精神障害の支援機関~当事者会や全国組織の役割と内容~

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2018年01月3日 | 障害関連の情報

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働いている精神障害者の中には、落ち着いて安定的な毎日を送っている人たちもたくさんいます。そのような人たちの多くは、サポートを受けるだけでなく、他の患者や家族と交流を深めていることが少なくありません。

ここでは、当事者会や全国組織に参加することのメリットやどのような組織があるのかについて見ていきます。

当事者会や全国組織に参加することのメリット

公的サービスとして就労支援に関するサポートを受けることは、就労を安定的に行なうために必要ですし、活用していくことができるでしょう。それと同時に、働いている精神障害者の中には、同じ病気や悩みを抱えた人とのネットワークに参加することによって、ピアサポートによってお互いに支え合っていることも少なくありません。

ピアサポートとは

同じ問題を抱える人たちが集まり、それぞれの状況での自分の体験や行動、考えなどを披露し、互いに語り合うことにより支え合うことを意味します。ピア(仲間、peer)という用語のとおり、仲間同士が相互に体験や感情を共有し支援しあう精神的支援活動を主体とするものとなっており、それによって問題解決の方策をみつけだそうとします。

英語のピア(peer)という言葉は(年齢・地位・能力・経験などが)同等の者・同僚同輩・仲間という意味です。 ピアサポートという言葉は「仲間を支える」という意味になりますが、 その活動は一方が支える、支えられるという一方通行のものではなく、 仲間同士でお互いがお互いを支える、支えられるというものです。

ピアサポートが持っている考え方は、「人は誰でも適切な機会さえあれば、自分の問題を自分で解決することができる」ということです。

ここでいう「解決」という言葉は、しばしば「リカバリー」という言葉に置き換えられます。 「解決」や「リカバリー」は、単に人に頼らずに自立するとか、障害・症状がなくなる、ということではありません。 自らが抱えた様々な問題に対して主体的に向き合い、困難を抱えた状態であってもその中で自分の生き方を追求していくことを意味します。ピアサポートの活動とは、仲間が、そして自分が、自分の生き方を追求していく自己決定を手助けするためのものです。仲間や周りが本人に代わって問題を解決することではありません。

同じ悩みを共有できる人やグループの存在は、病気を抱える当事者とその家族に大きな勇気を与えるとともに、具体的な情報交換をすることもできます。このような組織は全国にありますので、病気についての最新情報を得るためにも活動内容を知っておくとよいかもしれません。

精神障害者の全国組織

NPO法人 地域精神保健福祉機構(コンボ)

精神障害のある人とその家族の会です。情報誌「こころの元気+」を発行し、地域精神保健福祉の向上を目指した各種セミナーや研修会を行っています。

公益社団法人 全国精神保健福祉連合会(みんなネット)

精神障害のある人の社会参加促進を目指して、家族が結成した団体です。「月刊みんなネット」を発行し、精神障害についての理解を広げるための活動を行っています。

精神障害者の自助グループ

全国には、同じ悩みを抱えて人同士が助け合う自助グループがあります。ここではよく知られているグループを2つ見ていきます。

べてるの家

精神障害を持つ人の自助グループとして有名で、北海道浦河町にありま。べてるの家の始まりは精神障害の回復者数名による地域での活動でした。共同生活を送りながら、地元でとれる日高昆布を産地直送しようと起業活動を始めたのをきっかけに、現在ではグループホームや作業所、福祉ショップ、通信販売など多様な共同体を持ち、それら全体をべてるの家と呼んでいます。

べてるの家では、当事者研究といわれる定例会が行われています。自分の病気や症状に、例えば「幻聴さん」などの名前をつけ、その日の幻聴さんの様子について仲間に報告します。また、毎年開催される「べてるまつり」では、幻覚妄想大会が人気を集めています。障害を逆手に取ったユニークな試みです。

クラブハウス

1940年代のアメリカで、リカバリーを目指す州立病院精神障害者の自助グループとして誕生しました。その後、この活動は世界各地に広がり、現在は約300カ所のクラブハウスを有する国際的な組織となっています。日本にも5カ所のクラブハウスがあります。

クラブハウスでは、「誰でも参加できる」、「意味ある仕事がある」、「意味ある人間関係がある」、「いつでも戻ってこれる」という理念のもと、精神障害を持つ人と支援者が対等な立場で運営に当たっています。

活動の主軸は「ユニット」と呼ばれるハウス内の実務作業で、事務や受付等の運営に関わる作業は全てメンバーである精神障害持つ人が主体となって行ないます。このような活動は、「自分も大事な役割を持っている」という自信の回復に大いに役立つと考えられています。

また、「実収入は一般企業から得る」という考え方から、就労支援にも積極的で、企業と提携した就労体験など行っています。交流会や季節ごとのイベントなどレクレーションのプログラムも多く、国際組織なので海外との交流も盛んなことが特徴です。

リカバリーのための支援体制「ACT(アクト)」

ACT(Assertive Community Treatment / 包括型地域生活支援プログラム)は、統合失調症をはじめとする精神障害のある人が治療受けながら地域で暮らせるように、医療・保健・福祉が連携して支援を行うものです。支援対象として最も重視しているのは、1人では外に出られないという重症者です。

精神障害のある人の社会参加・社会復帰を支援する制度はいろいろ増えていますが、そのほとんどは本人が窓口まで足を運ばなければ利用できません。これは外に出られないような重症者ほど、社会的支援を受けにくいことを意味します。

そこでACTでは、医師、看護師や精神保健福祉士(PSW)やピアパートナー等がチームを組、精神障害のある人の自宅を訪問します。支援体制も「24時間365日」とし、訪問できない場合も電話での相談・支援を行います。

ACTで提供されるサービス

・精神科治療を継続するため、診察や処方、自宅への薬の持参などの支援
・病気を自己管理するための支援(病気の知識や服薬に関することなど)
・カウンセリング
・身体的健康に関する支援
・買い物、料理、交通機関の利用などの支援
・就労に関し、利用者の希望を実現するための支援
・年金や生活保護の利用や金銭管理のアドバイスなどの経済的サービスに関する支援
・利用者の家族のための支援

ACTの特徴「現場での訓練」

ACTによる支援プログラムの特徴の1つは、自宅での生活技能訓練(SST)です。生活技能訓練をリハビリテーション施設のような設備が整った環境で行うと、自宅や職場などの実際の場面で応用できなかったり、混乱したりするという問題が起こることがあります。そこで「訓練してから現場へ」ではなく、「現場で訓練を」という発想のもとで、訓練が行われています。

就労支援では、「本人に働く意欲さえあれば、就労は可能」という信念をもち、一人ひとりの長所や希望に合わせて、個別支援計画を立てます。これはIPS(個別就労支援プログラム)ともよばれ、福祉の場でも浸透しています。

2003年国立精神・神経センター精神保健研究所ではじめられ、全国10数カ所で行われています。多くの研究結果をみると、ACTは標準的な精神保健サービスよりも入院期間を減らし、地域での生活を安定させる効果が高いことが明らかになっています。

また、QOL(生活の質)や精神症状、利用者とその家族の満足度などに関しても、い亭の効果が上がること、従来のサービスにくらべて医療経済学的にもよい結果がえられると言われています。

一方、志の高い人たちや、様々な分野の専門職を集めなければ活動が成立しないため、なかなかその数を増やせませんが、効果的な支援体制であり、当事者や関係者の間で期待が高まっています。

まとめ

精神障害者の生活をサポートする当事者会や全国組織の役割と内容について説明してきました。

当事者会や全国組織に参加することのメリットは、同じ病気や悩みを抱えた人とのネットワークに参加することによって、ピアサポートによってお互いに支え合っていくことです。

ピアサポートでは、「人は誰でも適切な機会さえあれば、自分の問題を自分で解決することができる」という考え方を行なうことによって、仲間同士が相互に体験や感情を共有し支援しあう精神的支援活動を主体とするものとなっており、それによって問題解決の方策をみつけだそうとします。

このような組織は全国組織などがいくつかありますので、ここで紹介した組織についてはホームページなどを参照してください。

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