会議が決まらない原因は、個人の能力ではなく、組織の判断構造にあるかもしれません。本記事では、会議が止まる会社に共通する5つの構造要因を整理します。
会議が増えているのに、なぜ決まらないのか
会議の回数は増えているのに、なかなか物事が決まらない。
何度も議論しているのに、前に進んでいる実感がない。
論点は整理され、懸念点も共有され、反対も出ていない。
それでも最後は――「一旦、持ち帰ります。」 「次回までに確認します。」そんな形で終わっていないでしょうか。
参加者が不真面目なわけではありません。議論が浅いわけでもありません。それでも決まらない。
その原因は、会議の回数やファシリテーションの問題ではない可能性があります。むしろ、会議の外側にある“ある構造”が、判断を止めていることが多いのです。
会議が決まらないのは“能力不足”ではない
会議が決まらないと、多くの企業はこう考えます。
・ファシリテーションが弱いのではないか。
・議題設定が甘いのではないか。
・管理職の決断力が不足しているのではないか。
確かに、これらが影響する場面もあるでしょう。しかし、それらは本質的な原因というよりも、「表に現れた症状」であることが少なくありません。
たとえば、最終判断者が曖昧なままでは、どれだけ優れたファシリテーターがいても、議論は終わりません。判断基準が共有されていなければ、管理職は合理的に慎重になります。責任範囲が不明確であれば、決断を先送りするのは自然な反応です。
つまり、「決められない」のは個人の能力や意欲の問題ではなく、そうならざるを得ない構造の中に置かれている可能性があります。
問題は人ではなく、仕組みかもしれません。
問題は“会議”ではなく、判断の流れが設計されていないことかもしれません。
会議が決まらない会社に共通する5つの構造要因
会議が決まらない会社には、いくつか共通する“構造的な特徴”があります。
ここでは代表的な5つを整理します。
1|最終判断者の不在
議論は十分に行われている。しかし、最終的に「誰が決めるのか」が明確でない。
その結果、合意と決定が混在します。「皆が納得した」ことと、「誰かが責任を持って決めた」ことは別です。
最終判断者が曖昧なままでは、どれだけ議論しても“決定”は発生しません。
2|判断基準の未定義
何を満たせばGOなのか。どの程度のリスクまで許容するのか。この基準が明確でないと、判断は感覚に依存します。
基準が曖昧な場では、人は合理的に慎重になります。
「念のため、もう少し検討を。」 それは弱さではなく、防衛反応です。
3|責任範囲の曖昧さ
決めた後、誰がどこまで責任を負うのか。この線引きが曖昧だと、決断は重くなります。
さらに、評価制度と連動していない場合、決める人だけがリスクを背負う構造になります。
その結果、判断は先送りされます。
4|アサイン設計の不整合
役割と権限が一致していない。実行責任は現場にあるが、判断権限は別の部署にある。あるいは、判断を担う立場に十分な情報が届いていない。
このズレがあると、会議で一度決まったことが、再び議論に戻されます。結果として、会議は増え、決定は遅れます。
5|例外処理設計の欠如
前例主義が強い組織では、「今までやっていない」が最大の壁になります。
・例外を誰が扱うのか。
・どこまでが特例なのか。
このルールがないと、前例のない案件ほど判断が止まります。変化の時代において、例外処理の設計がない組織は、静かに停滞します。
これら5つに共通しているのは、人の能力ではなく「構造」の問題であるという点です。会議が決まらないのは、決断力が足りないからではなく、決断が流れる設計になっていないからかもしれません。
本質は「判断の流れ」の設計
ここまで見てきた5つの問題は、それぞれ独立しているようでいて、実はひとつの共通点を持っています。それは、「判断の流れ」が設計されていないという点です。
会議が止まるのは、人の能力や意欲の問題ではなく、判断が自然に流れる構造になっていないことが原因かもしれません。
最終判断者が曖昧で、基準が言語化されず、責任範囲も不明確なままでは、誰も安心して決めることができません。結果として、議論は重ねられても、決定は生まれない。
会議が止まる背景には、“人”ではなく“構造”の問題がある場合があります。この構造については、別の記事でより詳しく整理しています。
▶ 「また決まらなかった」その会議で止まっている本当のもの
まず可視化すべきは、何が止まっているのか
では、何から始めればよいのでしょうか。
多くの企業は、会議の回数を減らす、進行ルールを変える、ツールを導入するなど、具体的な“解決策”から手をつけようとします。
しかし本当に必要なのは、対策を打つことではありません。まずは、「何が止まっているのか」を可視化することです。
・最終判断者なのか。
・判断基準なのか。
・責任の線引きなのか。
・それとも例外処理の設計なのか。
止まっているポイントを見誤れば、いくら施策を重ねても会議は変わりません。
構造を観測すること。それが最初の一歩です。
会議が止まる背景には、経営と現場の間で滞留している“判断の構造”が存在することがあります。個人の努力や会議運営の工夫だけでは、解消できない場合も少なくありません。
もし構造レベルで整理したい場合は、対話の機会を設けています。
判断構造は、内部にいるだけでは見えにくいことがあります。
▶ 判断滞留ポイントを可視化する(30分)


























0コメント