障害者就業・生活支援センターとは?企業の活用場面と役割

障害者就業・生活支援センターとは?企業が活用したい場面と役割

2023年02月27日 | 企業の障害者雇用

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「障害者雇用は、配慮の話ではなく、設計の話だ。」

2026年8月21日更新
障害者雇用を進めていると、「仕事の問題なのか、生活の問題なのか分からない」「本人の生活面まで会社が支援するのは難しい」「支援機関と連携したいけれど、どこに相談すればよいのだろう」と迷うことがあります。

このようなとき、相談先の一つになるのが障害者就業・生活支援センターです。

障害者就業・生活支援センターの特徴は、仕事だけを見るのではなく、就業面と生活面の両方を一体的に支援するところにあります。

ただし、「生活上の問題が出たら、すべてセンターへ任せればよい」ということではありません。

企業は仕事や雇用について判断する。本人自身が担うこともある。生活や福祉など、職場だけでは扱いにくい部分について外部の力を借りる。

そのように役割を分けるときに、障害者就業・生活支援センターは活用しやすい支援機関の一つです。

この記事では、障害者就業・生活支援センターの役割と、企業がどのような場面で活用するとよいのかを整理します。

この記事でわかること
・障害者就業・生活支援センターとはどのような機関か
・就業面と生活面でどのような支援をしているのか
・企業が相談を検討したい主な場面
・外部支援を活用するときに企業側で残る役割

障害者就業・生活支援センターとは?

障害者就業・生活支援センターは、障害のある人の職業生活における自立を支えるため、地域の関係機関と連携しながら、就業面と生活面の支援を行う機関です。

働き続けるためには、「仕事ができるか」だけでなく、体調、生活リズム、金銭、住居、家庭など、生活面の安定が関係することがあります。

そこで、就業と生活を完全に切り離すのではなく、必要に応じて両方を見ながら支援していくことが、障害者就業・生活支援センターの大きな特徴です。

企業にとっても、障害者雇用や職場定着について相談できる地域の支援先の一つになります。

どのような支援をしているのか

障害者就業・生活支援センターでは、大きく分けて就業面の支援生活面の支援があります。

就業面の支援

就職に向けた準備や就職活動、働き始めた後の職場定着など、就労に関する相談・支援を行います。

また、必要に応じて企業や他の支援機関との連絡調整も行います。

生活面の支援

働き続けるうえで関係する生活習慣、健康管理、金銭、住居など、生活面について相談できる場合があります。

必要に応じて、地域の福祉・医療などの関係機関につなぐ役割もあります。

つまり、障害者就業・生活支援センターがすべての問題を直接解決するというより、本人の状況を整理し、必要な地域支援につなぐ役割も持っていると考えると分かりやすいでしょう。

企業が障害者就業・生活支援センターを活用したい3つの場面

では、企業はどのようなときに相談を検討するとよいのでしょうか。

すべての障害者雇用で必ず利用する必要があるわけではありません。特に活用を考えやすいのは、次のような場面です。

① 仕事の問題と生活の問題が重なっているとき

たとえば、遅刻や欠勤が増えている。本人と話すと、生活リズムや家庭、体調などが関係しているようだ。このような場合、会社として仕事への影響を確認する必要はあります。

しかし、生活上の問題そのものまで会社だけで解決することは難しい場合があります。そうしたとき、就業面と生活面を両方見られる障害者就業・生活支援センターが、連携先の一つになります。

② 職場定着で本人と企業だけでは整理しにくくなったとき

本人と上司で認識が違う。何度面談しても同じ問題が繰り返される。担当者が本人との調整を一人で抱えている。

このようなとき、会社と本人だけで話し続けるより、外部の支援者が関わることで状況を整理しやすくなることがあります。

重要なのは、「問題を代わりに解決してもらう」のではなく、職場だけでは持っていない情報や視点を得るという考え方です。

③ どの支援につなげばよいか分からないとき

生活、福祉、医療などが関係していることは分かっても、「どこに相談すればよいのか分からない」ということがあります。

障害者就業・生活支援センターは、地域の雇用・福祉・医療等の関係機関と連携しながら支援する機関です。そのため、職場だけでは適切な相談先を判断しにくい場合に、支援を整理する入口の一つとして相談することも考えられます。

ケース|生活上の問題が仕事にも影響している

ある社員に遅刻や欠勤が増えてきたとします。面談すると、生活リズムだけでなく、家庭や金銭面でも困りごとがあることが分かりました。

担当者は、「仕事に影響している以上、会社で何とかしなければ」と考えます。しかし、話を聞くほど問題は広がり、どこまで会社が関わればよいのか分からなくなってきました。

このようなとき、仕事への影響を確認するのは企業。本人自身が取り組むこともある。生活や福祉については、外部の支援を活用できることもある。と分けて考えることができます。

障害者就業・生活支援センターは、この「外部の力を借りる」という選択肢の一つです。

支援機関につないでも、企業の判断がなくなるわけではない

障害者就業・生活支援センターと連携したからといって、「あとは支援機関に任せればよい」ということではありません。

たとえば、どの仕事を担当してもらうのか。勤務についてどう考えるのか。職場としてどこまで調整するのか。仕事上、本人に何を求めるのか。こうした雇用や仕事に関することは、外部からの情報も参考にしながら企業側で考える必要があります。

外部支援を使うことと、会社が判断を手放すことは別です。

ここを分けておくことが、支援機関と連携するときには重要です。

障害者就業・生活支援センターは「困ってから丸投げする場所」ではない

支援機関というと、「問題が大きくなったら相談する場所」というイメージを持つことがあります。

しかし、本人の仕事と生活が絡み合い、職場だけでは整理しにくくなっているときに、外部の視点を借りることもできます。

一方で、支援機関へつなげば会社側の課題が解決するとは限りません。

本人への配慮が曖昧なのか。上司との役割分担が曖昧なのか。会社としての判断基準がないのか。

そうした企業側の問題は、支援機関だけでは解決できないことがあります。だからこそ、何を外部に相談し、何を会社で考えるのかを分けておくことが大切です。

相談を考えるときに確認したい3つのこと

障害者就業・生活支援センターとの連携を検討するときには、まず次の3つを考えてみてください。

今起きていることは、仕事だけでなく生活面とも関係しているだろうか。
職場だけでは扱いにくいことは何だろうか。
外部の支援を借りても、会社として判断する必要があることは何だろうか。

この3つを整理するだけでも、「とりあえず支援機関に相談する」のではなく、何のために連携するのかが見えやすくなります。

支援機関と連携しても「会社の判断」は残ります
外部支援を活用することは大切ですが、実際の職場では「どこまで支援機関に相談し、どこから会社が判断するのか」に迷うことがあります。
生活上の問題が仕事にも影響しているときはどうするのか。
本人と支援者、会社の意見が違うときは何を確認するのか。
支援機関から助言を受けたあと、会社としてどう判断するのか。
オンライン講座では、このような正解が一つではないケースを使いながら、「何を確認し、誰が何を担い、会社としてどう考えるのか」を一緒に整理しています。
支援機関の知識を増やすだけでなく、障害者雇用の現場で自分で判断できるようになりたい方に向けた講座です。

よくある質問

Q:障害者就業・生活支援センターには企業からも相談できますか

障害者就業・生活支援センターでは、障害のある本人への支援だけでなく、障害者雇用や職場定着に関する企業からの相談にも対応しています。

地域や相談内容によって支援の進め方は異なるため、まずは地域のセンターへ確認するとよいでしょう。

Q:どのようなときに企業が相談するとよいですか

職場定着について企業と本人だけでは整理しにくい場合や、仕事への影響に生活上の問題も関係している場合などに、相談先の一つとして考えられます。

Q:生活上の問題も相談できますか

障害者就業・生活支援センターは、就業面だけでなく生活面についても支援することが特徴です。

必要に応じて地域の関係機関との連絡調整が行われることもあります。

Q:障害者就業・生活支援センターに相談すれば、会社は本人の生活に関わらなくてよいですか

生活支援を外部の力に委ねることと、会社が仕事への影響を確認しなくてよいことは別です。

企業では、勤務や業務、職場で必要な調整などについて引き続き考える必要があります。

Q:障害者就業・生活支援センターと他の支援機関の違いが分からない場合はどうすればよいですか

障害者雇用では、ハローワーク、地域障害者職業センター、就労移行支援事業所など、さまざまな支援機関があります。

まず「何について支援が必要なのか」を整理してから、それぞれの機関の役割を見ると選びやすくなります。

まとめ|就業と生活が重なるときに、地域の支援を活用する

障害者就業・生活支援センターは、障害のある人の就業面と生活面を一体的に支援する地域の支援機関です。

企業にとって特に活用を考えたいのは、仕事の問題と生活の問題が重なっているとき。職場定着について、企業と本人だけでは整理しにくいとき。どの支援につなげばよいのか分からないとき。です。

ただし、支援機関に相談することは、会社が判断を手放すことではありません。

外部の力を借りること。本人自身に担ってもらうこと。会社として判断すること。を分けて考える。

そのうえで障害者就業・生活支援センターを活用すると、企業だけで抱え込まずに障害者雇用を進めやすくなります。

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