障害者就業・生活支援センターは、障害者の職業生活における自立を図ることを目的に全国に配置されている支援機関です。雇用・保健・福祉・教育等の関係機関との連携のもと、障害者の身近な地域において就労面・生活面における一体的な支援を行い、障害者の雇用の促進と安定を図っています。
ここでは、障害者就業・生活支援センターでは、どのような支援が受けられるのか、また、企業が活用するとよい事例などについて解説していきます。
障害者就業・生活支援センターとは?
障害者就業・生活支援センターは、障害者の職業生活における自立を図ることを目的に全国に配置されている支援機関です。 全国で338か所(令和4年4月現在)あり、雇用・保健・福祉・教育等の関係機関との連携のもと、障害者の身近な地域において就労面・生活面における一体的な支援を行い、障害者の雇用の促進と安定を図っています。
出典:障害者就業・生活支援センター(厚生労働省)
障害者向けと企業向けに、次のような支援を行なっています。
障害当事者向けの支援
就業面での支援
・就職に向けた準備支援(職業準備訓練、職場実習の斡旋)
・就職活動の支援
・職場定着に向けた支援
・関係機関との連絡調整
生活面での支援
・生活習慣の形成、健康管理、金銭管理等の日常生活の自己管理に関する助言
・住居、年金、余暇活動など地域生活、生活設計に関する助言
・関係機関との連絡調整
当事者向けの 雇用の支援としては、障害者の方々が就職や再就職をしやすくするための支援を行っています。具体的には、求人情報の提供や職業訓練の紹介、就労先との調整や面接のアドバイスなどを行います。また、障害者に特化した職業紹介サービスや就労支援事業所を紹介することもあります。
就労したり、働き続けるためには、生活相談の支援も必要です。障害当事者生活を安定させるための支援も行っています。例えば、福祉制度や社会保障に関する相談や、住宅や生活費の支援などがあります。また、生活面での悩みや相談にも応じています。
また、福祉制度や社会保障の情報提供を行なっています。障害者が利用できる福祉制度や社会保障に関する情報を提供しています。障害者手帳の取得方法や各種補助金、障害者控除の申請方法など、身近な制度についても相談にのります。
企業向けの支援
・雇用に関する相談
・職場定着に関する相談
企業は障害者就業・生活支援センターをどのように活用するとよいのか?
障害者就業・生活支援センターを企業が活用する方法としては、採用時、採用後の職場定着や生活面の支援があります。
企業が障害者就業・生活支援センターを採用時に活用するのかは、会社の所在地により変わってくるでしょう。
都市部で人口や企業数が多いところでは、障害者の採用のときに活用する機関としては、就労移行支援事業所が一般的です。就労移行支援事業所は、「障害者総合支援法」に定められた障害福祉サービスのひとつである「就労移行支援」を提供する事業所のことです。
就労移行支援事業所は、2年間の訓練期間中に企業への就労を目指します。それに向けて、障害者が働くために必要な知識・能力を身につけるための「職業訓練」や、「企業実習」などをおこないます。障害者雇用を進めたい企業としては、就労移行支援事業所を活用することで、企業で就職したい障害者と会える機会が広がります。
一方、地域によっては、人口や企業数が多くないと言う場合もあります。このような場合には、就労移行支援事業所の数も限られるため、採用したいと思っても、なかなか人材が見つからないかもしれません。このようなときには、採用時に障害者就業・生活支援センターを活用することもできるでしょう。
採用後の職場定着や生活面での支援では、どのように活用するとよいのでしょうか。就労移行支援事業所など、「障害者総合支援法」に定められた障害福祉サービスに該当する機関から採用した場合には、就労移行支援事業所などが半年間の定着支援をおこないます。また、そのあと、3年間の就労定着支援サービスを活用できるので、これ以降の定着支援に関しては、障害者就業・生活支援センターを活用するとよいでしょう。
定着以外で活用するとよいのは、生活面の支援が必要になった場合の窓口、相談機関として活用できます。障害者雇用をしていると、企業という立場からは、直接関わりにくい「生活面での課題」が生じることも珍しくありません。家庭の問題や住宅、年金、金銭的な問題などが出てきたときには、「障害者就業・生活支援センター」と連携して対応やサポートなどを行うことができます。
「障害者就業・生活支援センター」は、就労だけでなく、障害者の生活面における各種の相談に応じ支援するため、住んでいる地域の雇用や保健福祉、教育などの関係機関を整備・連携することを目的としている機関です。そのため「就業」、及びそれにともなう「生活」の両方をサポートするセンターとなっています。スタッフも「就労支援員」と「生活支援員」がおり、住居、役所への手続きなど、さまざまな日常の支援をサポートします。
職場での課題などに関しては、企業が直接関わることが必要ですが、生活面や金銭的なこと、家族のことなどに関しては、企業が対応が難しいこともあります。このようなときには、障害者就業・生活支援センターを活用することをおすすめします。
動画での解説はこちらから
参考
障害者就業・生活支援センターについて(厚生労働省)
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