2025年9月9日付 朝日新聞(朝刊・教育面)にて、知的障害のある高校生とご家族から寄せられた相談に対し、専門家としてコメントを提供しました。
投稿では、以下のようなまっすぐな想いが紹介されていました。
・「重度」の知的障害があり、特別支援学校高等部に在籍している
・小さい頃から重機が大好きで、中学生のときに毎日見学していた工事現場で優しく接してくれた職人さんたちに憧れ、「将来は工事現場で働きたい」という夢を抱いている
・しかし、学校での訓練は福祉的作業所を想定した内容が中心で、工事現場では障害者雇用の前例が少なく、将来の見通しが立ちにくい
・それでも、いつか障害者雇用が拡がって夢が叶う日を願いながら、今日も学校に通っている
記事では、この相談に対して、 「どうすれば本人の力が活かせる環境をつくれるか」 という観点からコメントをさせていただきました。
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朝日新聞デジタル(2025年9月9日・教育面)
「できる形」を一緒に探すという視点
障害者雇用の現場で、私はこれまで多くの 特別支援学校の進路指導の先生方とお話ししてきました。
けれど、その多くは「就職に近い軽度の子」の話題が中心になりがちで、 「重度の子たちの将来をどう伝えたらいいのか悩んでいる」という声も、たびたび聞いてきました。
当時はうまく答えられませんでしたが、今ならこう答えます。
活躍できるかどうかは、“本人だけ”ではなく“環境との組み合わせ”次第です。
“できる形”を一緒に探し、企業と共有できる支援があれば、人はちゃんと力を発揮できます。
今はないからこそ、つくる価値がある
実際に、重度と呼ばれる知的障害のある方が 時間をかけながら職場で役割を担い、周囲とともに成果を生み出している現場を何度も見てきました。
今回の高校生が願う「工事現場で働く未来」は、今はまだ制度や前例のうえでは“難しい”かもしれません。
でも、「今はない」からこそ、つくる価値がある。「重度だから無理」ではなく「どうすればできるか」を考える発想が、 社会を少しずつ変えていくと信じています。
支援とは「力が活きる条件を整えること」
支援とは「特別な何かを与えること」ではなく、「力が活きる条件を一緒に整えること」。
企業・学校・支援者が連携して関われば、一人ひとりが「職場で輝く」未来は、きっともっと広げられます。
障害者雇用ドットコムでは、 重度・軽度を問わず「本人の力が発揮される環境づくり」に向けた 【企業向けコンサルティング】や【学校との連携支援】を行っています。
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