管理職が限界になる職場で起きている共通現象ー不調者増加の原因とは?

管理職が限界になる職場で起きている共通現象ー不調者増加の原因とは?

2026年02月4日 | 判断とマネジメントの構造

制度と現場のズレが整う5日間メール講座

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ここ半年で、ある種類の相談が明らかに増えています。
「不調者が同時に複数出ている」
「管理職が限界に近い」
「人事が調整だけで手一杯」
「このままでは回らなくなるのではないか」と、現場から声が出ています。
業界も規模も違うのに、出てくる言葉が同じです。

一つひとつを切り取れば、どの会社でも起こり得る“個別の出来事”に見えます。人が変わったのかもしれない。たまたまタイミングが重なったのかもしれない。最近の働き方の変化の影響かもしれない。このように整理することも、決して間違いではありません。
ただ、複数の企業で、ほぼ同じタイミングで、ほぼ同じ種類の「詰まり」が起きているのを見ると、これは“偶然の連続”というより、もう少し深いところで起きている共通の現象ではないかと感じています。
つまり、いま現場に出ているこれらの出来事は、「個人の対応力の問題」でも「理解不足の問題」でもなく、組織の中で、静かに進んできた“ある構造の変化”が、表面に出始めているサインかもしれない、ということです。
もしここまで読んで、「これ、うちの話かも」と少しでも感じるところがあれば、それは偶然ではない可能性があります。
そして、この段階で起きていることには、共通する“初期症状”があります。いま多くの企業で見え始めているその「初期症状」について整理していきます。

いま多くの組織で同時に起きている“共通の変化”

先ほど触れたような違和感は、感覚的なものではなく、実際に各社の現場で“起きている事実”として現れています。
最近、複数の企業で共通して挙がっている内容は、たとえば次のようなものです。
・休職や不調に関する相談が、急激ではないが確実に増えている
・配慮や個別対応の話題になると、会議や現場の空気が明らかに重くなる
・管理職から「どこまで自分が判断してよいのか分からない」という声が出ている
・同じ種類の相談が、何度も人事に持ち込まれている
・相談や調整を担う人が、ほぼ固定化している
・人事や一部の担当者が、調整役として慢性的に疲弊している

どれも、一つだけ見れば珍しい現象ではありません。しかし、これらが同時に起きている場合、現場の判断キャパシティが、すでに限界に近い状態に入っている可能性があります。
ここに並んでいる内容に、一つでも思い当たるものがある場合、それは「まだ大きな問題にはなっていない段階」で見える、いわば“初期の兆候”かもしれません。

それは偶然でも、個人の問題でもない理由

ここまでに挙げたような状況が出てくると、多くの組織はまずこう考えます。
・最近の若手が繊細だから
・管理職のマネジメント力が足りないのではないか
・人事の人手が足りないから回らない
・制度やルールが追いついていないのかもしれない

どれも、一見もっともらしく聞こえます。実際、現場ではその説明で納得せざるを得ない場面も多いでしょう。
ですが、ここで一度立ち止まって見てほしい事実があります。同じような現象が、業界も規模も違う複数の会社で、ほぼ同じ時期に、同じ形で起きている。
これは、「たまたまその会社に問題のある人が多い」という話ではありません。「特定の管理職が弱い」という話でもありません。個人の資質や努力の差で説明できる範囲を、すでに超えています。
もし原因が「個人」や「偶然」なら、ここまで似た症状が、これほど多くの組織で同時に出ることは考えにくいのです。つまり、いま起きていることは個別要因ではなく、構造要因が表面化しているサインだと見るほうが、実情に近いと言えるでしょう。
人の問題に見えているものが、実は「組織の動き方の前提」に関わる問題であるとき、現場の努力だけでは、なかなか軽くならないのはこのためです。

これはトラブルではなく「組織の初期症状」

ここまで挙げてきた現象は、大きなトラブルや事故とは違います。だからこそ、多くの組織では「まだ大丈夫」「なんとか回っている」という感覚が先に立ちます。
この状態を理解するうえで分かりやすいのが、医療のたとえです。高熱や激痛のような“明らかな異常”ではない。けれど、なんとなく疲れが抜けない、同じ不調を何度も繰り返す、無理をすれば動けてしまう、こんな段階に近い状態です。
組織で起きていることも似ています。いま出ているのはトラブルそのものではなく、 設計にかかっている負荷が、限界に近づいているサインであることが多いのです。
この“初期症状”には、いくつかの特徴があります。
✔ まだ業務は回っている
✔ 重大事故や大きな炎上ではない
✔ しかし同じ種類の相談や不調が繰り返される
✔ 現場の努力や善意で、何とか持ちこたえている
この段階で整理できれば、負荷は戻せます。逆にこの段階を越えると、調整ではなく“立て直し”が必要になります。この状態を放置すると、休職・離職・マネジメント崩壊という形で一気に表面化するケースも少なくありません。
一つひとつは小さく見えても、同じ症状が繰り返されているとき、それは偶発的な出来事ではなく、組織の動き方そのものに負荷が溜まり続けている状態です。
この段階で気づければ、整えるのは“構造の微調整”で済むことが多い。しかし、「まだ回っているから」と放置すると、後になってから一気に負荷が噴き出すケースも少なくありません。だからこそ、これはトラブルの話ではなく、組織に出ている初期症状の話なのです。
実際、多くの会社がこの段階で、研修を増やす、ルールを追加する、現場の努力に頼るという方向に進みます。ですが、これは“負荷を軽くする動き”ではなく、負荷を上乗せする動きになってしまうことが多いのです。

なぜ今、同じ現象が同時多発しているのか

では、なぜこの現象が、いま、これほど多くの組織で同時に起きているのでしょうか。ここには、個別企業の事情を超えた背景があります。
まず一つは、社員の特性や働き方の多様化です。同じ「社員」という言葉の中に含まれる状態や前提が、以前よりはるかに幅広くなっています。
次に、求められる配慮の種類と量の増加。「配慮が必要」という状況自体は珍しいものではなくなり、その内容も一律ではなく、個別性が高くなっています。
さらに、業務そのものの複雑化。スピード、同時進行の案件数、関係者の多さなど、一つの判断に影響する要素が増えています。その結果、現場で求められる判断の難度は上がり続けています。こうした変化が重なったとき、何が起きるか。
一つひとつの対応は小さくても、“対応の総量”が、個人の判断キャパシティを超え始めるという状態が生まれます。つまり問題は、「現場が弱くなった」のではなく、「現場に乗せている負荷の前提が変わった」ことにあります。
それでも設計が変わらず、「その都度、現場で判断する」形のままでいると、どれだけ誠実に対応しても、徐々に詰まりが生じます。これは能力の問題というより、現場任せの設計そのものの寿命が来ている状態に近いのです。

多くの会社が止まってしまう本当の理由

ここまで読んで、「うちも似た状態かもしれない」と感じた方は少なくないかもしれません。
実際、多くの会社はすでに何らかの違和感には気づいています。
・最近、同じような相談が増えている
・管理職が疲れている
・現場の空気が以前と違う

こうした変化を、まったく認識していないわけではありません。それでも止まってしまうのは、“気づけないから”ではないのです。
多くの組織が立ち止まる理由は、むしろ次のようなところにあります。
・どこから手をつければいいのか分からない
・何が本質で、何が結果なのか整理できない
・とりあえず対策を増やす方向に進んでしまう
結果として、研修を増やす、ルールを足す、会議を増やす。どれも無駄ではありませんが、根本の整理がないまま積み上がると、現場の負荷はむしろ増えていきます。だから今必要なのは、新しい対策を追加することではなく、いま何が起きているのかを構造として整理することです。
症状に対して薬を足し続ける前に、いまの状態がどういう構造で生まれているのか。そこを一度言語化できるだけでも、次に取るべき動きは、驚くほどクリアになります。

この段階で必要なのは“努力の追加”ではない

ここまで見てきたような症状が出ている組織に、いま必要なのは「もっと頑張ること」ではありません。
よく取られがちな方向は、施策をさらに追加する、研修の数を増やす、理解を深める機会を増やすといった“上乗せ”の動きです。
もちろん、これら自体が無意味なわけではありません。ですが、構造の整理がないまま重ねると、現場に乗る負荷はさらに増えていきます。
この段階で本当に必要なのは、対策の追加ではなく、
▶ どの判断が現場任せになっているのか
▶ 何が属人化しているのか
▶ どこで判断が詰まっているのか
といった点を、一度“見える状態”にすることです。
いま起きていることを構造として捉え直せると、「何を増やすか」ではなく、「何を戻すか」「何を仕組みに移すか」という視点に変わっていきます。

もしこの記事の内容に、「どこか自社と重なる」と感じる部分があったとしたら、いまは対策を増やす段階ではなく、現状を整理する段階にいるのかもしれません。
このテーマは、考え込むよりも、言葉にしながら整理したほうが進みやすい領域でもあります。今起きていることを「対策」ではなく、状況を構造として整理するための短時間の対話(30分)の時間を取っています。
何かを決める場ではありません。解決提案を行うものでもありません。いま何が詰まり始めているのかを、一度見える状態にするための時間です。もしこの記事の内容に、少しでも「自社の状態と重なる」と感じられた場合は、現状整理のタイミングに来ている可能性があります。
必要なタイミングで思い出していただければ十分ですが、すでに「現場の負荷が戻らない状態」に入っている場合は、早めに整理しておくことで、来年度の負荷が大きく変わります。状況整理をご希望の場合は、こちらのフォームよりご連絡ください。「相談」ではなく「現状の整理」として承ります。

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