け入れることによって、新しいものが生み出されることもあります。
学校時代は、同じようなことに興味をもったり、同じような家庭環境や生活環境で過ごす仲間と接することが多かったりするので、それほど違和感を感じることはなかったかもしれませんが、職場では年代も学校も、今までの経歴や経験してきたことを含めて、同じような人は殆どいませんので、余計にそのように感じてしまうかもしれません。しかも、職場では、付き合う相手を選択できないことがほとんどです。
しかし、そのような経験は、社会の中には、あなたが今まで接したことのないような人や性格の人はたくさんいることを知る機会ともなりますし、自分が成長することのチャンスともなります。
できるだけストレスを軽減し、仕事に集中するために、自分の中でどのように受け止めたらよいのかを考えてみましょう。
苦手な人がいると感じたときにどのように受け止めたらよいか
自分が苦手な人がいることをそのまま受け止める
苦手な人との付き合い方に悩んでいる人の多くは、自分が「苦手」という感情を抱いていることへの嫌悪感を感じることがあります。しかし、そもそも人間は、性格も考え方もみんな違いますから、苦手な人や嫌いな人がいてもおかしなことではありません。
まして社会人ともなれば、お互いに独立した意思と考え方を持っているのが当たり前です。相手との相違を受け入れる考え方をあなたが受け入れれば、あなたが苦痛から解放されます。
苦手な人がいる、どうしても好きになれないという感情があることは、特別なことではなく、そのままそういう感情を持っているんだと受け止めましょう。
なぜ、苦手なのか、その理由を考える
次に、苦手な人のどこが苦手なのかを客観的に考えてみましょう。
苦手な理由には、2つのパターンがあります。苦手は人の性格や行動が、自分にも同じようにあると感じるときと、そうでないときです。
苦手な人の性格や行動パターンが自分にあるときには、自分の中にある欠点や短所を認識していて、自分の中でもその部分を嫌っているので、同じような性格や行動する人に対しても「嫌だ」という思いを抱いてしまいます。
また、もう一つの自分の中にない場合には、苦手な人の行動や性格が、あなた自身に理解できず「嫌」という思いを抱くこともあります。
例えば、「どうして、こんな(無駄な)ことをするのだろう」「ちょっと考えればできるのに、どうしてやらないんだろう」「いつも不機嫌そうで、嫌な雰囲気にさせられる」など、自分の行動パターンの中に、相手が行なうようなことをすることがあなたに理解できないという場合です。そして、余計な仕事が増えたり、やったことが無駄になったりと被害を受けることもあります。
このように自分気持ちを冷静に振り返り、どうして苦手に感じているのかを客観的に分析してみましょう。
「他人は変えられない」ことを自覚する
また、合わせて覚えておきたいことは、「他人は変えられない」ということです。私たちは、苦手な人や嫌いな人を前にすると、その人に対して変化を求めてしまいがちです。
しかし、残念ながら他人を変えることは簡単ではありません。相手を変えようと必死になったとしても、それに対する結果が見えず、苦しい思いを感じる人も少なくありません。そもそも、他人を変えることはできないでしょう。それよりも、人を変えるのではなく、自分が変わる考え方を自分が持つという考え方にシフトするほうが建設的な考え方です。
職場は仕事をする場所だと割り切る
そして、なんのために職場にあなたがいるのかを考えてみましょう。職場に行くということは、あなたが仕事することによって、その対価として給料をもらうことを意味するものです。
苦手な人のことを考えて悩んだり、その人のご機嫌取りや好かれるためにいるわけではありません。職場にいるのは、仕事をするからだと割り切りましょう。
苦手な人がいると感じたときにどのように接するか
自分から挨拶しよう
よい人間関係づくりの基本は、挨拶をすることです。これは、相手からされるのを待つのではなく、自分から積極的に行ないましょう。
話しかけることは、あなたと仲良くしたい、良い関係を築きたい、理解したいというメッセージでもあります。朝、挨拶をすることによって、気まずい、息苦しいという雰囲気を緩和することもできます。
また、挨拶以外にも、お礼を伝えたり、感謝や褒めることなども、言葉にして伝えることも有効的です。どんな人でもほめられて悪い気はしませんし、なんどもしているうちに相手はあなたに対して好意を感じるようになります。
心理学の中では、好意の返報性というものがあり、好意には好意が返ってくるという原理がありますので、相手も同じように好意を返す感情を持ちます。
苦手な人の長所にも目を向けてみる
人間には、短所があるように、長所もあります。どうしても、短所には目が行きやすくなってしまいますが、そのように感じたら相手のよいところに目を向けてみましょう。
性格は難があっても、仕事ができるとか、頭が切れるということもあるでしょうし、自分や他人にには厳しいものの、子どもや高齢者にはとても優しい一面があるなどのよい点があるかもしれません。
また、短所は、時に長所の裏返しともなります。人の短所は、とらえ方や言葉によって長所に変えることもできます。例えば、柔軟性がない人は、自分の意志をはっきり持っている人とも言えますし、協調性がないであれば、マイペース、慎重であれば、物事を丁寧に行なう、優柔不断は、じっくり物事を考えて行なうなどです。
聞き流すスキルを身につけよう
人の意見をそのまま全て受け止めてしまうと、必要以上に傷ついたり、その影響を受けてしまうことがあります。そのようなときには、相手の話に合わせつつ、受け流すことを身に着けましょう。
世の中には、相手の気持ちを考えずに思ったことをそのまま口にしたり、嫌味を言ってきたり、必要以上に口出ししてくる人もいます。それに対して、いちいち腹をたてたり、むきになったり、怒ったりする必要はありません。余計なストレスをためないためにも聞き流してください。
また、時には、相手を怒らせることを意図して、そのような態度を取る人もいないわけでもありません。そんなときでも、さっと受け流してしまうなら、相手はあなたが思ったような反応をしないので、いい意味で興味を示さなくなるかもしれません。苦手という感情を表面に出さずに、当たり障りなく接することも大切です。
まとめ
職場の苦手な人との付き合い方について、ここでは、職場で苦手な人と感じたときにどのように考えたり、接することをすればよいのかについて考えてきました。
そもそも人間のそれぞれの個性やもっているバックグラウンドは異なるものですし、いろいろな人が集まってくるので、そのためにいろいろな軋轢やストレスを感じることは珍しいことではありません。しかし、そこで違った考え方を受け入れることによって、新しいものが生み出される可能性も広がっています。
また、あなたの身近になかったような価値観や考え方のある人との出会いは、社会の中には、あなたが今まで接したことのないような人や性格の人はたくさんいることを知る機会ともなりますし、自分が成長することのチャンスともなる可能性もあります。まずは、ここであげてみた考え方や接し方を試してみてください。
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