精神障害者保健福祉手帳の取得方法や判断基準とは?

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精神障害者の雇用が増加しています。しかし、一言で精神障害といっても、クリニックや病院に通っている精神障害を抱えている人が、障害者雇用にカウントされるわけではありません。

障害者雇用にカウントされるために必要なことや、精神障害者保健福祉手帳(以下、精神障害者手帳)の取得方法や判断基準について説明していきます。

障害者雇用のカウントには手帳が必要

企業では一定数の従業員がいると、障害者雇用を行なう責任があります。障害者雇用のカウントの基準となるのは、障害者手帳を所持しているかどうかです。

近年、精神障害者が増えていますが、障害者雇用の精神障害としてカウントするには、精神障害者手帳を所持していることが必要になります。精神障害者手帳を所持することによって、一定程度の精神障害がある状態にあることを認定するものだからです。

ですから、たとえメンタルが原因で休職していたとしても、精神障害者手帳をもっていないのであれば、障害者雇用としてカウントすることはできません。

精神障害者手帳の取得方法

精神障害者手帳の対象となる疾患には、次のようなものがあります。

  • 統合失調症
  • うつ病、躁鬱病等の気分障害
  • てんかん
  • 薬物やアルコール等の中毒依存症
  • 精神遅滞を除く、器質精神病
  • 非定型精神病
  • その他の精神疾患(睡眠障害や行動障害、異常食障害など)

上記のような疾患であることが診断された日から一定期間経過し、病状が固定している場合に精神障害者手帳の申請を行うことができます。

精神障害者手帳の申請には、精神疾患の診察をしている主治医・専門医の診断書が必要となります。しかし、診断書は初診日から6ヶ月を経過した日以後に作成されることになっているので、早くても診断されてから6ヶ月経過しないと精神障害者手帳を申請することができません。

精神障害者手帳の申請には、医師の診断書、障害年金の年金証書等の写しを添付して、都道府県知事(指定都市市長)宛に提出します。医師の診断書は、精神保健福祉センターにて判定されます。(実際の提出先や相談先は、住んでいる市区町村の障害福祉担当窓口になります。)

病院

精神障害者手帳等級の判定基準

精神障害者手帳の等級は、1級から3級までの3つの区分に分けられます。1級が一番重く、3級が一番軽い障害の程度となります。

大まかに分類すると、1級は一人では日常生活が難しい状況、2級は日常生活に著しい制限を受けている状況か著しい制限を加える必要があるもの、3級は日常生活や社会生活に制限を受ける状況か、制限を加える必要があるものとされています。

一般的な障害者雇用の状況をみると、精神障害手帳の3級か2級をもっている方が就労していることが多いです。しかし、手帳の区分が2級と3級を比較したときに、必ずしも3級だから仕事ができるとか、就労しやすいということもありません。

就労する本人の適性や就労する環境に合うかどうかも関わってきますし、精神の方は状況に波があったりしますので、一時的な面だけを捉えて判断することはできないでしょう。

精神障害基準

精神障害者手帳を取得するときの基準としては、以下の項目に該当する場合とされています。いくつ該当するのかという点については、明記されていません。どのような点に難しさがあるのかを知る目安としてみていただくと参考になるかもしれません。

1.適切な食事摂取や洗面、入浴、更衣、清掃など身辺の清潔保持
洗面、洗髪、排泄後の衛生、入浴等身体の衛生の保持、更衣(清潔な身なりをする)清掃などの清潔の保持について、あるいは、食物摂取(栄養のバランスを考え、自ら準備して食べる)の判断などについての能力障害の有無を判断する。これらについて、意志の発動性という観点から、自発的に適切に行うことができるかどうか、援助が必要であるかどうか判断する。

2.金銭管理や適切な買い物
金銭を独力で適切に管理し、自発的に適切な買い物ができるか、援助が必要であるかどうか判断する。(金銭の認知、買い物への意欲、買い物に伴う対人関係処理能力に着目する。)

3.規則的な通院・服薬
自発的に規則的に通院・服薬を行い、病状や副作用などについてうまく主治医に伝えることができるか、援助が必要であるか判断する。

4.適切な意思伝達や協調的な対人関係
他人の話を聞き取り、自分の意思を相手に伝えるコミュニケーション能力、他人と適切につきあう能力に着目する。

5.身辺の安全保持・危機対応
自傷や危機から身を守る能力があるか、危機的状況でパニックにならずに他人に援助を求めるなど適切に対応ができるかどうか判断する。

6.社会的手続や公共施設の利用
各種の申請など社会的手続を行ったり、銀行や福祉事務所、保健所などの公共施設を適切に利用できるかどうか判断する。

7.趣味・娯楽等への関心、文化的社会的活動への参加
新聞、テレビ、趣味、娯楽、余暇活動に関心を持ち、地域の講演会やイベントなどに参加しているか、これらが適切であって援助を必要としないかどうか判断する。

精神障害者保健福祉手帳制度の注意点

精神障害者手帳には、2年間の有効期限があります。つまり、2年ごとに都道府県知事の認定を受ける必要があります。精神障害者を雇用しても更新を行っていないと、手帳を所持していないことになり、障害者としてカウントすることができなくなってしまいます。

ですから、人事担当者の方は、精神障害者手帳の障害者の有効期限がいつまでかを必ず確認するとともに、更新が近くなってきたときに本人に更新の時期が近づいてきたことを伝えて確認するとよいかもしれません。

精神障害者手帳は、有効期限の3ヶ月前から申請できます。その際には新規申請のときと同様の必要書類と、現在交付されている手帳の写しが必要となります。

また、有効期限内に精神障害の状態が悪化したり、障害年金の等級が変更となったりした場合には、障害等級の変更を申請することができます。

精神障害者手帳の更新時に、障害の程度が緩和した時には、障害の等級が下がったり、障害者手帳を受けられる症状ではなくなることもあります。病状が改善したという点では喜ばしいのですが、障害者雇用でなくなる場合に雇用についてどうしたいのかなどについては、当事者とよく話し合っておく必要があります。

まとめ

精神障害者手帳は所持している人が、一定程度の精神障害がある状態にあることを認定するものです。精神障害者手帳は1級から3級まで区分が分かれており、1級が一番重く、3級が一番軽い障害の程度となります。

一般的には、精神障害手帳の3級か2級をもっている方が就労していることが多く見られます。精神障害者手帳には、2年間の有効期限があります。精神障害者を雇用しても、2年ごとに更新に行っていないと、手帳を所持していないことになり、障害者としてカウントすることができなくなってしまいます。

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