精神障害者の雇用が進んでいます。精神障害者の雇用に関しては、企業の方は不安を持っていることも少なくありません。とはいえ、精神障害者の雇用を考えなくては、なかなか雇用も難しくなっているのが現実です。
そこで、厚生労働省では、精神・発達障害の基礎知識や一緒に働くために必要な配慮などを学ぶことができる「精神・発達障害者しごとサポーター養成講座」をスタートさせています。
なぜ、「精神・発達障害者しごとサポーター養成講座」ができたのか?
平成30年度の障害者雇用率が上がるのに伴い、企業での準備が進んでいます。精神障害者の雇用が進んでいるのは、すでに他の障害の雇用がある程度進み、採用が厳しくなっていることや、精神障害者手帳を取得する障害者が増えているためと考えられます。
増加している精神障害、発達障害者の雇用を安定させるポイントの1つは、職場において同僚や上司がその人の障害特性について理解し、共に働く上での配慮することです。
しかし、企業で働く一般の従業員が障害等に関する基礎的な知識や情報を得る機会は限られています。そのため、一般の企業の従業員を対象として、精神障害、発達障害に関して正しく理解し、職場における応援者(精神・発達障害者しごとサポーター)となるための講座を開始することになりました。
「精神・発達障害者しごとサポーター養成講座」の内容
この「精神・発達障害者しごとサポーター養成講座」の対象者は、企業に雇用されている人であれば誰でも受講可能であり、90分~120分の単日講座で精神・発達障害についての基礎知識や一緒に働くために必要な配慮などを学ぶことができます。
「精神・発達障害者しごとサポーター養成講座」で学べる概要
・ 「精神疾患(発達障害を含む)の種類」
・「精神・発達障害の(予定) 特性」
・「共に働く上でのポイント(コミュニケーション方法)」等
「精神・発達障害者しごとサポーター養成講座」を受講するメリット
・精神・発達障害についての基礎知識や一緒に働くために必要な配慮などを短時間で学ぶことができる。
「精神・発達障害者しごとサポーター養成講座」の講座時間
・90~120分程度(講義75分、質疑応答15~45分程度)を予定
※ 全国各都道府県の労働局・ハローワークで、「精神・発達障害者しごとサポーター養成講座」を開催するので、主催者によって若干変更があります。
「精神・発達障害者しごとサポーター養成講座」の受講対象者
企業で働いている方(企業の経営者や管理職、人事部に限らず、一般従業員の方も受講できます。)
「精神・発達障害者しごとサポーター養成講座」におけるサポーターの養成は、広く職場における精神障害、発達障害に関する正しい理解の浸透を図り、精神・発達障害者にとって働きやすい職場環境づくりを推進し、「障害者と一緒に働くことが当たり前」の社会になることを後押しすることを目的としています。そのため、現在、障害者と一緒に働いているかどうか等は問われません。
その他
・ 「精神・発達障害者しごとサポーター養成講座」を受講してなる精神・発達障害者しごとサポーターは、特別な資格制度等とはなっていません。また、講座を受講したことにより、職場の中で障害者に対する特別な役割を求めるものでもありません。
・平成29年秋から事業所への出前講座ができました。出前講座では、個別企業からの要請に応じて、講師が各職場へ出向いて講座を実施しています。また、精神・発達障害者の雇用でお困りのことがあれば、精神保健福祉士や臨床心理士の有資格者などに相談することもできます。
出前講座を開催した各企業の声としては、次のような声があげられています。
「障害者雇用を進めるためには、社内で共に働く同僚の理解が必要と考えて出前講座をお願いしました。普段なかなか聞く機会のない内容の話を聞くことが出来てよかった、コミュニケーションの方法等がわかったなどの感想がありました。」(東京 株式会社 NaITO)
「精神障がいや発達障がいの特性、働きにくさなどを正しく学ぶとともに、日頃、障がいのある方と一緒に働く中で感じている疑問や課題、困っている点について意見交換
を行うことで、障がい者雇用に対する理解をより一層深めることができました。」(岐阜岐阜県庁)
出典:出前講座を開催した各企業等の声(厚生労働省)
動画の解説はこちらから
まとめ
平成30年度の障害者雇用率が上がり、企業では精神障害の雇用が進んでいます。この理由は、すでに他の障害の雇用がある程度進み、採用が厳しくなっていることや、精神障害者手帳を取得する障害者が増えているためと考えられます。
これからの障害者雇用においては、精神障害者の雇用は避けて通れない状況です。精神障害や発達障害の基本的な知識をみにつけるためには、「精神・発達障害者しごとサポーター養成講座」を受講することが役立ちます。また、企業に出向く出前講座などもありますので、活用してみるとよいでしょう。
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